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第34話 また会ったな、旧知の顔

灰色のローブを纏った少女とモーフェイは、その場で固まっていた。二人の間には、青々とした苦みの漂う曼陀羅の茂みがある。


こぶ爺の言葉は明確だった。近づきすぎた振動があれば、この曼陀羅は一斉に移動して地中へ逃げ込む。今は誰かが少しでも大きく動けば、目標は廃薬草園の深い土の中へ瞬時に消えてしまう。


二人は動けない。だが、連れてきた「小さな仲間たち」には遠慮というものがなかった。


モーフェイの足元では、原型1号が地面に這いつくばり、深緑色の触手を半分だけ伸ばして黒豆のような目を丸く見開き、ゼリー状の体をわずかに張り詰めさせていた。今にも射出されようとするグミのようだ。

向かい側では、少女が斜め掛けにした幻獣瓶の中で翠緑色の小熊が焦れったそうにぐるぐると回り、鼻をガラスに押しつけてきしむ音を立て、短い脚で瓶の底を必死に掻いている。今すぐ飛び出したくて仕方がない様子だった。


今以上は引き延ばせない。


十呼吸の後、モーフェイが先に折れた。

空いている手をそっと上げ、掌を少女に向ける——敵意がないことを示す、どこでも通じる仕草だ。


少女の視線が掌の上を一度なぞった。頷きもせず、動きもしない。


モーフェイは重心を落とし、曼陀羅の根系が感知できる範囲の外縁に沿って、極めてゆっくりとした足取りで半周した。

少女の視線はずっとモーフェイを追い続け、彼が同じ側に立ち、二人の距離が一歩以内になったところでようやく静止した。


「……あなたも、これを採りに?」モーフェイは声を吐息ほどまで落とした。


少女の目が彼の腰の道具袋へ動き、次に地面で涎を垂らしている原型1号へ、そして最後に戻ってきた。「葉が要る」と、かすかだが落ち着いた声で答える。


「俺は根だ」モーフェイが短く返した。目的が違えば争う必要はない——それだけで張り詰めていた空気が少し緩んだが、彼はすぐに現実の問題を指摘した。「葉を切る時の振動も、根を掘るのと同じくらい警戒させる」


「わかってる」少女は静かに言い、彼の手の道具に目をやった。「さっきあなたが入れようとしていた角度は間違ってる。ここの土層は固められてる。刃先をもっと斜めにしないと、曼陀羅はあなたの手が震える前に感知してしまう」


少し耳に痛い言葉だったが、それはまさに彼が躊躇っていた点だった。目の前のこの少女、只者ではない。


「それなら……協力するか?」モーフェイはすぐに提案した。「曼陀羅は少しでも動きがあれば潜る。まず全体を完全に掘り出さないといけない」


少女の目がかすかに揺れた。腰の幻獣瓶をそっと叩く。「私の幻獣は植物を宥めることができる。約二秒間、温かな温床の幻覚に落とせば、すぐには逃げない。その間にあなたが掘り出せる」


「いい」モーフェイは地面の葉を指した。「二秒で掘り出す。葉はあなたに、根は俺が貰う」


「成約」


鏗——


合意が成立した直後、計画は早速変数を迎えた。


遠くから、農具がぶつかり合うがちゃがちゃという音が届いてくる。


「なんだよあの学務長、こんな何もないところで草むしりさせるとか……」怨嗟に満ちた男の声がこちらへ近づいてきていた。


その若様じみた、聞き覚えのありすぎる不満の声が、モーフェイの胸の奥にすっと冷たいものを落とした。

銀髪、横柄——数日前に学院で、自分が罠を仕掛けて池に落とした間抜け野郎だ。

あの一件のせいで、学院からこの廃薬草園での労役を命じられたらしい。


モーフェイは素早く計算した。銀髪の青年の動きはいずれ曼陀羅を全部逃がすことになる。あいつがここまで来れば、この「元凶」を絶対に見分けてしまう。


彼は少女と目を合わせた。二人は視線だけで合意した。来させるわけにはいかない。


「計画変更、俺が引き離してくる」モーフェイは声を落とし、手の採掘道具を少女に渡した。「あなたが掘って」


あいつは今労役中で、やましいことがあるはずだ。

物陰から少し物音を立てて、巡視の監督員を装えば、あの坊ちゃんを確実に向こうへ誘導できる。


原型1号に命じる。「よく聞け。土が緩んだら、すぐに飲み込め。消化したら錬成炉に詰める」


これが「保険」だ。少女が葉を採ったとしても、ついでに根を持ち去ることはできない。


原型1号の黒豆眼が二人の間を一往復し、不満げな顔をしながらも土の端まで縮み、口を曼陀羅に向けた。


言い含めを終えると、モーフェイは振り返って茂みへ消え、銀髪の青年の方へ回り込んでいった。


一方。


銀髪の青年は鎌を脇に挟み、熊手を腋に抱え、もう一方の手で鍬を引きずりながらでたらめに地面へ突いていた。視界の端に、前方の茂みの向こうで黒い影がよぎるのを捉えた。


「誰だ?」

咄嗟に首をすくめ、身を低くして割り当てられた草むしりの区画へ後退し、体裁を繕うように地面を二度ばかり鍬で打った。


黒い影は「巡視」しているようで、木立を挟んで絶妙な距離を保ち続けた。

モーフェイは顔を出さず声も発さず、足音のリズムと枯れ枝を踏み折る微かな音だけを使い、傀儡を操るように一歩ずつ、後ろめたさを抱えた銀髪の青年を薬草園の最外縁へと誘導した。


---


足音が完全に遠ざかったのを確認し、少女は動き出した。


前に踏み出そうとしたその瞬間、土の端に這っていた原型1号が突然身をぶるっと縮ませ、盛大な「ハクション!」を放った。


音はさほど大きくはない。だがそれで十分だった。植床全体がざわめき、周囲の土が沸騰するように揺れ動き、目標が地中へ逃げ込もうとしている!


少女の目が鋭くなった。指先が幻獣瓶を軽く弾く。

翠緑色の小熊の目に緑の光が走り、薬草の香りを帯びた高純度の活性エーテルの霧が土の中へ素早く広がった。

この温かく生命力に満ちたエネルギーは最上級の鎮静剤のように、驚いた曼陀羅の張り詰めた根系を一瞬で弛緩させ、無理やり肝心な二秒間を固定した。


深く息を吸い、斜めに切り込む落点を見定める。


シュッ——


道具が斜めに土へ差し込まれ、手首を返すと、曼陀羅が大きな土塊ごと丸ごと宙へ掘り起こされた!


この魔薬草が宙を舞った瞬間、待ち構えていた原型1号は檻を出た飢えた狼のごとく勢いよく跳び上がり、貪欲な大口を開けて、土ごと根ごと丸飲みにしようとした。


「させない!」少女の瞳孔が収縮した。


粘液の大網が曼陀羅全体を包もうとするその寸前、道具を引いた手がそのまま前へ一伸び、閉じかけた巨大な口の隙間へ直接滑り込ませ、翠色の葉を三枚、鮮やかに掴み取った。


次の瞬間、粘つく大口が宙で「ぱくっ」と重く閉じ、茎全体が完全に飲み込まれた。


少女は間一髪で葉を仕舞い、原型1号をじっと見据えた。

腰の小熊は静かにガラスに張りつき、土を咀嚼する原型1号を見つめていた。その目には警戒とともに、畏敬の色が滲んでいた。


---


計画はうまくいった。


銀髪の青年は外縁へ誘導され、鎌と熊手をその辺に放り出して、そこに蹲り素手で草むしりを続けていた。モーフェイは安全距離を確認して引き返した。


植床のそばに戻ると、原型1号はすでにモーフェイの足元に縮まっており、少女は元の場所に立っていた。

モーフェイが戻ってくるのを見て、少女はわずかに頷いて取引完了を示し、道具を返すと、くるりと背を向けて立ち去ろうとした。


モーフェイも撤収しようとした。


がしゃん!


背後から鍬が地面を打つ鈍い音が響いた。

銀髪の青年は草むしりに嫌気が差し、腰を伸ばして、何気なく奥の方へ目を向けた。


ちょうどその時、微かな風が吹き抜け、幾重にも重なった枝葉を掻き分けた。彼の気のない視線は、その隙間をまっすぐ突き抜けて——撤退しようとしていたモーフェイと真正面からぶつかった。


銀髪の青年の不機嫌な表情が瞬時に固まり、瞳孔が急収縮した。


「お前かよ!!」


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