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エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第6章 クラウンという選択

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第042話 水の治癒師

翌朝、ユイはリリアの治療院を訪れた。

扉を開けると、薬草を分類していたリリアが顔を上げる。


「おはよう。アイリスとは上手くいった?」


「はい。加入してくれました」


リリアは安心したように微笑んだ。


「あの子なら、そうすると思ってたわ。で、次は?」


「回復役をもう一人」


ユイの言葉に、リリアは小さく頷く。


「ちょうどいいわ。紹介したい子がいるの」


そう言って、リリアは机に向かい、羽ペンを取った。紙に迷いなく文字を書き綴っていく。


「セリス・アクアノート。アクアニア族の治癒師よ。私の知り合いで、腕は確か」


「どんな人ですか?」


「明るくて元気。少し天真爛漫すぎるところもあるけど、回復魔法の才能は本物。それにね」


リリアは一度、手を止めた。


「あの子、陸上の冒険に憧れてるの。水中生活から離れて、色んな場所に行きたいって」


手紙に封をし、ユイに差し出す。


「これを持っていって。話は通してあるわ」


「ありがとうございます」


ユイは手紙を受け取り、治療院を後にした。向かう先は王都の東区だ。


東区は庶民が多く住む地域で、商人や職人、冒険者が行き交っている。通りを抜け、小さな治療院の前で足を止めた。看板には、水の癒しと書かれている。


扉を開けると、明るい声が響いた。


「はーい、どうぞー!」


中には長い青髪の女性がいた。水色の瞳に、透明感のある肌。細身の体に、水色の軽鎧を身につけている。


「あ、ユイさんだね! リリアさんから聞いてたよ!」


笑顔で手を振る彼女が、セリス・アクアノートだった。

ユイは一瞬、反応の早さに驚く。


「もう、話は?」


「うん! 組織作るんでしょ? 幻モンスター討伐するって!」


セリスは椅子を勧め、ユイを座らせた。


「リリアさんから聞いているなら、話は早いですね」


「でもさ」


セリスは少しだけ表情を引き締めた。


「幻モンスターって、本当にいるの? おとぎ話じゃなくて?」


「実在します」


ユイは即答した。


「すごーい! でも、危なくない?」


「危ないです。本気で危険な戦いになります」


セリスは少し考え込んだが、すぐに顔を上げ、笑顔に戻る。


「じゃあ、私も本気で回復するよ! 誰も死なせないから!」


あまりにも迷いのない返事に、ユイは目を見開いた。


「本当ですか?」


「うん! 面白そうだし。それに、ずっと陸上で冒険したかったの。水の中じゃなくて、色んな場所に行ってみたいって」


そう言って、窓の外を見つめる。


「リリアさんが、あなたを信頼してる。だから、私も信じる」


「ありがとうございます」


セリスはくるりと振り返った。


「で、他のメンバーは? 何人いるの?」


「今、4名です。あなたで5名目になります」


「じゃあ、あと1名だね! 誰を誘うの?」


「まだ決めていません」


「楽しみだね!」


セリスは無邪気に笑った。


「いつ会えるの?」


「明日、ギルドで全員集まります」


「分かった! 行く行く!」


ユイは立ち上がる。


「では、また明日」


「うん! 待ってるね!」


治療院を出て、通りを歩きながらユイは考えた。


5名。残り1名。

前衛、回復、偵察は揃った。足りないのは、裏の仕事を任せられる存在。


ユイは自然と、裏通りの方角へと足を向ける。アイリスに会う必要がある。最後の1人について、相談するために。


夕暮れの王都を歩きながら、ユイは思う。


残り1名。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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