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エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第24章 共闘

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第201話 ユイの指揮

全員の視線が、一点に集まった。


誰が指揮を取るか。


レオンが一歩前に出る。

だが、左足を庇う動きが見えた。


「俺がやる」


3位のリーダーとしての自負。ブレイズウォールを率いてきた実績。

当然の主張だった。


だが、ゼックが軽く首を振る。


「いや、ユイでしょ」


「何だと」


レオンの目が鋭くなる。金色の瞳に、炎が宿ったように見えた。

その威圧感に、フィンとグレンが身構える。


「だってお前、弱点見つけてないじゃん。見つけたのはユイだ」


「それがどうした。指揮と発見は別だ」


「別じゃないよ」


ゼックの口調は軽い。だが、言葉には一切の隙がなかった。


「弱点を知ってる奴が指揮を取らないと、判断が遅れる。判断が遅れたら、死ぬ」


レオンは言葉に詰まった。

反論したいが、反論の余地がない。


ノアが淡々と補足する。


「効率を考えるなら、情報を持っている者が指揮を取るべき。これは原則だ」


「俺もそう思う」


ルークが同意する。


ナオミが静かに頷いた。


「私も賛成ですわ」


ブレイズウォールの面々は、レオンの顔色を窺っている。

フィンは明らかに不満そうだが、グレンは黙って状況を見守っていた。


クロウフォールの仲間たちが、次々と声を上げる。


「ユイさんなら、できます」


カイルが力強く言った。右腕を押さえながらも、その目には揺るぎない信頼があった。


「……異論はない」


セイラが短く答える。


ハンスが無言で頷く。石の体に走る亀裂が、彼がどれだけ戦ったかを物語っている。


リリアが魔力枯渇の中、声を絞り出す。


「ユイなら……信頼できますわ」


セリスも頷いた。


「私も、ユイさんを信じます」


エルザは何も言わないが、視線だけでユイを支持している。


アイリスがザークスを支えながら、明るく言った。


「ユイ、任せた! 私たちはあんたについていく!」


レオンは長い沈黙に沈んだ。

金色の瞳が、ユイを見据える。


この女は何者だ。

最下位のクラウンのリーダーが、なぜここまで仲間に信頼されている。


だが、今はそれを問う時ではない。

目の前には、幻モンスターがいる。部下が傷つき、ザークスは重傷を負っている。


歯を食いしばりながら、レオンは言った。


「……いいだろう」


全員が息を呑む。


「だが、俺の部下は俺が守る。それだけは譲らない」


「分かった」


ユイは頷いた。短く、迷いなく。


「では、作戦を説明する」


全員の視線が、ユイに集まる。

3勢力、17名。傷だらけで、疲弊している。

だが、全員の目には、まだ光があった。


ユイは短剣を鞘に戻し、全員を見渡した。

前世で、何度も指揮を執ってきた。だが、それは常に孤独な指揮だった。今は違う。仲間がいる。


「3勢力を3つの役割に分ける」


声は低く、淡々としている。だが、迷いがない。


「第1隊は囮。分身を引きつけて、廃墟の端に誘導する。カイル、ハンス、マーヴィン、フィン、グレン。後方支援にリリアとルーク」


名前を呼ばれた者たちが、それぞれ頷く。


「第2隊は本体の足止め。私が核を狙う隙を作る。レオン、ゼック、セイラ、エルザ。回復支援にセリス」


レオンが腕を組む。不満はあるだろうが、口には出さない。


「第3隊は封印陣の破壊。ノア、廃墟中央の陣を狙撃できるか」


「問題ない」


ノアが即答する。


「アイリスは第3隊の護衛。ナオミは魔法支援。ザークスはその場で待機」


「了解!」


アイリスが頷く。


レオンが低く言った。


「本体の足止めか。腕が鳴る」


ゼックが軽く笑う。


「シンプルだね。俺は好きだよ、こういうの」


全員が、戦闘態勢を取り始めた。


「やるぞ」


レオンが言った。

炎が、彼の拳を包んだ。


カオスナイトの赤い双眸が、こちらを見ている。

闇の領域が揺らめき、分身たちが動き始める。


全員が武器を構えた。

傷だらけで、疲弊している。回復薬で誤魔化しているだけ。

それでも、全員の目には、まだ光があった。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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