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エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第10章 シャドウ・ヴェール

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第77話 組織の影

シャドウ・ヴェールの拠点。翌日。

広間に、10数名の観察者が集められていた。

全員が黒いローブを纏い、フードを被っている。その中には、選ばれた者たちがいた。


精鋭戦闘員。

組織の中でも、特に実力のある者たちだ。


広間の奥に、上司が立っていた。深いフードに顔は隠れている。だが、その低く威圧的な声だけで、空気が張り詰める。


「北の森の奥、廃墟に幻モンスターの反応がある」


ざわめきが広がる。


「幻モンスター……」

「本当なのか」

「まさか……」


上司が手を上げ、静寂が戻った。


「カオスナイトと呼ばれる存在だ」


空気が一変した。

その名を知らぬ者はいない。幻モンスター。決して倒せぬ存在の1つ。


だが、実際に目撃した者はいない。


「我々も動く。精鋭15人を選抜する」


前列に立つ男が一歩前へ出た。

ガルス。40代前半、精悍な顔立ちの男だ。重装鎧を纏い、腰には大剣を下げている。上司派の筆頭として、長年組織を支えてきた存在だった。


「了解しました」


迷いのない声。


上司が名を読み上げていく。

ガルス。そして彼に続く9名の精鋭。

さらに3名。ザイン、ミラ、ドレイク。

最後に2名。レイナ、ユーリ。


選ばれた15人が前に出る。

残った者たちは、緊張した面持ちでそれを見守っていた。


選抜が終わり、上司は広間を後にした。


残された15人は、それぞれ準備を始める。

ガルスは部下に指示を出し、レイナとユーリは装備を確認していた。


一方、ザイン、ミラ、ドレイクの3人は人目を避け、拠点の外れへ向かう。

古い倉庫の裏。誰も来ない場所だ。


ザインが周囲を確かめてから口を開く。


「またか」


短く、冷たい声。


ミラが髪を1つに束ねながら言った。


「あの上、まだ現場に出る気らしいわね」


ドレイクは無言で頷く。


「この機会に、整理できるな」


ザインの言葉に、ミラが薄く笑う。


「カオスナイト相手なら、事故に見えるわ」


「上司派の主力が揃っている。ガルスもいる」


ドレイクが低く言った。


「……計画通りに」


「ああ」


視線が交わる。

言葉は少ないが、意図は一致していた。


「あの連中、気づいてないわよね」


「ああ。レイナもユーリも、何も知らない」


ドレイクが大剣の柄を握る。


「……利用する」


「当然だ」


3人は倉庫を後にした。


別の場所では、レイナとユーリが話していた。


「カオスナイトって、本当にいるんですね……」


レイナの声は不安を含んでいる。


「俺たちも選ばれたんだ。頑張ろう」


ユーリは明るく言い、弓を背負い直した。


「みんなで力を合わせれば、きっと」


「ガルスさんもいるしな」


レイナは小さく頷いた。


「ザインさんたちも一緒ですし」


2人は知らない。

すぐ傍で、裏切りが進んでいることを。


再び広間。

15人が揃い、ガルスが前に出る。


「我々は、世界の均衡を守る者だ」


重い声が響く。


「幻モンスターは、再び世に放ってはならない」


上司派の者たちが応える。


「了解しました」


ザインたちも表向きは従う。


「……了解した」


「承知しました」


ドレイクは黙って頷く。


だが、ザインの内心は別だった。

これで上司派は削れる。次は――組織そのものだ。


ガルスが剣を抜く。


「出発する」


15人が広間を後にした。

北の森の奥、廃墟へ。


カオスナイトが待つ場所へ。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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