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イルグラード(VR)  作者: だる8
第四章 バージョンアップ
177/352

第177話 第三階層

 と、そんなことを考えながら引くクジなんて当たりを引けるわけもなく……とりあえず3枚の限定レシピ板を購入したが、狙いの銃弾レシピを引き当てることもないどころか当たり障りのないレシピが三つ増えただけだった。


 増えたのは以下の三つ。


―――――――――――――――――――――

名称  :蜜蝋

材料  :蜂蜜×1

―――――――――――――――――――――

名称  :磨き粉

材料  :小石×2

―――――――――――――――――――――

名称  :砥石

材料  :小石×5

―――――――――――――――――――――


 ……見るからに普通さが漂ってくるレシピラインナップ。


 どれも何の調合に使うのか分からない中間素材ばかり。要するにハズレだ。

 いずれもすぐに《調合》出来るアイテムばかりなので一つずつ調合して鑑定して見たが、いずれも使い道が分かるような結果は得られなかった。レシピが増えたらまだ違うんだろうけどこればかりは仕方ない。


『どうするぅ?もっと買ってくぅ?』


 悪気はないんだろうが、笑顔でレシピ板をヒラヒラさせながらそう言われると、ちょっとイラッとする。クリエラの笑顔は仕様だからなぁ。


「いや、いい。引き当てられる気がしない。気長にいくさ」


 出来るだけ冷静に返してオレはギルドを出た。そして向かうは……《ラミーラ坑道》第三階層。

 そして今に至るわけだ。


 目の前に広がる大量のマンドラゴラ。

 前回来たときに採りつくす……ことは当然出来てないが、それでも採取した一角は綺麗に採りきった筈なのだが、マンドラゴラはしっかりと復活していた。心の底からこみ上げる嬉しい悲鳴。


 手当たり次第にマンドラゴラの採取と魔導具(マジックアイテム)の調合を開始したというわけだ。


 マンドラゴラからいくつか魔力粉を《調合》した時点で、オレのLVは19に上がった。そこそこのペースだ。

 この調子で魔導具(マジックアイテム)を造りまくれば、自然とLV20に到達出来るというものだ。下手したら21~22くらいまで上がってしまうかも知れない……。いや欲張りすぎは良くないな。


 LVは20まで上がれば良く、手元に今後の戦闘で困らない程度の魔導具(マジックアイテム)が手に入ればいいのだ。と言っても、純粋なマンドラゴラからの《調合》では魔力障壁(マジックウォール)しか造れない。

 キラサカスコ戦で使ってしまった回復領域(ヒールフィールド)や、火炎陣フレイムサークルの在庫も増やしておきたいところなのだが、魔力粉以外に必要な素材である『ローヤルゼリー』と『炎の魔石』が手に入らないと造れない。


 とりあえず魔力障壁(マジックウォール)だな……。

 手は休めることなくマンドラゴラの採取を続けながら、オレはそんなことを考える。そして考えながらもまるでオート設定でもしているようにマンドラゴラを採取し、20本集まる度にアイテムボックスからアロエを取り出して《魔力粉》へと仕上げていく。


 そうして小一時間経った頃……時間が少しの場面に戻る。


「よし、あと10本ほどで魔力障壁(マジックウォール)も二つ目だな」


 オレは目の前から少なくなる様子もないマンドラゴラをささっとむしり取り、数が集まったのを確認して『魔力粉』を《調合》する。

 そして、残りの素材をアイテムボックスから取り出すと一気に《調合》する。


 目の前には、あの水晶玉のような綺麗な魔導具(マジックアイテム)が現れた。

 オレは出来上がった魔力障壁(マジックウォール)を見てニンマリする。いつ見ても美しいアイテムだ。残念ながらまだレベルは上がらないようだが、それだけが目的ではない。


 もしかしたら今が最後のチャンスかも知れない。実は、オレはそう考えていた。きっかけは《あやかしの森》の《マンドラゴラ群生地》。そこでたまたま見つけた未実装領域への入り口である。


 皆が皆マンドラゴラを欲するとは思えないが、見慣れぬアイテムを手に入れたらみな採取するんじゃないかと思う。少なくとも《あやかしの森》の群生地は、今度のバージョンアップでエリアが追加されて、冒険者(プレイヤー)の通路になってしまうのではと思っている。そしていずれはこの第三階層も……。


 オレは周囲を見渡したが、相変わらずこのフロアに自分以外の冒険者(プレイヤー)の姿が確認出来ない。人気がないのかそもそも来てもいないのか。

 まあ第二階層がアレ……リビングアーマ-の迷宮だからな。


 るー坊のような特殊技能を伸ばしている冒険者(プレイヤー)か、それとも透明剤(これ)を使うかしないと、通常越えられないフロアだろうし。

 と、そこでオレは以前ここで遭った唯一の冒険者(プレイヤー)を思い出す。


 雷撃の賢者……と呼ばれているらしい冒険者(プレイヤー)アルテミスのことだ。


 オレは良く知らなかったが、エルナも知っているくらい有名らしい。名前から察するに職業は既に『賢者』になっていて、かつ得意な魔法が『雷系』なんだろう。まんまだな。

 でもよくよく考えると、最初に読み飛ばした取説や、初めてログインする時のイズダテの説明。それからチュートリアルとして世界(イルグラード)について説明してくれた支援AI(アリス)のどこにも『雷系』などという属性は説明に無かった気がする。


 一般的なゲームでは珍しくもなんともない属性ではあるが、だからこそ説明にも出てこないのは改めて考えるとやや不思議だ。


 となると……

 恐らく『賢者』の独自スキルに相当するのか、もしくは修練スキルのようにある一定の条件をクリアした場合にしか会得できない隠し要素のある魔法属性なのかもしれない。


 強いんだろうなぁ。

 オレはマンドラゴラを採取する手を一切止めること無く思いを馳せる。


 確かあの時、ここのダンジョンボスを単身クリアするって言ってたよな。達成できたんかね?いや、達成出来てるなら少なくとももう少し話題になっててもいいんじゃないのか?オレたちの《あやかしの森》制覇……つまりクイーンビー討伐ですら話題になってたくらいだし。


 倒せたにしろ、倒せなかったにしろ単身でここ第三階層に平気で到達でき、かつ下層を目指して進軍できる時点で、まだまだオレが到達出来るレベルの冒険者(プレイヤー)ではないと思う。

 ちょっとした開始時期の差なんだろうなとは思うが、少しだけ嫉妬の想いもある。


 もう少し《調合》にしろ、戦闘にしろ、メンバーに目に見える形で貢献したいよな。

 そんなことを考えながらマンドラゴラの採取と《調合》を延々に続けるのだった。


 そして、オレがメンテナンスを前にここ《ラミーラ坑道》第三階層を後にするとき……LVは21に、魔力障壁(マジックウォール)は12個も集まっていたのだった。


==========================

名前:ファクト

性別:男

種族:ドワーフ

称号:クイーンビーバスター

==========================

職業:調合士

LV:21

腕力:39 (33+ 6(STR+50%))

活力:54 (39+15(VIT+70%)+1)

敏捷:59 (49+10(AGL+70%))

器用:62 (60+ 2(DEX+50%)+1)

魔力:29

運 :35

―――――――――――――――――――――

武器:ハンティングダガー(STR+12) :即死効果50%

盾 :

サブ:クロスボウ(STR+10) :命中精度80%UP:調合士装備時

  :拳銃(不明)

弾 :ウッドボルト(STR+5)

頭 :ハードレザーバンド(VIT+4) :VIT値+1

手 :ハードレザーリスト(DEX+4) :DEX値+1

胴 :ハードレザージャケット(VIT+12) :毒無効

下肢:ハードレザートラウザ(VIT+5/AGL+4) :クリティカル回避5%

足 :ハードレザーブーツ(AGL+10) :移動速度20%UP

―――――――――――――――――――――

所持金:

 10,360G

―――――――――――――――――――――

固有スキル

 調合

 アイテム鑑定:調合士

―――――――――――――――――――――

修練スキル

 虫の知らせ

 必中

 短刀術

―――――――――――――――――――――

レシピ

 回復薬小

 回復薬中

 毒消し薬

 麻痺治療薬

 木片

 蜜蝋new!

 磨き粉new!

 砥石new!

 魔力粉 ※2way

 木の弾矢(ウッドボルト)

 標準弾矢(スタンダードボルト)

 徹甲弾矢(ブレイクボルト)

 火炎陣(フレイムサークル)

 回復領域(ヒールフィールド)

 魔力障壁(マジックウォール)

 ブーストLV2

―――――――――――――――――――――

受注クエスト

 回復薬小の納品(束)350G/10個

 毒消し薬の納品(束)250G/10個

 麻痺治療薬の納品(束)300G/10個

 回復薬中の納品(束)1,500G/10個

 魔力粉の納品(束)6,500G/10個

―――――――――――――――――――――

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