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エターナル・リアルム 〜20年後の知識でやり直したら、世界が想定外に歪み始めた〜  作者: たくわん。
第18章 受け取ること、使うこと

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第149話 出発の前日に、届いた情報

第149話 出発の前日に、届いた情報


出発前日の午後、食堂に7人が集まっていた。


議題は嵌め座への初回換装。完成した防具はすでに馴染んでいるが、嵌め座は全員空のままだ。素材を入れて初めて属性耐性が機能する。明朝、出発前にゴードンの工房へ持ち込む。そのために今日中に決めなければならない。


アイリスだけがいない。午後は街へ情報収集に出ている。


ユイは地図を広げた。空白の先。岩場、深森、山岳、湿原、氷洞。これまで踏破した地形の延長線上にあるはずだが、確証はない。


「相手の属性は不明だ。汎用性を優先する。意見を出せ」


最初に口を開いたのはリリアだった。


「私は毒・腐敗耐性を優先しますわ。回復役が倒れると全体に響きます。魔獣皮を1枚、嵌めておきたいです」


カイルが続く。


「鎧に雷結晶を入れます。金属鎧は雷を呼ぶ。最前線で受けるのは私です。今回は資産を考えて1箇所だけにします」


ハンスが低く言った。


「……氷精核を入れる。凍結による亀裂を先に消す」


「氷洞の延長線上の可能性がある。妥当だ」


ユイは頷いた。


セリスが静かに手を挙げる。


「私も雷結晶をお願いしたいです。水は雷に弱い。優先度は高いと思います」


「正しい判断ですわ」とリリア。


エルザは短く言った。


「……空のままにする」


視線が向く。


「未知の相手に素材の気配を乗せると、影潜みに影響が出る可能性がある。今は何も入れない。相手を見てから決める」


ユイは数秒考えた。


「分かった。換装は後回しだ」


セイラも続く。


「……空のまま。今の状態で火精核は使わない。干渉が出る」


「了解だ」


資産を確認する。元素核1、魔獣皮1、雷結晶2、氷精核1。全員分を埋めるには足りない。優先順位を絞るしかない。


「明朝、出発前にゴードンへ持ち込む。初回はあちらが嵌める」


全員が頷いた。


地図を折りたたもうとしたとき、食堂の扉が開く。


アイリスが戻ってきた。予定より少し早い。顔色がいつもと違う。


「……1つだけ、気になる話がある」


空気が変わる。


「空白の先、その方向に小さな集落がある。ここ2ヶ月、そこへ向かった冒険者が複数いる。でも、誰も戻っていない」


カイルが眉を寄せる。


「失踪の5点とは別か」


「別。あれは遠征帰りの話。今回は、目的を持って向かった人たちの話」


食堂に沈黙が落ちる。


「痕跡は」


「戦闘の跡はないらしい。荷物だけが残っていたって」


「荷物だけ……」


セリスが小さく繰り返す。


意図的に持ち去られたのか、自ら消えたのか。材料が足りない。


ユイは地図を見つめる。前世の記憶を探るが、この時期、この方向に関する明確な記録はない。未知だ。


「予定は変えない。明日出発する」


カイルが静かに答える。


「分かりました」


アイリスは椅子を引き、腰を下ろした。


やがて夕食の準備が始まる。セリスが厨房に立ち、鍋の音が響く。いつもの匂い、いつもの手順。


だが空気は違う。


嵌め座に入れる素材は決まったりだ。


出発は、明日だ。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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