表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第5章 討伐隊の出陣

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/72

第033話 森への再突入

8名が森の中へ足を踏み入れた。木々が視界を遮る。陽の光が葉の隙間から差し込み、地面に斑模様を作っている。空気は湿っていて、土の匂いが強い。

ヴィクトルが先頭を歩く。リオンとカイルがその後ろ。ユイは側面を警戒しながら進む。エリナは後方で杖を構えている。グレン、ロウ、アリスが周囲を見張っている。


足音が落ち葉を踏む音だけが響く。鳥の声は聞こえない。森は静まり返っている。


ユイは周囲を見回した。前回来た時と同じだ。木々の配置、道の形、全て記憶通りだ。リオンが低い声で言った。

「前と変わらないな」

「ああ」

ヴィクトルが答えた。短く、警戒を怠らない。カイルが盾を構え直す。金属が擦れる音が響いた。


しばらく進むと、前方に開けた場所が見えてきた。木が倒れ、地面が荒れている。前回、呪われた魔物と遭遇した場所だ。


ヴィクトルが手を上げた。全員が止まる。

「警戒しろ」


ヴィクトルが剣を抜いた。全員が武器を構える。ユイは短剣を両手に持った。


静寂が続く。風が木々を揺らす。葉が擦れる音だけが聞こえる。


その時、茂みが揺れた。


何かが飛び出してくる。赤い目をした狼だ。毛は黒く、牙は鋭い。呪われた魔物だ。


「来たぞ!」


ヴィクトルが叫んだ。狼が跳躍する。ヴィクトルが剣で受け止めた。金属と牙がぶつかり、火花が散る。リオンが側面から回り込む。剣を振るう。狼が避ける。素早い。


カイルが前に出た。盾を構える。狼が突進してくる。カイルが盾で受け止めた。衝撃。カイルの足が地面を滑る。だが、踏みとどまった。


「今だ!」


カイルが叫ぶ。ユイは駆け出した。狼の側面に回り込む。訓練で何度もやった動きだ。リオンが前から斬りかかる。狼が避けようとする。だが、カイルの盾が動きを制限している。


ユイは短剣を構えた。狼の足元を狙う。訓練通りだ。1人で動かない。連携する。短剣が狼の後ろ足を斬った。浅いが、傷がつく。狼が怯む。


リオンの剣が狼の首を捉えた。1撃。狼が倒れる。動かなくなった。


ヴィクトルが頷いた。

「いいぞ。その調子だ」


ユイは息を整えた。訓練の成果が出た。連携が機能した。


カイルが盾を下ろす。

「やりましたね」

「ああ。だが油断するな」


リオンが短く言った。全員が頷く。


再び進む。森の奥へ。道は狭くなり、木々が密集してくる。


やがて、洞窟の入口が見えてきた。岩壁に開いた穴だ。前回と変わらない。暗く、中は見えない。


ヴィクトルが全員を見回した。

「到着した。ここから先は前回と同じだ。警戒を怠るな」


「了解」


全員が答えた。ユイは短剣を握り直す。


グレンが松明を取り出した。火を灯す。明かりが洞窟の入口を照らす。


「入るぞ」


ヴィクトルが先頭に立つ。リオンとカイルが続く。ユイはその後ろを歩く。エリナ、グレン、ロウ、アリスが続いた。


洞窟の中は冷たい。壁から水が滴る音が響く。松明の明かりが壁を照らす。影が揺れる。


足音が洞窟に反響する。誰も話さない。全員が警戒している。


通路を進む。曲がり角を曲がる。前回と同じ道だ。ユイは記憶を辿る。この先に、封印陣がある。


やがて、通路が広がった。部屋だ。天井が高く、壁には古代文字が刻まれている。そして中央に、封印陣がある。円形の模様が地面に描かれている。複雑な文様だ。一部が壊れている。前回見た時と変わらない。


ヴィクトルが部屋の中央へ進んだ。全員が周囲を警戒する。


エリナが杖を掲げた。魔力を感じ取る。

「まだ、魔物の気配はないわ」


ヴィクトルが頷いた。

「封印陣の調査を始めろ」


ユイは封印陣に近づいた。古代文字が刻まれている。前回は時間がなく、詳しく読めなかった。だが今回は違う。


ユイは膝をつき、文字を見つめた。複雑な文様の中に、文字が埋め込まれている。古代文字だ。前世で何度も見た。禁書庫でも調べた。少しずつだが、読める。


最初の1文。

「封印陣、ここに記す」


次の1文。

「連鎖封印陣」


ユイの手が止まる。連鎖。ナオミが言っていた通りだ。


さらに読み進める。

「1つ破れば、他も弱まる」


ユイは息を呑んだ。やはり、他にも封印陣がある。そして、それらは繋がっている。


文字の一部が読めた。

「連鎖封印陣。1つ破れば、他も弱まる」

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

少しでも「面白い」「続きが気になる」と感じていただけましたら、

ブックマーク・評価・感想などで応援していただけると、とても励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ