王宮のお茶会。僕の「淹れ方」は反則らしい
倉庫を綺麗にしたお礼として、僕は陛下直々のお茶会に招かれた。
参加しているのは陛下のほか、魔法宰相や騎士団長といった、この国のトップばかりだ。
「さあ、テオ殿。我が国が誇る最高級の『月光茶』だ。心して味わうがいい」
差し出されたのは、一キロで金貨十枚はするという超高級茶葉。
さっそく一口飲んでみたけれど……うーん。
「……どうした、テオ殿。口に合わぬか?」
「いえ、美味しいんですけど。……少しだけ、雑味があるというか。器用貧乏なりに、僕が淹れ直してもいいですか?」
その場が凍りついた。
王宮専属の茶師が真っ青な顔をしているけれど、僕は気にせず、いつもの「家事魔法」を発動する。
「【水魔法:超純水生成】」
まずは、お湯の不純物を原子レベルで取り除く。
そこに、適当な温度に調整した闇魔法を纏わせた。
「【闇魔法:影の抽出】」
茶葉の「旨味」だけを影のフィルターで選別し、えぐみや雑味をすべて闇の中に封じ込める。
カップに注がれたのは、エメラルドのように透き通った、神々しい一杯だった。
「はい、どうぞ。これなら飲みやすいと思います」
半信半疑で陛下たちが一口啜る。
その瞬間、ガチャンッ!と全員のティーカップが皿に落ちた。
「な、なんだこれは……!体中の魔力回路が掃除され、まるで赤子のように純粋な力が溢れてくる……!」
「……っ!長年、私を苦しめていた古傷の痛みが消えた!?これ、お茶じゃなくて『飲む聖域』じゃないか!」
魔法宰相も騎士団長も、立ち上がって震えている。
ただの抽出なんだけどな。
「テオ様。あなた、王宮の茶師を廃業させる気ですか……」
フィオナ様が額を押さえて溜息をつく。
横では、王女のアイリス様が「このお茶を毎日飲めるなら、私は今すぐ嫁ぎます!」と目を輝かせていた。
その頃。
王宮の外の安宿で、ガイルたちは不味い酒を飲んでいた。
「クソッ、喉がイガイガしやがる……!テオがいれば、そこらの泥水だって最高級ワインみたいに変えられたのに。……あいつ、今頃どこで何食ってんだよ」
ガイルたちが後悔に浸る中、僕は「次はお茶請けのクッキーでも焼こうかな」と、のんきに考えていた。
お茶一杯で国家の重鎮を骨抜きにしました。
テオ君の「家事」は、もはや医学や魔法学を超越しています。
次回、王都に魔獣の群れが襲来。
騎士団が出動する中、テオ君は「洗濯物を干したいから」という理由で、一瞬で群れを消滅させます。
お楽しみに!




