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エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第5章 討伐隊の出陣

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第038話 第一段階完了

討伐隊は森を出た。馬車に乗り込む。全員が疲れている。服は汚れ、鎧には傷がついている。だが、誰も倒れていない。


ユイは窓際の席に座った。カイルが隣に座る。向かいにはリオンとエリナ、奥の席にはグレン、ロウ、アリスが並んでいる。


前世では知らなかった情報が、次々と明らかになっている。封印陣、連鎖、他の場所。どれも、前世には存在しなかった。


馬車は街道を進み、王都へ向かう。時折、他の旅人とすれ違う。平和な光景だった。


ユイは窓の外を見た。畑が広がり、農夫が働いている。日常が、そこにある。

だが、封印陣が全て壊されたら。魔物が全て解放されたら。この日常は消える。


ユイは拳を握り締めた。止めなければならない。


しばらくして、王都の門が見えてきた。石造りの門の前に衛兵が立っている。馬車は門を抜け、街の中へ入った。通りには商人、冒険者、市民が行き交い、賑わっている。


ギルドに到着した。馬車が止まり、全員が降りる。


「報告に来た」


ヴィクトルがギルドの中へ入る。リオン、エリナ、カイルが続いた。


ユイも後に続こうとした時、ヴィクトルが振り返った。


「ユイは先に休め。報告は我々がする」


「分かりました」


ユイは頷いた。グレン、ロウ、アリスもその場で解散する。


「お疲れ様でした」


カイルが言う。

「お疲れ様です」


ユイはギルドを離れ、宿へ向かった。夕日が王都を照らしている。


宿に着き、階段を上って部屋に入る。装備を外し、鎧を脱ぎ、短剣を置いた。全身が重い。疲労が、はっきりと残っている。


ベッドに腰を下ろし、窓の外を見る。夕日が沈みかけていた。


その時、窓枠に紙片が挟まっているのに気づく。ユイは立ち上がり、窓を開けてそれを取った。


紙には、短い文が書かれている。


「第1段階完了」

「対象の成長を確認」

「継続観測」


ユイは紙を見つめた。観測者だ。また、メッセージを残している。


第1段階完了。何の段階なのかは分からない。討伐のことか、それとも別の何かなのか。

対象の成長を確認。自分の成長を、見られている。

継続観測。まだ、見続けるという意味だ。


ユイは紙を畳み、懐にしまった。観測者は、まだ見ている。だが、排除はされない。理由は、まだ分からない。


窓の外を見る。夜が近づき、王都の灯りが1つずつ点っていく。遠くで、誰かに見られている気がした。


ユイは窓を閉め、カーテンを引いた。


部屋の中が暗くなる。松明に火を灯し、ベッドに横になる。全身が痛む。だが、生きている。全員、生きている。


カイルを守れた。前世では守れなかった。だが今回は違う。訓練の成果が出た。連携が機能し、仲間と戦えた。


ユイは目を閉じた。休まなければならない。次の調査が、待っている。


窓の外、夜の王都。

遠くで、誰かが見ている気がした。


第5章 完

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