第12話 ラブロマンス計画
俺達はミランがいる山へとランの魔法で向かった
山に辿り着くとすぐにミランから俺達に会いに来てくれた
「久しぶりだな。ラン。」
とまずは再会の挨拶をミランはする
「えへへ。こんなんになっちゃった。」
とランは自分が魔物化したことをミランに自虐気味に言う
「いいんじゃね。似合ってるよ。」
とミランはランに微笑んだ
「ミランはさ…魔物化しちゃった時、辛くなかった?」
「俺は師匠がドラゴン化して村を破壊していたからな。自分のことなんて二の次で考える暇なかったよ。」
「こわくなかったの?自分もいつかは人間を襲うんじゃないかって。」
「こわくなかったな。魔物化してから自分の自我はしっかりと保っていたし、人間を襲わない自信があった。けれど…攻撃されたから反撃したらあっさり死んでしまったのはショックだったな。」
「人間と仲良くしようと思わない?」
「思わないね。俺は人間と関わりたくない。自分の力加減が出来ないからな。」
「力加減が出来て一緒に住めるようになるなら?仲良くしたい?」
「それでも仲良くしたいとは思わないな。俺は人間の暮らしより、魔物になって1人で山で暮らす方が気に入っているんだ。」
「寂しくないの?」
「寂しくないよ。人間社会の方が辛かったからね。俺は馴染めなくて1人だったからな。魔物の方が気楽でいい。俺は今の暮らしの方が気に入っているよ。」
「マーブルは?仲良かったんじゃないの?」
「1番仲悪かったよ。」
「マーブルはミランに会いたい会いたいってうるさいのに?」
「意味がわからないよ。俺のことをいじめてたくせに。マーブルの考えていることがわからない。こわい。」
「好きな子ほど意地悪しちゃうタイプなのよ。マーブルは。」
「それが何?俺は普通に優しくしてくれる人が好きだよ。」
「うーん…人間と魔物のラブロマンスの末のハッピーエンドとか素敵だと思わない?」
「いいんじゃないの?」
「本当!?じゃあマーブルと…」
「はぁ!?何で俺!?自分でやれよ。愛しの勇者様と種族を超えたラブロマンスとかすればいいだろ。」
「…。」
ランは地雷を踏み抜かれて固まってしまう
「てゆうかクーデルは?どこに行ったんだよ。誰だよこの男は。心変わりしてこいつに乗り換えたのか?」
「…振られたのよ。」
「はぁ?クーデルに?」
「そうよ!!振られたの!!私よりも優しくて可愛くて超超超超超超超超超いい女に取られたの!!振られたショックで魔物化したの!!」
と言いながらランは涙を流す
「えぇ…嘘だろ…どっちかと言えばクーデルの方がランに溺愛して執着しているように見えたのに。」
「この世界唯一の聖女様に負けちゃったの。」
「えー…そうなんだ…可哀想…」
「哀れな目で見るな!!余計に惨めになるだろうが!!」
「まぁまぁ。人間なんてクズだよ。魔物として1人で気楽に生きることも楽しいから。」
「…別に人間はクズじゃないわ。私は育ててくれたお婆ちゃんが大好きだもん。ミランだってそうでしょう?師匠のことが好きだったじゃない。」
「でもドラゴンになって死んだ。俺が好きな人間なんてもうこの世のどこにもいないからな。仲良くしようだなんて思わないよ。」
「でも人間と仲良くするように協力してくれないと困る。」
「なんで?」
「魔物が安全だって世間に広まらないと…」
「だからなんで?別にいいじゃん。山の奥でひっそり暮らせば。」
「魔王が死んだら私も死ぬから。私は魔族の唯一の生き残りなんだって。純粋な魔物は魔王が死んだら死んじゃうんだって。」
「え!?俺も!?」
「いや…ミランは人間に戻るだけ。」
「え…いやだ…」
「私と違って死なないし、人間に戻れるならいいじゃん。」
「嫌だ!!俺は魔物の暮らしを気に入っていると言っただろう!?」
「じゃあ魔物と人間の仲良し計画に協力してくれる?」
「なんだその頭悪そうな作戦は。もっといいやり方ないのかよ。」
「ないの?カイト。」
「ないね。300年前と違って人間と魔物が争う時代ではなく、共存して生きていく世界だと広めないとダメだ。」
「だそうよ。」
「この男はだれ?」
「私の共犯者かな。」
「魔物の味方ってこと?」
「そうだよ。魔物と人間が仲良くする世界の計画立案実行者。」
「変な人間だな。」
「私を生かす為に頑張ってくれてるんだから失礼なこと言わないで。」
ランって面と向かっては喧嘩腰だし、性格悪いけど、こういう時は優しいよな
いつも素直に優しい人柄ならもっと仲良くできそうなのにな
「ふーん…俺は何をすればいいの?」
「だからマーブルとのラブロマンスを…」
「却下。」
「えぇ…」
「ランがラブロマンス計画しろよ。別にフリでもいいじゃないか。そこにいるカイトとかいう男と恋人関係になったことをアピールすれば真実の愛とかで美しく見えるんじゃねーの?」
「却下。」
「そんな食い気味に拒否するなよ。」
「カイトとラブロマンスなんて死んでも嫌!!」
「自分の命掛かってるんだぞ。文句言うなよ。」
「傲慢なモラハラ男なんてフリでも恋人ごっこなんてお断りよ!!」
「ランを生かそうと頑張ってくれてるいいやつだってランが言ったんじゃないか…」
「いいやつだけど、性格悪いの!」
「似た物同士なんだな。」
「私とカイトのことを言ってるの!?冗談やめてよ!!」
「じゃあもうラブロマンス作戦は諦めたら…」
俺は手を挙げてランとミランに言う
「いや。ラブロマンス作戦は心動かすいい作戦だ。ラブロマンス作戦を実行する。」
「だってよ。ラン。カイトと恋人ごっこ頑張れよ。」
「嫌よ!ミランがマーブルと恋人ごっこしなよ!!」
「絶対嫌。」
「私も嫌よ!!」
と水掛け論をしているので俺は提案する
「うーん…仕方ないからランとミランのラブロマンス作戦にしよう。魔物同士のラブロマンスでお涙頂戴に仕立てあげるのはどうだ?」
と俺が言うと
「カイトよりはまぁ…」
「マーブルよりはマシだからまぁ…」
と2人が言うので、俺達は魔物同士のラブロマンスで魔王討伐後にランが消えてしまう悲恋の物語を仕立てあげることにした




