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エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第10章 シャドウ・ヴェール

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第80話 封印の解放

夜。シャドウ・ヴェールの拠点の外れ。

人目につかない場所で、3人の影が密かに向き合っていた。


ザイン、ミラ、ドレイク。

裏切り派の3人だ。


「上司派の主力は、ほぼ消えたわね」


ミラが満足そうに言う。


「……次は」


ドレイクが短く問う。


ザインは腕を組み、闇の向こうを見据えたまま答えた。


「組織を掌握する。そのために、もう1つ進める」


ミラが微笑む。


「封印、ね」


「ああ」


3人は拠点を離れ、夜の王都を抜けていった。

月明かりが石畳を照らし、人通りのない道に足音だけが響く。


王都の門を越え、街道を進み、やがて森へ入る。

木々が密集し、月の光すら届かない暗闇。だが、3人は迷いなく進んだ。


何度も訪れてきた場所だ。


やがて、森の奥に古代遺跡が姿を現す。

崩れた石柱と苔むした石畳。その中央に、巨大な石碑が立っていた。


人の背丈の3倍ほど。

表面には複雑な魔法陣が刻まれている。


封印の紋章。


ザインが近づき、石碑に手を触れた。

冷たい感触。長い年月を経た石だ。


その瞬間、紋章が微かに光る。

淡い光が文様をなぞるように走り、すぐに消えた。


「……封印は、確実に緩んでいる」


ザインが低く呟く。


「もう後戻りはできない段階だ」


ミラが石碑を見上げる。


「カオスナイトが活性化したのも、この影響ね」


「ああ。封印が揺らげば、幻モンスターは呼応する」


ドレイクが低く問う。


「……上司は、まだ気づいていないな」


「気づいていれば、ここまで放置されていない」


ザインは石碑から手を離した。


「次の段階に進む前に、組織の主導権を完全に握る」


ミラが小さく笑う。


「時間は、私たちの味方ね」


ザインは答えず、懐から小さな水晶を取り出した。

水晶が淡く青白く光り始める。


やがて、その中から低く重い声が響いた。


「計画は、順調か」


性別すら判別できない声。


「問題ありません。上司派は弱体化しました。組織の掌握も目前です」


「封印の状態は」


「想定通り、緩んでいます。次の段階へ移行可能です」


水晶の光が揺らめく。


「焦るな。時が来れば、すべては自然に崩れる」


「了解しました」


短いやり取りで、通信は切れた。

水晶の光が消え、闇が戻る。


ザインは水晶を懐にしまい、再び石碑を見つめる。


紋章には、以前よりも明確なひびが走っていた。

まだ解放には至らない。だが、確実に近づいている。


「行くぞ」


3人は遺跡を後にし、森の闇へと溶けていった。


残された石碑だけが、静かに佇む。

紋章のひび割れが、微かに光を放ちながら。


封印は、確実に緩み続けていた。


第10章完

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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