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王宮の掃除開始。錆びた剣を研いだら聖剣になった件

国王様から許可をもらった僕は、さっそくフィオナ様を連れて地下倉庫へとやってきた。

重厚な鉄の扉を開けると、そこには数百年分の埃と、触れるだけで病気になりそうな禍々しい呪いの気配が充満していた。


「……うわぁ、これはやりがいがあるね」


「テオ様、目が輝いていますよ……。普通の人はここ、一秒で精神が崩壊するって言われている場所なんですけど」


フィオナ様は防御魔法の膜を何重にも張って、恐る恐る中に入る。

僕はまず、一番近くに転がっていた「泥まみれの鉄くず」を拾い上げた。

それはボロボロに刃こぼれして、真っ赤に錆びついた一本の古びた剣だった。


「ひどい錆だなぁ。これじゃ、包丁にもならないよ」


「それは……確か、建国神話に出てくる『光の聖剣』の成れの果てだと言い伝えられているものですね。あまりの呪いに、今では触れるだけで命を吸い取る魔剣に成り下がっているはずですが……」


「よし、ちょっとだけ研いでみよう」


僕は水魔法で「砥石」の役割をする水の刃を作り出し、そこに闇魔法の「粒子」を混ぜ込んだ。

器用貧乏なりに、刃物の手入れはパーティー時代に何万回とやってきた十八番だ。


「【水闇複合魔法:神域の研磨(ゴッド・グラインド)】」


キィィィィィィィィン!!


耳を突き刺すような高い音が響き、倉庫内に爆光が溢れる。

錆という名の「呪い」が、僕の魔法によって一瞬で削ぎ落され、浄化されていく。


数秒後。

僕の手の中にあったのは、透き通るような白銀の輝きを放ち、周囲の闇をすべて払い除けるほどの神聖な剣だった。


「……よし、綺麗になった。これならジャガイモの皮くらいは剥けそうだね」


「皮剥きに聖剣を使わないでください!!」


フィオナ様が膝から崩れ落ちた。

彼女の目の前にあるのは、失われていたはずの伝説の聖剣『エクスカリバー』。

歴代の英雄たちが誰も引き抜けず、呪いによって封印されていたはずのそれが、今、僕の手でピカピカの「新品」に戻っていた。


「あ、こっちのぼろ布も洗ったら何かに使えるかな?」


「待って、それは死の神の外套(マント)――」


僕が闇魔法で洗濯機(シャドウ・ウォッシャー)を作って放り込むと、それは瞬間に「着心地最高の最高級シルク」へと生まれ変わった。


「……テオ様。もういいです。この倉庫にあるものを全部あなたが『掃除』したら、この国の戦力は一晩で世界を征服できるレベルになります」


「えぇ?ただの掃除なのに」


僕が楽しくゴミ拾いをしている頃。

ガイルたちは王宮の裏口で、ゴミ回収の兵士に縋り付いていた。

「おい!テオがここにいるんだろ!あいつを戻せ!あいつがいないと、俺たちの武器が全部錆びて使い物にならないんだよ!」


彼らは知らない。

彼らの武器をメンテナンスしていたテオの手が、今、伝説の聖剣を「皮剥き用」に蘇らせているということを。

聖剣、復活。

ただし、用途は「ジャガイモの皮剥き」です。

テオ君の「道具に対する無頓着さ」が、聖女様の胃を刺激し続けています。


次回、復活した聖剣を陛下に返しに行きます。

ついでに拾った「ゴミ(賢者の石)」をプレゼントしたら、王宮がパニックになりました。

お楽しみに!

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