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エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第11章 束の間の日常

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第084話 街への買い物・後編

セリスとアイリスは、市街南側にある食材市場へ向かっていた。


「わー! 久々の市場だね!」


アイリスが軽やかに跳ねる。


「はい! 新鮮な食材がたくさんありますよ!」


セリスも弾んだ声で応えた。


市場は昼下がりらしい活気に満ちていた。野菜、魚、肉を扱う店が軒を連ね、商人たちの呼び声が絶え間なく響いている。


「いらっしゃい! 今朝採れた野菜だよ!」

「魚も入ったばかりだ、見ていきな!」


セリスは目を輝かせ、次々と店を覗いていく。


「この野菜、色がとても綺麗ですね」


「おっ、お嬢さん、目利きだね!」


商人が笑顔で応じる。


アイリスはその様子を楽しそうに眺めながら、隣を歩く。


「セリス、今日は何作るの?」


「うーん……みんなが元気になるもの、ですね!」


「いいね! じゃあ肉料理?」


「それもいいですけど、魚もすごく新鮮そうです!」


セリスは嬉しそうに笑った。


二人は魚屋の前で足を止める。氷の上に並ぶ魚が、光を受けて銀色に輝いている。


「この魚、新鮮ですよ!」


商人が胸を張る。


セリスはじっと魚を見つめた。


「本当ですね。目が澄んでいます」


「分かるかい! さすがだね」


「これ、ください!」


迷いのない声だった。


「おっ、いいね!」


アイリスがにやりと笑う。


セリスは魚を受け取り、満足そうに頷いた。


その後も二人は市場を巡る。野菜屋では、セリスが真剣な表情で品を選ぶ。


「このトマト、甘そうですね」


「そうだろ? 今朝採れたばかりだ」


「じゃあ、これもください!」


アイリスが横で感心したように言う。


「セリスって、ほんと食材選ぶの楽しそうだよね」


「はい! 料理は食材選びから始まりますから」


「へぇ……奥が深いね」


「新鮮なものなら、味付けは控えめでも美味しくなるんですよ」


セリスは誇らしげに説明した。


肉屋では、自然と料理の話題になる。


「この肉、柔らかそうですね」


「ああ、いい部位だ。煮込みでも焼きでもいける」


「じゃあ、煮込みにします!」


「それは間違いないな」


店主が笑う。


アイリスはその横で、小さなパンを齧っていた。


「ねえ、セリス。デザートも買わない?」


「あっ、それもいいですね!」


二人は市場の奥へ進み、菓子屋の前で足を止める。


色とりどりの菓子が並んでいる。


「わー、美味しそう!」


「これ、みんなで食べたら楽しそうですね」


「よし、買おう!」


気がつけば、袋はすぐにいっぱいになった。


「ありがとう! また来てね!」


「はい、ありがとうございます!」


市場を後にする頃には、二人の腕は食材と菓子で塞がっていた。


「今日はいっぱい買えたね!」


「はい! これで美味しい料理が作れます!」


「楽しみだなー!」


アイリスが上機嫌で言い、セリスも頷く。


拠点へ戻る途中、セリスがふと思い出したように言った。


「そういえば……ユイさんたち、ちゃんと買い物できてますかね」


「あー、大丈夫でしょ。ユイはハンスと一緒だし」


「それなら安心ですね」


一方その頃、ユイとハンスは防具屋にいた。


店主との何気ない会話の中で、ユイは耳に留まる言葉を聞く。


「最近、冒険者の装備が妙に傷みやすいんだよ」


「……どういうことですか」


「理由は分からん。ただ、普段より明らかに早い」


ユイは考え込む。


ハンスも無言で頷いた。彼自身、同じ違和感を抱いていた。


「……そうですか」


それ以上は踏み込まず、ユイは店を出る。


ハンスが静かに後を追った。


二人は言葉を交わさず、拠点への道を歩く。


ユイの胸には、小さな引っかかりが残っていた。


何かが、少しずつズレ始めている。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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