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エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第8章 新たな力

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第063話 小規模共闘

3日後。

クロウフォールの拠点に、再びハンスが訪れた。


「来てくれたんですね」


ユイが驚いた表情を浮かべる。


「もう1度、組んでみたい」


ハンスが低い声で言った。


「本当ですか?」


「ああ」


「分かりました。では、今日も依頼を受けましょう」


ユイはギルドから受けてきた依頼書を広げる。


「王都近郊の護衛依頼です。前回と同じく、商人の馬車を守ります」


「了解した」


ハンスが頷いた。


「今回も、私とカイルとハンスさんの3人で行きます」


「はい」


カイルも準備を始める。


3人は拠点を出発し、王都近郊の集合地点へ向かった。


今回の商人は若い男性で、少し緊張した様子だった。


「よろしくお願いします」


「任せてください」


ユイが笑顔で答える。


馬車が動き出す。

今回のルートは前回とは違い、平原を抜ける道だった。視界は良好だが、遮蔽物が少ない。


「開けた場所ですね」


カイルが周囲を見渡す。


「ああ。だが、それは逆に危険だ」


ユイが言う。


「遮蔽物がないということは、隠れる場所もないということです」


「なるほど」


カイルが頷く。


ハンスは黙って馬車の後方を歩いている。


15分ほど進んだところで、ユイが立ち止まった。


「来ます」


「どこから?」


カイルが剣を抜く。


「左側」


ユイが指を差す。


草むらが揺れた。

赤い目が3つ、光る。


赤目の狼だ。


「また赤目の狼か」


カイルが呟く。


「最近、本当に増えていますね」


3体の狼が飛び出してくる。


1体目がカイルに向かって跳びかかった。

カイルが盾で受け止める。


だが、狼の力が強く、体が後ろへ押される。


「くっ」


その瞬間、背後からハンスが割り込んだ。

巨大な盾が狼を完全に受け止める。


ドン。


重い音が響く。

狼が弾き返された。


「動くな」


ハンスが低く言う。


カイルは即座に横へ避けた。


「了解です!」


2体目と3体目が同時に襲いかかる。


ハンスが盾を構える。

2体の狼が同時に盾へ激突した。


ガン、ガン。


激しい音。

だが、ハンスはまったく揺れない。


「今だ」


ハンスが言った。


ユイが側面から風魔法を放つ。

風刃が1体目に直撃し、体勢を崩す。


カイルが踏み込み、剣を振り下ろす。


1体目、討伐。


2体目がハンスの盾に噛みつこうとする。

だが、盾は硬く、牙が通らない。


ハンスが盾を押し出す。

狼が後方へ吹き飛ぶ。


ユイが追撃の風魔法を放つ。

狼が地面に叩きつけられる。


カイルが駆け寄り、剣を突き刺した。


2体目、討伐。


残る3体目が後退し、威嚇の唸り声を上げる。

だが、次の瞬間、逃げようとした。


「逃がさない」


ハンスが1歩前に出る。

盾を構え、圧力をかける。


狼が怯む。


ユイが風魔法を放つ。

狼が倒れた。


カイルが止めを刺す。


3体目、討伐。


「終わりました」


カイルが剣を納める。


「問題なかったな」


ハンスも盾を下ろした。


「素晴らしい連携でした」


ユイが2人を見る。


商人が馬車から顔を出す。


「大丈夫ですか?」


「はい、無事です」


「ありがとうございます!」


商人がほっとした表情を浮かべた。


その後、無事に目的地へ到着し、報酬を受け取って王都へ戻る。


帰り道、カイルが口を開いた。


「ハンスさん、今日は前回より動きが早かったですね」


「指示があったからだ」


ハンスが短く答える。


「ユイが『来ます』と言った。だから構えた」


「なるほど」


カイルが頷く。


ユイも言った。


「ハンスさんの防御力は、本当に圧倒的です」


「それは当然だ」


「ですが、動きが遅いというのも本当ですね」


「ああ」


ハンスは否定しなかった。


「超重装甲の代償だ。移動速度は遅い。細かい位置調整も苦手だ」


「でも、それで十分です」


ユイが言う。


「あなたが盾になってくれれば、私たちは安心して攻撃できます」


「そうだ」


ハンスが短く肯定した。


「俺は守る。それだけだ」


3人は王都の門をくぐる。


ハンスが足を止めた。


「クロウフォール」


「はい」


ユイが振り返る。


「悪くない」


低い声。


「それは……」


「俺も、やってみる」


ユイの目が見開かれた。


「本当ですか?」


「ああ」


「指示があれば動ける。それなら、組織にいる方が良い」


「ありがとうございます!」


カイルが嬉しそうに言う。


「だが、1つ条件がある」


ハンスが続けた。


「何でしょうか」


「俺は判断が遅い。だから、必ず指示を出してほしい」


「分かりました」


ユイが即座に答える。


「指示は必ず出します」


「それなら、問題ない」


ハンスが頷いた。


「よろしくお願いします」


ユイとカイルは頭を下げる。


「よろしく」


短い返答。


3人は拠点へ向かった。


広間に入ると、リリア、アイリス、セリス、エルザが待っていた。


「お帰りなさい」


「ただいま」


ユイが答える。


「そして、紹介します」


ユイがハンスを見る。


「ハンス・ストーンハート。今日から、クロウフォールの仲間です」


「よろしく」


「よろしくお願いします!」


「歓迎するわ」


「よろしくね!」


「よろしく」


ハンスは黙って頷いた。


ユイは全員を見渡す。


7名になった。

だが、まだ足りない。


強力な攻撃魔法使いが必要だ。


「次は、セイラを探します」


「氷魔法の使い手、セイラ・アイスブレス」


「どこにいるんですか?」


「王都東部の魔法訓練所にいる可能性が高いわ」


「では、明日、探しに行きましょう」


全員が頷く。

ハンスも黙って頷いた。


7名。

次は、8名目を迎え入れる。


そして、クロウフォールの戦力を完成させる。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

少しでも「面白い」「続きが気になる」と感じていただけましたら、

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