第035話 討伐隊の連携
戦闘が続く。ヴィクトルとリオンが前衛で剣を交える。魔物の前足が振るわれ、ヴィクトルが剣で受け止めた。金属音が洞窟に響く。
リオンが側面から斬りかかる。刃は首元を狙ったが、魔物が頭を振り、剣は黒い鱗に弾かれた。
カイルが盾を構えて前に出る。魔物の突進を正面から受け止める。衝撃で足が滑るが、踏みとどまった。
「耐えろ、カイル!」
ヴィクトルの声に、カイルが歯を食いしばり盾を押し返す。魔物がわずかに後退した。
エリナが杖を掲げる。
「炎よ、奔れ!」
赤い光が放たれ、炎が魔物の側面を焼く。魔物が一瞬怯むが、すぐに体勢を立て直す。
グレンとロウが左右から攻撃する。2人の剣が胴体を狙うが、鱗が硬く、刃は通らない。
「くそ、硬い!」
グレンが舌打ちする。直後、魔物の尻尾が振るわれた。2人は後方へ跳び、尻尾が地面を叩き、石が砕け散る。
アリスが弓を引き絞り、矢を放つ。狙いは目。だが、魔物が顔を逸らし、矢は鱗に弾かれた。
ユイは側面で魔物を見ていた。前世の戦闘経験から、動きの癖や攻撃の兆しは読める。未知の相手でも、戦いの型は共通している。
8名の連携は機能していた。ヴィクトルとリオンが前を抑え、カイルが守る。エリナの魔法が援護し、グレンとロウが側面を突く。アリスの矢が牽制を続ける。
だが、魔物は強い。前回よりも、明らかに力が増している。
ユイは短剣を握り直し、視線を走らせた。弱点を探す。
魔物が再び突進する。ヴィクトルが受け止め、リオンが支える。その瞬間、ユイは足元に違和感を見つけた。鱗の継ぎ目。そこだけ、重なりが甘い。
「そこだ!」
ユイの声に、リオンが即座に反応する。
「どこだ!」
「足元、鱗の継ぎ目!」
リオンが頷き、視線を落とす。魔物が前足を振るい、ヴィクトルが受け止めた隙に、リオンが回り込む。剣が振り下ろされた。
刃が継ぎ目を捉えた。黒い血が噴き出し、魔物が悲鳴を上げる。
「効いたぞ!」
ヴィクトルが前へ出る。剣を振るい、首元を狙う。だが、魔物は頭を振り、刃を弾いた。
カイルが再び前に出る。盾を構えた瞬間、魔物の前足が激突した。轟音とともに、盾に亀裂が走る。
エリナが杖を掲げた。
「氷よ、凍てつけ!」
青い光が放たれ、魔物の足元が凍りつく。動きが鈍った。
「今だ!」
ヴィクトルの声に、グレンとロウが同時に斬りかかる。剣が再び継ぎ目を捉え、血が飛び散る。
アリスの矢が放たれ、魔物の顔を掠めた。
魔物が咆哮する。怒りに満ちた声だ。
ユイは次の動きを読んだ。狙いは、カイル。
魔物が地面を蹴り、突進する。速度が違う。怒りで力が増している。
前足が盾に叩きつけられた。轟音。盾が砕け、破片が飛び散る。
「カイル!」
エリナの叫び。カイルが盾を失い、無防備に晒される。
魔物が前足を振り上げ、振り下ろそうとした。
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