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エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第7章 組織運営と足りないもの

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第056話 拠点での夜

拠点に戻ると、すでに夜になっていた。


全員が広間に集まる。


セリスが厨房で簡単な食事を用意する。スープとパン、焼いた肉だ。

テーブルに並べると、全員が席についた。


「いただきます」


六名が食事を始める。


しばらく、誰も口を開かない。

ただ黙々と食器の音だけが響く。


やがて、セリスがふっと笑った。


「今日は疲れたね~」


その一言で、張りつめていた空気が少し緩んだ。


「本当にな」


カイルが苦笑する。左腕には包帯が巻かれており、まだ完全には治っていない。


「でも、退屈じゃないよ!」


アイリスが明るく言った。


「むしろ、楽しかった」


「楽しい、か」


エルザが短く呟く。


「悪くない」


その言葉に、アイリスが笑う。


「エルザも楽しんでるんだ」


「楽しいとは言っていない」


即座に否定するが、表情はどこか柔らかい。


リリアがその様子を見て微笑んだ。


「皆、少しずつ打ち解けてきたわね」


「そうですね」


ユイも頷く。


食事が進むにつれ、自然と会話が途切れがちになる。


やがて、カイルが真剣な表情で口を開いた。


「でも、もっと強くならないと」


全員が顔を上げる。


「今日の戦いで、俺は盾を壊された。吹き飛ばされた」


カイルは拳を握る。


「もっと強ければ、防ぎきれたはずだ」


「装備も見直す必要があるわね」


リリアが静かに言う。


「盾は新しいものを用意しないと」


「そうですね」


ユイが頷いた。


「それだけじゃない」


今度はセリスが口を開く。


「私の水魔法も、火力が足りなかった」


「私の光魔法も同じよ」


リリアが認める。


「核を砕くのに、時間がかかりすぎた」


ユイは全員を見渡した。


今日の戦いで、はっきりしたことがある。

クロウフォールには、足りないものがある。


「明日、会議をしましょう」


ユイが言った。


「現状の課題を、全員で確認します」


全員が静かに頷く。


「今後の方針も決めましょう」


リリアが続ける。


「そうね。このままじゃ、次の依頼も苦戦するわ」


「だね」


アイリスも同意する。


「でも、今日はもう休もう」


セリスが笑った。


「さすがに疲れたし」


「そうだな」


カイルが立ち上がる。


「おやすみなさい」


それぞれが自室へ戻っていく。


ユイも部屋へ向かい、ベッドに腰を下ろした。

装備を外し、短剣を丁寧に磨く。


窓の外を見ると、月が昇り、森を静かに照らしている。


今日の戦いを振り返る。

フォレストトレント、ストーンゴーレム。

討伐には成功したが、決して楽な戦いではなかった。


カイルは負傷し、リリアとセリスは魔力を使い果たした。

全員が限界まで消耗している。


これで相手にしたのは、通常の魔物だ。

幻モンスターではない。


今のままでは、幻モンスターには勝てない。


もっと戦力が必要だ。

もっと、強くならなければならない。


ユイは短剣を鞘に収めた。


明日、会議で全員と話し合う。


横になり、目を閉じる。

体は疲れているが、心は不思議と落ち着いていた。


翌日、六名での初めての正式な会議が開かれることになる。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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