22章 平常運転
ならず者達を平和的に倒した俺たちは、また日常生活に戻っていた。大人が5人増えたので町作りにこき使っている。プレハブ住宅の下にブロック敷いたり、畑を作ったりだ。聖騎士達は修行したいのでもう少しここに居るそうだ。彼らが帰るときに俺も一緒にいくことになった、子供達の受け入れの引率だな。
「いいですか聖騎士の皆さん、強さとは三位一体。心技体なのです!」
ヒメが聖騎士相手に今日も絶好調だ、あの子は詐欺師にでもなるつもりなんだろうかと心配になる。
「先生、心技体って何ですか?」
「セリカ隊長、昨日のおじ様の戦いを思い出してください。卑怯なやり方を平然と使う精神力、相手を挑発し油断させる技術、そして容赦なく攻撃する強靭な体、これが心技体そのものです。」
「ほ~、勉強になります。」
何だか違う事を言ってるが、聞かなかったことにしよう。聖騎士達が喜んでるからまあ良いだろう、ヒメは昨日の俺の騙し討ちが偉く気に入ったみたいなのだ。まあ、実際効果的なのだが。
「師匠、お願いします!」
「おう!どっからでもかかってこい!」
こっちはチチがレビンに柔道と唐手を教えていた、チチも俺よりすっかり強くなってしまった。俺は空手じゃなくて唐手をしてたので武器をジャンジャン使う。サイ・トンファー・6尺棒なんかだな、だからチチにも知ってる武器の使い方を全部教えたのだ。勿論戦い方もかなりエグイのだスポーツ空手と違って。
レビンがボコボコにされて地面に転がっている。ごめんよレビン、チチに変な技ばかり教えて。
「ふははは~、雑魚とは違うのだよ!雑魚とは。」
お前はどっかの髭の生えたおっさんか。もっと可愛いキャラのファンになれば良いのに。
ここに居るとチチ達にいじめられそうなので、俺は牛ちゃんと兎ちゃんを連れて照準調整に出かけてきた。一人で照準調整するのは大変だから。特に今回はバレットなので1000ヤードで照準調整をするのだ。銃は打ち手の体格や顔の形で微妙に照準が狂うので使う前に照準調整しないと狙っても当たらないのだ。
牛ちゃんの後ろを歩いていると、凄いお尻が見える。胸もゆさゆさ凄いが、お尻もダイナミックに揺れるのだ。あ~癒されるな。直ぐ傍の兎ちゃんは胸は普通だが下半身が発達していて、やっぱりお尻が魅力的なのだ、こっちはプリプリしてる感じだ。あ~こっちも素晴らしい。
この2人は性格もおっとりしていて俺の癒し要員なのだ。物凄く気にいっているのだ。
「あめ、食べる?」
「「わあ、ありがとうオッちゃん。」」
「オレンジジュースも有るよ。」
「頂きま~す。」
そう、俺は気に入った女の子には物凄く甘いのだ、自覚は勿論している。
標的を立てかけて無線を彼女達に持たせて、俺はまた1キロ程歩いてそこを離れた。バレットを土嚢に固定して、彼女達に無線で連絡する。
「それじゃ、今から5発撃つから穴の中に入ってね。」
「はい、了解」
バレットの50口径弾が当たると頭だったら爆散するし、腹なら2つに千切れるから彼女達にはタコツボに入っていてもらうのだ。
ドーン!
64式と違い腹に響く音が5回辺りに木霊する。
彼女達に着弾した場所に印をつけてもらう、1000ヤード先の1センチ位の穴は見えないからだ、そこで5発の弾のグルーピングを見て少しづつ照準を調整していくのだ。だから、無線と高倍率の望遠鏡がないと大変やりずらい作業になるのだ。それから5セット程で調整は終了した。
バレットと砂袋等をアイテムボックスにしまい、再び牛ちゃん達と俺達の町に帰る。
「なあ牛ちゃん、今晩は何が食べたい?」
「いい加減に、名前覚えて下さい。」
「ごめんな、おじちゃん名前覚えるの苦手なんだよ。」
絶対に名前を覚えない俺に牛ちゃんはチョット怒っていた。多分牛族の子が複数になったら名前を覚えるはずだといって納得してもらった。
牛ちゃんの機嫌を取るために今晩はシチューを作る事にする、牛ちゃん達は野菜好きなのでたっぷり野菜を入れる。勿論野菜だけでは美味しくないので肉もタップリ入っている。皿につぐ時にチチやヒメ達肉食系に肉をどっさり入れて、牛ちゃん達には野菜ばかりつぐと喜ばれるのだ。パンもライムギパンを出しておいた。シチューに良く合うからな。聖騎士達には珍しくワインを出してやった、隊長たちは俺の出したワインの美味さにびっくりしていた。
子供達も興味がある様だったが、大人になるまで飲んではいかんと説教する。でも、俺は爺さんに日本酒を飲まされていた事を思い出し、少しなら飲んでよい事にした。
その後はお風呂タイムだ、俺が苦労して作った物だ。何が苦労したかというと排水管なのだ。どこに排水を捨てようかと悩みまくって、結局、川まで排水管を延長した。湯船も檜風呂を俺が手作業で作ったのだ、水漏れしない様にするのに苦労した。かなり大型で1度に4~5人は入れる様に作ったのだ。今はまだ周りに衝立が有るだけで屋根を付けてないから露天風呂だ。星を見ながら入る風呂は中々風情があって良い物なのだ。
「う~ん、生き返るな~。」
「賢者様、この風呂ってやつは素晴らしいですな。」
「風呂で飲む酒の美味い事といったらないな。」
そう俺は聖騎士の男達と風呂に入っている、裸の付き合いってやつだ。まだ、風呂はこれしか作っていないから女と交代で入るわけだ。今までは男が俺だけなので1人で寂しく入っていたが最近は賑やかだ。これも聖騎士達が街に帰る時までのひと時の余興みたいなもんだ。
「それで、レビン達はいつ街に帰るんだ?」
「そうですな、そろそろ帰らないとまずいですな。後続の聖騎士がきてしまいますから。」
「ここは、何だか住みやすくて気に入っているんですよ、メシも旨いですしね。」
「街に行くときは俺も一緒に行くから、宜しくな。」
「賢者様、では私たちがとっておきの店を案内しますよ・・・・ぐふっふふ」
「ふふ、レビン期待してるぞ!」
こうして俺達は聖騎士達とも仲良くなっていた、のんびりと町づくりは進んでいた。
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