表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第9章 真の力と覚悟

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
75/122

第075話 覚悟の再確認

馬車で3日かけて、王都へ戻った。


その間、ほとんど誰も口を開かなかった。


全員が、あの廃墟での出来事を、それぞれの中で反芻していた。


拠点へ戻ると、自然と全員が広間に集まった。


誰かが促したわけではない。


そのまま床に腰を下ろし、しばらく沈黙が続く。


疲労が、今になって全身に押し寄せてきていた。


やがて、セイラが口を開いた。


「あれが、幻モンスターか」


低い声。


いつもの冷淡な口調だが、わずかに震えが混じっている。


「ああ」


ハンスが短く頷いた。


「一撃が、重かった」


「石壁が、ひび割れた」


その言葉に、カイルも静かに頷く。


「僕の盾も……凹みました」


歪んだ盾を見下ろし、唇を噛む。


「今の僕たちじゃ、まだ太刀打ちできませんね」


リリアが静かに言った。


「でも、ユイの判断は正確だったわ」


「撤退のタイミングも、迷いがなかった」


アイリスが続ける。


「あのまま戦ってたら、絶対にやられてたよ」


セリスも小さく頷く。


「……本当に、強かったです」


「怖かった」


エルザが短く言う。


「……逃げて正解だった」


全員が、無言で頷いた。


ユイは、皆の顔を順に見渡す。


疲れ切った表情。


だが、全員がここにいる。


生きて帰ってきた。


前世では、一人だった。


今は違う。


8名全員が、無事に戻ってきた。


「まだ、準備が足りません」


ユイが口を開いた。


「ですが……いつか必ず」


「倒します」


その声に、迷いはなかった。


セイラがユイを見る。


「お前の情報は、正しかった」


ハンスも頷く。


「あれほどの脅威、聞いていなければ全滅していた」


セイラが、ゆっくりと立ち上がる。


「分かった」


「俺も、本気でやる」


その言葉に、空気が変わった。


ハンスも立ち上がる。


「俺も、クロウフォールに正式に加入する」


ユイが目を見開く。


「本当ですか」


「ああ」


ハンスは静かに頷いた。


「お前の判断は正確だった」


「指示も的確だった」


「俺は、お前についていく」


セイラも腕を組む。


「俺も同じだ」


「あの幻モンスターを倒すには、組織が必要だ」


「単独じゃ、無理だ」


アイリスが満面の笑みを浮かべる。


「やった! これで8名揃ったね!」


セリスも嬉しそうに頷く。


「正式に、8名体制ですね」


エルザが短く言った。


「……良かった」


カイルが立ち上がり、二人に頭を下げる。


「よろしくお願いします、ハンスさん、セイラさん」


「ああ」


「よろしく」


二人が応じる。


リリアが、穏やかに微笑んだ。


「これで、クロウフォールは完成ね」


ユイは深く頭を下げた。


「ありがとうございます」


「皆さんと一緒なら、必ず倒せます」


顔を上げる。


「次は、カオスナイト討伐に向けた本格的な準備を始めます」


全員が頷いた。


「私も、もっと強い光魔法を習得するわ」


リリアが言う。


「僕も、もっと強くなります」


カイルが拳を握る。


「新しい盾も、用意しないとですね」


アイリスが元気よく言った。


「情報網、もっと広げるよ!」


「カオスナイトの情報、集めまくる!」


セリスが頷く。


「訓練も、頑張ります!」


エルザが短く答える。


「……同じだ」


ハンスが低い声で言った。


「俺は、防御をさらに磨く」


セイラも頷く。


「俺は、氷魔法の制御を改善する」


「味方を巻き込まないようにな」


ユイは、全員を見渡す。


8名。


それぞれに欠点がある。


だが、それを補い合える。


それが、クロウフォールだ。


「ありがとうございます」


ユイは、もう一度頭を下げた。


「皆さんと一緒なら、必ず勝てます」


全員が、静かに頷いた。


夜。


ユイは自室で、窓の外を見ていた。


月が昇り、静かな夜が広がっている。


今日、大きな一歩を踏み出した。


8名体制が完成した。


ハンスとセイラが、正式に加わった。


カオスナイトの脅威も、全員が理解した。


次は、準備だ。


装備を整え、技を磨き、連携を強化する。


そして、いつか。


必ず、カオスナイトを倒す。


ユイは、静かに拳を握り締めた。


前世では、一人だった。


今は違う。


共に戦う仲間がいる。


だから、勝てる。


必ず、勝てる。


ユイは窓を閉め、ベッドに横になった。


明日から、また新しい日々が始まる。


だが、今は休もう。


仲間と共に未来へ進むために。


静かな夜が、クロウフォールの拠点を包み込んでいた。


第9章 完

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

少しでも「面白い」「続きが気になる」と感じていただけましたら、

ブックマーク・評価・感想などで応援していただけると、とても励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ