第086話 武器屋での相談・後編
ゴードンが作業台に紙を広げた。
「詳しく見ていくぞ」
全員が作業台の周りに集まる。
ゴードンはカイルの大剣を手に取った。
「カイル、お前の大剣だが」
「はい」
「刀身に微細なヒビが入ってる。このままだと折れるぞ」
「えっ……」
カイルが驚いたように大剣を見つめる。
「強化が必要だ。刀身を鍛え直す」
「どうすれば……」
「素材が必要だ。後で説明する」
次に、リリアの杖を手に取る。
「リリア、お前の杖は」
「はい」
「先端の宝石に曇りが出てる。魔力伝導率が低下してる」
「そんなに……」
リリアが心配そうに杖を見る。
「新しい宝石に交換するか、磨き直すかだ。どちらにしても素材が要る」
「承知いたしましたわ」
リリアは静かに頷いた。
ゴードンはアイリスのナイフを見る。
「アイリス、お前のナイフは」
「はいはーい」
「刃こぼれが多い。研磨が必要だな」
「やっぱりねー」
「研磨石で磨けば使える。新しい刃に替える手もある」
「了解だよー」
次に、セリスの水晶杖を手に取る。
「セリス、お前の杖は」
「はい……」
「ヒビが入ってる。これは交換推奨だ」
「交換……」
セリスは少しショックを受けた様子で杖を見る。
「このままだと戦闘中に折れる可能性がある」
「そんな……」
「新しい水晶が必要だ」
「……わかりました」
ゴードンはエルザの短剣を確認する。
「エルザ、お前のは問題ない」
「……そう」
「手入れの差だ。見習えよ、みんな」
エルザは無言で頷いた。
ハンスのハンマーを手に取る。
「ハンス、お前のハンマーは」
「……そうだ」
「柄が劣化してる。巻き直しが必要だ」
「……承知した」
「強度のある木材が要る」
ハンスは静かに頷く。
セイラの氷杖を見る。
「セイラ、お前の杖は」
「……」
「魔力結晶が消耗してる。補充が必要だ」
「……理解した」
「氷属性の結晶がいい」
セイラは淡々と頷いた。
最後に、ユイの双剣を見る。
「ユイ、お前のは完璧だ」
「長年の癖でな」
「さすがだ」
ゴードンは全員を見渡す。
「お前らの装備を強化するには、素材が必要だ」
「素材……ですか」
カイルが尋ねる。
「ああ。いい素材があれば、装備は生まれ変わる」
「どんな素材が必要なんですか?」
リリアが尋ねる。
「それは明日、詳しく説明する」
ゴードンは紙を畳んだ。
「今日は装備状態の確認だけだ」
「ありがとうございます」
カイルが深く頭を下げる。
「装備は冒険者の命だ。手入れを怠れば命を落とす」
ゴードンは厳しい声で言った。
「肝に銘じます」
リリアが静かに頭を下げる。
セリスも小さく頭を下げた。
「ごめんなさい……」
「謝る必要はない。これから気をつければいい」
アイリスが軽く笑う。
「まあ、若いうちに学べてよかったってことで!」
「そうだな」
ゴードンが頷いた。
「素材はいつ教えてくれる」
ユイが短く尋ねる。
「明日また来い。リストを用意しておく」
「了解した」
「……素材は、どこにある」
エルザが静かに尋ねる。
「それも明日だ。簡単には手に入らんぞ」
「……そうか」
「……危険か」
ハンスが低く問う。
「冒険者の仕事だ。危険は付き物だな」
「……承知した」
「……時間は」
セイラが淡々と尋ねる。
「素材次第だ。早ければ数日、遅ければ数週間」
「……理解した」
ゴードンが全員を見渡す。
「じゃあ、明日また来い」
「はい!」
「承知いたしましたわ」
「了解だよー!」
「わかりました!」
エルザ、ハンス、セイラは無言で頷いた。
「ありがとう、ゴードン」
ユイが短く礼を言う。
「また明日な」
全員が武器を受け取り、店を出る。
外に出ると、カイルが呟いた。
「素材集め、大変そうですね……」
「冒険者の仕事だ」
ユイが答える。
「頑張りましょう!」
セリスが明るく言う。
「みんなで協力すれば大丈夫!」
アイリスが笑った。
全員が拠点へ向かう。
明日、素材のリストを受け取る。
そこから、新たな冒険が始まる。
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