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君だけの勇者様  作者: ama
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第8話 勇者試験

次の方どうぞと案内をされ、部屋に入る。

部屋のど真ん中に座らされる。

タクトが言っていたように水晶が用意されていた。

目の前には王様が座っており、護衛の騎士が四人が王様の近くに立っている。

「そこの水晶に手を当てて質問に答えて下さい。」

「はい。」

俺は言われたとおりに水晶に手を置く。

すると、水晶は青白い光を放ち、輝き出した。

とても綺麗に光り、王宮にある水晶は凄いなと思った。

「名前は?」

「クーデルです。」

「君はどこから来たの?」

「ハーデス村です。」

「何歳?」

「十四歳です。」

「若いのにどうして危険な魔王討伐へ行こうと思ったの?」

ここは世界平和の為とか言う方が良さそうだけど…。タクトはこの水晶は嘘発見器のようだと言っていたから…。

「仲間の女の子を助ける約束をしたので…。」

「魔王を倒すと女の子は助かるの?」

「はい。」

「そう。もし、魔王を倒す前に女の子が助かったら君はどうするの?」

「女の子とハーデス村に帰ります。」

「そう。残念だな。クーデルには是非たくさん人々を救って欲しいと思っているんだけどな。」

「俺じゃなくても優秀な戦士はたくさんいるじゃないですか。」

「………優秀な戦士とは何かな?」

「困ってる人を助ける力がある強い戦士じゃないですか?」

俺の中に浮かぶ優秀な戦士はカイトしかいない。

ここにはたくさんの戦士がいるが、断言できる。

カイトが一番強い。

「力の強さだけはダメなんだよ。だからこうやって一人ずつ面接をしている。力が強くても、使い方を間違えればそれは魔王と変わらないからね。」

「はぁ…。」

よくわからない。

一番力が強いやつが魔王討伐をして倒すものなんじゃないのか?

「君は合格だよ。」

「え…。ありがとうございます…。」

王様に合格を告げられ部屋を出る。

本当に意味がわからない面接だった。

タクトが言っていた通りだ。

なぜ受かったのか全然わからない。

俺の後はランの面接だ。

大丈夫かな…。

 

 

 

 

 

【ラン視点】

部屋の真ん中に座らされ、水晶に手を当てて質問に答えろと言われたので、言われたとおりにする。

「名前は?」

「ランです。」

「何歳?」

「十四歳です。」

「どこから来たの?」

「ハーデス村です。」

「ランはクーデルの仲間の女の子?」

「はい。」

「そう…。困ったな……。」

「?」

「ランはどうして魔王討伐に行くの?」

「私のおばあちゃんが魔物化して、今封印しているの。おばあちゃんを元に戻すために魔王を討伐しに行く。」

「そうか。なるほど。ランのお婆さんは僕達が必ず助けてあげるよ。だからランは村で信じて待っていて欲しい。」

「それは暗に私を不合格だと言っているの?」

「これはランの為に言って…。」

私は王様の話を遮って、水魔法を使う。

王様と護衛騎士全員を水に纏い、身動きを取れず息が出来ないようにした。

「私が自分で魔王を倒さないと気がすまないの。他のやつが魔王を倒すのを待て?意味がわからない。私と勇者様が魔王に負けるわけないじゃない。お前らの指図で魔王討伐をやめるわけないでしょう?今だって私に何も抵抗出来ない雑魚どものくせに。魔王討伐を許可しないなら、このまま国家反乱を起こしても私は全然構わないわよ?」

私が話をしている間もゴボゴボと息が出来ずに王様と騎士達は苦しんでいる。

私は王様の水魔法だけ解く。

王様がハァハァと苦しそうに息をする。

「私は合格でしょう?」

私は満面の笑顔で王様に問いかける。

「なんでお前のような利己的で自己中心的な女がクーデルの仲間なんだ。」

「あら。その口ぶりだと私の勇者様は合格だったようね。この面接ってもしかして性格診断?もっとお淑やかな女の子を演じるべきだったかしら。まぁ今更遅いけど。で?私は合格よね?」

「……行っても死ぬだけだぞ?」

「そんなことは聞いてない。合格しか聞かないけど。」

「…合格だ。」

「どうも〜ありがとうございますー。」

私は騎士達の水魔法も解き、風魔法で王様や騎士達を乾かして元の状態に戻した。

「お前のような悪魔の女がどうしてクーデルの仲間なんだ…。クーデルがお前のような女に騙されて…。」

「フフフッ。」

「何がおかしい。」

「だって私の勇者様は他の人達からはぜーんぜん褒めて貰えないだもの。私の勇者様が一番最強なのに。だから勇者様が褒められて嬉しいの。私を落として、勇者様を合格するなんて結構王様はいい目してるなぁって。」

「その勇者様譲ってくれないか?あの子は国の宝になる。」

「嫌に決まってるでしょう?私の勇者様だから。」

「他の勇者と組むとかは?」

「い、や!!」

「お金も用意するから…」

「うるさい!絶対嫌だから!私より可愛い女の子を用意すれば?可愛い女の子のお願いだからクーデルは聞いてくれたんだから!」

「………。」

「諦めて私達の旅が充実できるように黙って大量の支援金を用意してくれればいいのよ。」

「お前じゃなくてクーデルにだからな。」

「はいはい。」

「ランは魔物に勝てないよ。」

「ご忠告どうも。」

そう言い残し、私は部屋を出た。

「どうだった?」

部屋の外にはクーデルが待っていて不安そうに聞いてきた。

部屋の中で暴れたけど何も聞こえてないようだ。

「もちろん合格だったわよ。」

「よかった。でもなんで受かったのかわからないよな。」

「どうやら性格がいいやつが受かるらしいわよ。」

「あの質問内容で性格の善し悪しがわかるのか?」

「わかんないけど、二人とも合格出来たからよかったじゃない。」

「まさか合格出来るとは…。」

「お金貰いに行こう!!」

私達は合格者であることと受験番号を告げると宝箱が用意されており、宝箱の中は全て持って行っていいと言われた。

驚く程多い支援金だった。

この国の王様は余程クーデルが気に入ったらしい。

「なんか多すぎじゃないか?孤児院に寄付してから行くか。こんなに沢山お金があったら強盗に狙われちゃうよ。」

お金貰う為にここに来たのに何言ってんだ勇者様は。こっちは国家に反乱して勝ち取ったお金だってのに。ほんとに…うちの勇者様は最強だな。

 


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