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君だけの勇者様  作者: ama
チート系勇者様
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第31話 ユーモア

紙芝居は思いの外面白かった

子供向けの話なんてありきたりな勧善懲悪だと思っていたが、弱肉強食の話だった

善も悪も関係なく

ただ強い者が生き残るのだと

優しさも倫理観も関係なく、強い者が覇者になれる

そんな話だった

面白かったので、次の日も同じ広場に行き紙芝居を聞きに行くと子供達から

「お兄ちゃんまた来たの?」

と声を掛けられた

「昨日の紙芝居が面白かったからな。」

「なんでいつも1人なの?」

「俺の仲間が修行中で暇だからだ。」

「へー。お兄ちゃんは遊び放題でラッキーだね!」

「俺はあまり遊んだ経験がないから困っている。」

「そうなのー?じゃあ俺達が遊びを教えてあげるよ!俺達は毎日遊んでるから遊びのプロだぜ!?」

俺は子供達にだるまさんが転んだを教えてもらって一緒に遊んだ

子供の1人が鬼役になり、俺は鬼をタッチする役をするようだ

だるまさんが転んだと言うと鬼が振り向くから動きを止めなければいけない

鬼に気づかれずに近づいてタッチをすれば勝ちらしいので

「だるまさんが〜」

鬼役が言うと同時に俺はダッシュで近づきタッチした

「わっ!」

と鬼役が驚く

「俺の勝ちだな。」

というと子供達が白けた反応をした

「お兄ちゃん…遊ぶの下手すぎ。こういうのは変なポーズで止まったりするのが面白いのに!」

と言われた

「何の為に?そんなことをすると負ける可能性が高くなるぞ。」

「面白いからだよ!お兄ちゃんにはユーモアが足りないんだ!俺が手本を見せるから見とけよ!!」

と言うので俺は子供達のだるまさんが転んだを見学して学ぶ

なるほど

この遊びは勝敗よりもユーモアを重視するようだ

子供達は無駄に鳥のポーズやお爺さんの真似をするポーズ等をしてケラケラと笑っている

なるほど。これが遊ぶということか。

「理解した。俺ももう一度やろう。」

俺はもう一度だるまさんが転んだをした

次は猿の真似や鶴のポーズをして止まると子供達は大爆笑をして喜んだ

ふん。俺ってやっぱり何をやってもすぐに完璧にこなしてしまうな

ユーモアさえもこうも簡単に兼ね備えることが出来るなんてな

その後、紙芝居のお爺さんの話を子供達と聞いて俺は子供達と別れた

そして俺はランとミランが特訓しているであろう海辺の岩場に向かった

ランはミランに防御魔法を教えようとしていたが、ミランは防御魔法の才能がないようだった

ランは防御魔法を教えることを諦め、修復魔法や回復魔法が使えるなら創造魔法も使えるのでは?という理論で盾を作る魔法を伝授した

ミランはランの予想通り盾を作ることは出来るようで、今は盾の強度やいかに早く盾を作り出せるかを修行しているようだ

ランは基礎から丁寧に教えていて、面倒見の良さが伺える

そういえば、ランはハーデス村にいる子供達のキノとピノとも仲が良かったな

世話を焼くことが得意なのだろうな

マリナは子供達と遊ぶことは苦手だったな

お互いに自己主張が激しくて、子供相手によく喧嘩していたことを思い出す

そんな昔のことを修行している2人を眺めながらぼーっとしていると

「凄いですね。ミランさん。あっという間に上手くなってますよ。」

とランの友人カーラが話しかけてきた

「ミランが凄いんじゃない。ランが凄いんだ。あんなに人に教えることが上手いなんて才能あるよ。」

「ええ?才能あるのはミランさんじゃないんですか?」

「もちろんミランの才能もあるよ。魔法は出来る出来ないはほとんど才能らしいからな。出来ない魔法は練習しても一生出来ないことが多いからな。」

「ランが言ってましたよ。魔法の世界は才能主義で嫌だって。」

「ランは使える魔法が少ないけれど、だからこそ一つ一つを極めて強くなったんだ。努力家だよな。」

「ランは努力家だと知られたくなくて、夜中に特訓してたんですよ。可愛いですよね。」

「可愛くないよ。非効率だ。睡眠は大事なのに。」

「アハハ!そうかもしれませんね。でもカイトさんは好きな人の前で努力する所を見せるのは恥ずかしくはないのですか?」

「いや。全く。寧ろ見せつけていたが。努力している所がかっこいいんじゃないのか?」

「でも失敗している所とか見られたくないでしょう?」

「失敗してもすぐに完璧にこなせるように努力するところを見せるのがいいんじゃないか?」

「すぐに出来なかったらかっこ悪いじゃないですか。」

「そうか。俺は何でもすぐに出来てしまうから気にしたことなかったな。」

「凄いですね。カイトさん。ランも言ってましたよ。カイトは強いから頼りになるって。」

「俺に出来ないことはないからな。魔物に対する偏見を減らして魔王と共存することだってやり遂げてみせるさ。」

「いやぁ。かっこいいですねぇ。」

「そうだろう?」

「はい。ランと失恋旅なんて信じられないです。」

「う…強くてかっこよくても好きな女に選ばれるわけではなかったようだ。」

「恋愛は難しいですね。」

「カーラは好きな人はいないのか?」

「残念ながら恋は未経験です。」

「そうか。ランと仲良く出来るならいい女なんだろうな。」

「ランと仲良く出来る人なんてたくさんいますよ。私は普通です。」

「いや。そんなことないよ。あんなに口が悪い女の相手をするのは嫌じゃないのか?」

「口は悪いですけど、行動や態度は優しいですから。」

「素直になればもっと可愛いのに勿体無いよな。」

「そうですか?あの天邪鬼な所がランの魅力だと思いますよ。可愛いじゃないですか。」

「ランと過ごしたいだろうに、ミランが馬鹿なせいでランとの時間がなくなってすまない。」

「いえいえ。1週間もランを独占させて貰えましたから。気を遣って2人で遊ばせてくれたのですよね。本当にありがとうございます。」

「ここにはランの息抜きを目的に来たからな。カーラと一緒に過ごすことが1番息抜き出来て楽しそうだったからだよ。」

「それはそれは光栄です。大変な旅の途中で、少しでもランが息抜き出来たならお役に立ててよかった。」

「カーラはランの唯一の友人だからな。」

「そうなのですか?」

「あぁ。」

「ハーデス村には友人がいなかったのですか?」

「そうだな。1人でいることが好きだったみたいだったし。」

「素直じゃなかったんですね…カイトさんは友達いましたか?」

「え?俺?そうだな…クーデルかな。」

「クーデルさんと仲良かったんですね。」

「一緒に特訓したりよくしたよ。」

「へー。だからお二人とも強いんですね。良き友人であり、良きライバルだったってことですね。」

「クーデルとは仲良かったけれど、ミランには嫌われてしまった。人と仲良くするのは難しいな。」

「あー。確かに昨日の特訓ははたからみればいじめですからね。」

「クーデルは同じような特訓で、仲良くなったのに。」

「それはクーデルさんの心が広すぎるだけなのでは…」

「でも俺は今日、人間関係をよくする新たな武器を手に入れた。」

「なんですか?」

「ユーモアだ。」

「ほうほう。いいじゃないですか。」

「人を笑わせると幸福度が高まる。友人への第一歩だ。」

ミランの特訓が終わりランとミランがこちらに寄ってきた

「カイトどう?ミランの盾結構精度良くなってきたと思わない?」

とランに言われたので

俺はユーモアを意識し、鷹のポーズをして

「盾を出すより攻撃されたらブレスを出すことを辞めさせろ!!!」

と叫んだ

その場はシンと静まりかえる

「カイトさん。変なポーズをしてユーモアを交えようとしたのはわかりましたが、言葉のナイフが鋭すぎて空気が凍ってます。今日頑張った特訓をまずは褒めてあげてくださいよ。」

とカーラに冷静に言われた

「盾は上手くなっている。よくやった。」

「そういう上から目線の態度が人と仲良く出来ない原因だと思います。カイトさんに足りないのはユーモアよりも優しさですよ。」

とカーラが言う

「優しさでは世界は救えない。力こそが強者だ。」

「人と仲良くする力こそが世界平和の一歩だと思いませんか?」

「ぐぬぬ…」

「ミランさんとこれからも旅をするなら仲良く特訓するべきです。」

「たしかに。」

「じゃあ明日からはミランさんの特訓はカイトさんにお願いしますね。これも仲間がこれから長旅をする上で大事なコミュニケーションですから。」

えっ…とミランの声が漏れる

「そうだな。俺達はマブダチのように信頼関係を築いてみせる。」

「えっ!嫌だ!俺はランと一緒に…」

とミランが言うが

「盾は出せるようになっただろう?明日から俺が攻撃きてもブレスを出さずに盾で防御する特訓な。」

と俺は告げた

「じゃあランは私と明日は海に行こーね♡」

とカーラが言う

やっぱりミランにランを取られたこと不満に思っていたようだ

ミランは明日からまた俺と特訓で落胆している

「俺は!!カイトと仲良くなれなくてもランが側にいればそれだけでいいのに!!」

とミランが叫んでいる

「大丈夫だ。俺はユーモアと優しさを学んだから明日からの特訓は完璧だ。」

「絶対嘘だ!!変な鷹のポーズでユーモア語る奴なんか信用出来ない!!!」

と泣き叫んでいる

失礼なやつだな



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