第7話 モーニングパン
美少女コンテストはランが優勝してランは一躍時の人になった
翌日、ランは堂々と俺と一緒に約束していたパン屋さんに行った
テラスで一緒に食事をしていると通りすがりの男共達に
「ランちゃーん♡」
と野太い声援が飛んでくる
この街の男達はランの魅力に夢中になったようだ
ランは苦笑いしながらヒラヒラと手を振る
「もう少し愛想良くにっこり笑えないのか?」
「この世で1番苦手ね。愛想笑いって何の為にするの?」
「好感度を上げる為かな。」
「そんなもの今まで不要だったものでね。」
「これからは1番大事だからね。可愛くにっこり笑える練習しようね。」
「生き残る為?」
「生き残る為。」
「なんか私の尊厳破壊をされている気がする。このままじゃ生き残っても私が私じゃなくなりそう。」
「大丈夫だ。ランは図太い人間だから。俺に操り人間にされたぐらいでは人格がぶれたりしないよ。」
「私の人格がぶれなくても、世間の私の評判は本来の私とは程遠くなるわよ。」
「それは仕方ないよ。本来のランを見せたら生き残れないからね。」
「ありのままの私では生き残れないの?」
「性格悪い魔物なんて万死に値するよ。可愛くても許されないよ。」
「可愛くてえっちな女なら何でも許されるって言ったくせに。」
「多少性格くてもエロい女は許してくれる。」
「私ってエロいの?」
「凄いえっちだね。ロリ巨乳なんて全人類の男が好きだよ。」
「なんか複雑…」
「ランがえっちで可愛い女の子だから魔物でも見逃して貰えたし、みんなが味方になってくれて歓迎ムードになってるんだよ?誇るべき長所だよ!!」
「それでも好きな人には振られたけどね。」
「ライバルの相手が悪すぎるよ。世界唯一の聖女であり、おっとり可愛い系の男が好きな女の頂点のような女だからな。結婚するならマリナ一択だよ。」
「私は?何がダメなの?」
「ランと死ぬまで共に過ごしたい男なんてこの世にいないと思うよ。」
「急に心に突き刺すナイフ。ものすごい角度でえぐってダメージ喰らわせるじゃん。私のメンタル死にかけだけど。」
「え?まさかランは自分が一緒に過ごしていて癒されるような存在だと思ってたの?ありえないよね?人のせいばかりして喧嘩ばかりしてるくせに?」
「そうやって理詰めしてくる男は嫌われるのよ知らないの?」
「好きな女にはそんなことしないよ。」
「他の女をいじめてる姿を見て嫌われてるのよ。」
「自分だけ特別扱いとか女は好きだろう?」
「キモいわよ。」
「女心わかんねー。」
俺達は焼き立ての美味しいパンを食べながら談笑していた
まだ旅に出て数日だが、ランの大好物はわかった
ランはパンが好きなようだ
焼き立ての美味しいパンを美味しそうに頬張る姿は年頃の女の子らしくとても愛らしい
喧嘩しても大好物のパンを与えれば許してくれるかもしれない
マリナは一度怒ると3日ぐらい口をきいてくれなくて無視されて続けられたけれど
ランは根に持つタイプではなさそうだ
昨日、結構な無茶振りをしたのにも関わらず今日は普通に話してくれるからな
テラスで愛らしく食べるランの姿はレアジーニャ街の人達も癒されてほっこりしている
よしよし
ランは黙っていれば可愛い女の子だ
このままランが魔物でも無害でありただ可愛くてえっちな女の子なだけと全世界に広まるようにしていかないとな
俺達がパン屋のテラスでパンを食べていると
「おーーーい!ランちゃーーーーん♡」
と大きく手を振って爽やかな青年がランを呼んでいる
「知り合いか?」
「知らない人です。」
「ランちゃんひどいよぉ!カフェでお茶して奢ってあげた仲じゃないか!!」
「あぁ…なんか社会勉強してやるとかうるさいこと言ってた人か。」
「そんなに記憶が曖昧なの!?一緒にスライム討伐とかもしたし、一緒に過ごした時間も多かっただろう!?タクトだよ!ランちゃん!!」
「そうだっけ。私、興味ない人間は覚えられないの。」
とランが言うので俺はランの頭をパシーンと軽く叩く
「何すんのよ!!」
とランが言うので
「仲良くしてくれてた人に態度が悪い!!人に好かれるような行動を心がけろとあれほど言っただろう!?」
「チッ。」
「舌打ち禁止!!」
と俺はランの言動と行動を咎めた
「あぁ!いいんですよ!気にしてないですから!以前からランちゃんは塩対応でしたから!!」
「なんで親切な人に無礼なんだ…」
「あ!君はこの前美味しいパン屋を聞いていた青年じゃないか!」
「あ。パン屋さんを教えてくれた優しい人じゃないか!あの時はどうもありがとうございました。」
「いえいえ。俺が教えたおかげでランちゃんが美味しいパンを食べれたなら本望ですよ!」
と気さくにタクトさん話してくれた
「いやぁー。まさかランちゃんが魔物になっちゃうなんてね!アハハ!角も羽も尻尾も似合ってて可愛いから最高だねぇ!」
「お前も魔物にしてやろうか?」
とランが言うので俺はまたランの頭を軽く叩く
「すぐに人を攻撃する癖をやめなさい。」
「だってむかついたんだもん。私が魔物になってどれだけ涙を流して辛い日々を過ごしたと思ってんのよ!!」
「似合ってるっ言われたんだから、ありがとうでいいだろう?」
「そんな常識知らない。」
「これから覚えろ。ありがとうございます。はい復唱。」
「アリガトウゴザイマス。」
心のこもってない棒読みだが一応ランがタクトさんにお礼は言った
ありがとうを合わせるだけで苦労するなんて
これから先の好感度上昇作戦な先が思いやられるな
「アハハー!どういたしましてー!」
と明るくタクトさんは言う
優しい
「すみません。尖りたい年頃の女の子なもので…」
「可愛いよね〜。」
「それだけが取り柄なもので…」
「アハハ!面白いこと言うね!君!」
「カイトです。」
「カイト君!!ランちゃんが魔物でも許されたのは可愛いだけじゃないよ。ここに住んでいる人達はみんなランちゃんとクーデルがナーチス村のドラゴンを討伐したことを知っている。ランちゃんが人間の味方であることを証明しているからだ。」
「へえ〜!そうだったんだ!ランとクーデル凄いじゃないか!!」
「そうなんですよ!あっという間に討伐して…本当に勇者一行としてこの街では崇められてましたからね!!」
とタクトさんはランとクーデルの功績を讃える
「ところで…クーデルはどこにいるの?」
とタクトさんは俺達に聞く
「あぁ。私より可愛い女を選んで魔王を討伐する勇者パーティを組んでるわよ。」
とランが冷たく言い放ち
最悪の空気になった
「そっか…ドンマイ!ドンマイ!!アハハ!!失恋したショックで魔物化したの?アハハハハハハハハハ!!ランちゃんも案外可愛いとこあるじゃーーーん!アハハハハハハハハハハハハハ!!」
とタクトさんは爆笑している
「ねぇ。タクトとかいう人間ってこの世に必要ないと思うんだけど。どう思う?カイト?」
と真顔で俺に聞いてくるので
「うーん…仕方ないから俺が…」
そう言ってタクトさんの指をバキッと折った
「いってええええええええええええええええ!!」
とタクトが指を押さえて悶絶している
「うちのランちゃんをあまりいじめるなよ小僧。」
と俺はタクトさんに忠告する
「普通に口で忠告しろよ!!いきなり指を折るなんて酷すぎる!!」
「失恋に関しては俺達はデリケートなんだ。万死に値する。」
「知らねーよ!!カイトのバカ野郎!!」
と暴言を吐かれてしまった
でも失恋を笑うのは許せないよなラン




