第14話 愛の告白
ランとミランは作戦通りナーチス村へと降りて恋人繋ぎで堂々と歩いている
俺は2人のラブロマンス作戦が成功するように家の屋根の上から俯瞰して見守っている
堂々とナーチス村を2人の魔物が寄り添う恋人のように歩いていて村の人々は驚愕していた
ひそひそと噂話をするわけでもなく
ただただ驚愕して2人の姿を遠目から見ていた
2人以外の時間が止まったかのように
村の人々は2人の様子を見て驚愕し、固まってしまっていた
2人は村長のハバロンさんの家へと向かう
ミランはハバロンさんの家をノックした
「どちら様ですか?」
と言いながらハバロンさんは扉を開けた
ミランとランがいてハバロンさんも固まってしまっていた
「ハバロン村長。お話があるので伺わせて頂きました。」
とミランが言う
「ミラン…ランさん…重要な話か?中に入るがいい。」
とハバロン村長は家の中へと招くと
「いえ。ここで村のみんなの前にも聞いて欲しいので。」
とミランが言う
「そうか…それで?話とは?」
「俺はランを愛している。どうか魔物だと差別しないで分かり合える関係になりたい。」
「なっ…えっ…!?」
ハバロン村長だけではなく、村の人々もざわざわと騒ぎ始める
「俺達は今後人間を傷つけないと約束する。だから魔物でも仲良くして欲しい。」
「そんなこと急に言われても…2人で山に住むのはダメなのか?」
「ランは魔王が死ぬと生きていけない。純粋な魔族だから魔王と共に消滅してしまう。」
「えっ」
「愛するランを死なせなくない。俺達は魔物として生きていきたいんだ。魔王を説得して魔物と共存する未来を作る。それが俺達の夢だ。」
「ランさんは我々ナーチス村の大恩人だ。死んで欲しくはないが、魔王を生かしておくなんて人間に莫大な被害が…」
「魔王が復活しても魔王が人間を攻撃したことは一度もない。魔王は俺達のように理性があり話し合いが出来ると思う。俺はランを死なせなくない。魔物は安全だと証明したいんだ。」
「いや…しかし…マグタットは…」
「俺の師匠は確かにドラゴンになってこの村をめちゃくちゃにしたし、たくさんの人を殺した。でも俺達は理性があり暴走するようなことはしない。」
「でも…ミランも人を殺したことがあるんだろう?」
「…確かに俺も殺したことがある。まだ力の扱い方がわからなくて殺してしまった。でも!今後は絶対に人を傷つけない!約束する!!」
「我々も…気持ちでは信用したいよ。でも…実際にドラゴンは村を破壊した。力が強くて抵抗出来ない魔物はやはりこわいよ。」
「この村を破壊したのはドラゴンだけれど、この村を救ったのはランだ!そうだろう!?ドラゴン討伐後も大雨を降らせて村の復興に大きく貢献したのはランだ!」
「それはそうだが…」
「ランはナーチス村の為に命懸けで戦ってくれた!だから恩返しをしてもいいだろう!?」
「…わかった。さすがに魔王が生きたままでもいいとは言えないが、ミランとランがナーチス村で過ごすことは歓迎する。」
「本当か!?」
「ああ。元々、ミランもこの村に帰って来てもいいの儂は言っておった。ミランは人間の時と変わらずいい子だ。それに…ランさんはこの村の英雄だ。魔物に偏見がある村だから多少苦労はさせるが、村長の権限で2人を見守ることを誓おう。」
「あ…ありがとう!ハバロン村長!」
ミランはランに抱きつき喜びを表す
ランは戸惑って硬直しているだけだった
はぁ…とりあえずは第一歩成功といったところかな
ランのやつミランに任せきりで一言も話さなかったな
後で説教してやる
ハバロン村長も微笑ましい目でランとミランを守っており、村の人々反応も上場だ
まだ不信感を持った人もいるが、ミランが認められて大喜びしている姿を見て大半の村人は安堵して喜んでいる様子だ
人間のミランはナーチス村の人々から愛されるいい子だったのだろう
魔物になり、山で暮らしているミランを心配している者は多かったようだ
このまましばらくナーチス村で2人暮らしをさせて、魔物は無害であり、魔王と共存出来る未来を持ってもいいと思えるようにしていこう
ミランとランの恋を応援ムードになっている雰囲気をぶち壊すかのように
1人の女の子が駆け出して邪魔をしようとしている
俺はすぐに上から女の子を制圧した
「ごめんね。マーブルちゃん。失恋したことは可哀想だけど…大事な人の門出を快く祝ってくれるかな?」
と俺はマーブルを踏み地面にひれ伏せさせながら言う
「どけ!ミランは騙されているんだ!!魔王を倒して人間に戻ったらナーチス村で幸せに暮らすはずだったのに!!」
「騙されていないよ。ミランは魔物として生きていく選択をしたんだ。」
「あの女…!!絶対に許さない!!魔王を倒してミランを人間に戻すと言っていたくせに!魔物になっちゃったからミランと恋人になって一緒に生きる?ふざけるな!!」
「ふざけてないんかない。2人は愛し合っている。」
「嘘よ!」
「見ろよ。ミランのあの嬉しそうな顔を。嘘をついているかのように見えるか?」
「っ…!!」
本当は嘘なのだが
ミランは見たことないような笑顔でランを抱き抱えて喜んでいる
演技とは思えないな
ミランは名役者になれるよ
「幸せそうなミランの邪魔をするな。」
俺がそう言うと観念したのか暴れることをやめてマーブルは大人しくなった
「ううう…うわああ…」
とランは涙を流して大声で泣き出しそうになったので俺は手刀で首を落としマーブルを気絶させた
いい雰囲気のナーチス村で大声で喚かれたら困る
「マーブルちゃんには悪いけど…こっちもランの命が懸かっているんだ。」
嘘の失恋をさせることは心苦しいけれど
普通にマーブルがミランに告白してもミランは振っていそうだし
まぁいいか




