帝国の皇女様、メイドとして雇われる(?)
いろいろあってまた更新が遅くなってしまいました。
ちょこちょこ更新していければと思うのでよろしくお願いします!
本編へどうぞ!
昨日の「ワックス滑走事件」から一夜明けた。
僕が別荘の玄関先で落ち葉を掃いていると、見覚えのある赤い髪の少女が、なぜかフリフリのメイド服を着て立っていた。
「……えっと、昨日の帝国の人だよね?」
「ち、違うわ!私は通りすがりの……家事手伝いを求めて旅をしているカトレアという者よ!貴公、メイドが必要ではないかしら!?」
カトレア様は顔を真っ赤にしながら、必死にメイドのフリをしている。
後ろには帝国騎士たちが木陰に隠れて「頑張れ皇女様!」と応援しているのが丸見えだ。
「メイド……。フィオナ様も忙しそうだし、一人いてもいいかな」
「そうでしょう!私は帝国……じゃなくて、家事の名門で修行した身。掃除も洗濯も、完璧にこなして見せるわ!」
こうして、カトレア様を「仮採用」することにした。
まずは手始めに、朝食の準備をお願いしたのだけれど。
「……テオ殿。この、台所に置いてある『包丁』は何かしら?握った瞬間に私の魔力が吸い取られ、空間が歪んでいるように見えるのだけれど……」
「あ、それは昨日倉庫で拾った聖剣ですよ。よく切れるから、ネギを刻むのにちょうど良くて」
「聖剣でネギを!?国宝級の聖遺物を調理器具にするなんて……!」
カトレア様が震えながらジャガイモを剥こうとしたけれど、聖剣の切れ味が鋭すぎて、ジャガイモが原子レベルでスライスされて消えてしまった。
「……くっ、ならば掃除よ!帝国の最新魔導掃除機を見せて……」
「あ、掃除ならもう終わりましたよ。闇魔法の『影のルンバ(シャドウ・スイーパー)』を放っておいたので。ほら、埃一つ落ちてないでしょう?」
床は鏡のように光り輝き、カトレア様の顔を鮮明に映し出している。
彼女は持っていた雑巾をポトリと落とした。
「……な、なんなのよこの家……。私が入り込む余地まったくないじゃない……!」
「あ、カトレア様。暇ならアポロと散歩でも行きます?ちょうどお腹を空かせていたみたいだし」
僕が指さした先では、アポロ(神竜)が「キュイッ!」と鳴きながら、庭に迷い込んだ魔獣の親玉をバリバリと食べていた。
「……わ、私、メイドとしてやっていけるかしら……」
帝国最強の皇女様は、初日に早くも「家事の敗北感」に打ちひしがれていた。
カトレア様、メイド潜入成功(?)です。
しかし、テオ君の家事がオートメーション化されすぎていて、彼女の出番がありません。
次回、フィオナ様とカトレア様の「どっちがテオ様の世話を焼くか」対決!
なぜか料理対決になりますが、テオ君が作った「ただのチャーハン」が審査員を爆発させます。
お楽しみに!




