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エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第5章 討伐隊の出陣

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第034話 連鎖の封印

ユイは古代文字の解読を続けた。文様の中に埋め込まれた文字を、1つずつ読み取る。複雑で、一部は欠けている。だが、意味は理解できる。


「この封印陣は、他の封印陣と連鎖している」


ユイは立ち上がり、ヴィクトルを見た。


「この封印陣は、他の封印陣と連鎖しています」


ヴィクトルが眉をひそめる。


「他にも封印陣があるのか?」


「おそらく。ナオミさんが言っていた通りです」


ユイは足元の封印陣を見下ろした。円の一部が欠け、文様が歪んでいる。


「1つ破れば、他も弱まる。そう書いてあります」


エリナが杖を下ろした。


「つまり、この封印陣が壊されたことで、他の封印陣も弱まっているということ?」


「そうです」


ユイが頷く。ヴィクトルは腕を組んだ。


「他の場所も調べる必要があるな」


エリナが鞄から地図を取り出し、床に広げた。王国全体が描かれている。


「ナオミさんが言っていた場所は、東の山脈、南の湿地、西の砂漠、中央遺跡」


ユイが地図を見つめる。それぞれの地点に印が付けられていた。


「全てを調査しなければならない」


ヴィクトルは地図から視線を上げなかった。


「時間がかかるな」


その時、奥から音がした。


重い足音。ゆっくりと、確実に近づいてくる音。


ユイは振り返った。部屋の奥、暗がりの中から、何かが歩いてくる。


「来るぞ!」


ヴィクトルの声が洞窟に響いた。全員が一斉に武器を構える。


暗闇から、巨大な影が姿を現す。黒い鱗に覆われた体。深紅の目。鋭い爪と牙。前回、撤退を余儀なくされた魔物。


古代種魔物。


ヴィクトルが剣を抜いた。


「陣形を組め!」


全員が動いた。ヴィクトルとリオンが前衛に立つ。カイルが盾を構え、2人の隣に並ぶ。ユイは側面へ移動し、グレンとロウが反対側の側面に展開する。エリナとアリスは後方へ下がった。


8名の陣形が完成する。


魔物がこちらを見据えた。深紅の目が、8名をなぞる。そして、咆哮した。


轟音が洞窟に反響し、壁が震える。天井から砂が落ちた。


ユイは短剣を握り直した。前回よりも、明らかに凶暴だ。封印陣が壊れた影響か。


魔物が地面を蹴る。突進。速い。


ヴィクトルが前に出た。剣を構える。


「受け止めろ!」


リオンとカイルが並ぶ。3人で突進を受け止める構えだ。


激突。轟音。ヴィクトルの剣が前足を受け止め、リオンが側面から支える。カイルの盾が衝撃を吸収する。3人の足が地面を滑ったが、踏みとどまった。


「今だ!」


ヴィクトルの声に、グレンとロウが側面から斬りかかる。剣が胴体を狙うが、黒い鱗が刃を弾いた。金属音が響く。


「硬い!」


グレンが舌打ちする。魔物が尻尾を振るい、2人は後方へ跳んだ。間一髪だ。


エリナが杖を掲げる。


「炎よ、奔れ!」


赤い光が放たれ、炎が魔物を包む。だが、魔物は止まらない。炎を突き抜けて迫ってくる。


アリスが弓を引き、矢を放った。狙いは目。だが、魔物が顔を逸らし、矢は鱗に弾かれた。


ユイは魔物の動きを凝視していた。前世の経験が、わずかな予兆を拾う。足の運び、視線、攻撃の癖。


魔物が再び突進する。今度の標的はカイルだ。


カイルが盾を構え、叫ぶ。


「来い!」


前足が盾に激突する。轟音。カイルの体が押され、足が滑る。それでも、踏みとどまった。


「カイル、下がれ!」


リオンの声。カイルが横へ転がる。直後、魔物の前足が地面を叩き、石が砕けた。


ヴィクトルが背後へ回り込む。剣を振るい、後ろ足を狙う。だが、魔物は尻尾を振り払った。


ヴィクトルが剣で受け止める。衝撃。体が後方へ吹き飛ばされた。


「ギルドマスター!」


エリナの叫び。ヴィクトルは地面を転がり、すぐに立ち上がる。


「問題ない。続けろ!」


魔物が再び咆哮した。今度はエリナとアリスへ向かう。


リオンとグレンが前に出る。剣を構える。


だが、魔物は速い。


ユイは駆け出した。魔物の側面へ。訓練で叩き込まれた動き。1人で動かない。連携する。


それでも、魔物は強い。前回よりも、明らかに力が増している。


魔物が咆哮する。その声は、前回よりも激しかった。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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