第3話 無知は罪
レアジーニャ街へ入る時に、ランには魔法ローブを頭に被せて角を隠すとあっさりと入れた
まさか門番も頭に角生えた魔族が入るなんて想像もしないだろう
普通にフードを被った女の子としてランは無事に入ることが出来た
「はぁ…はぁ…心臓がとまるかと思ったわ。」
とランは青ざめた表情で言う
「案外楽勝に入れたな!ラッキー!!」
「魔族が堂々と正面の門から侵入するなんて誰も思わないわよ。」
「隙をついた素晴らしい作戦だったな!」
「運がよかっただけでしょう?」
「まぁ…見つかっていたらその場で射殺されてるかもしれないし。」
「こわすぎでしょ…」
「なぁ。泊まる宿ってどこにある?」
「私達が前に泊まった宿でいいなら案内するわよ。」
俺はランに案内されて宿へと向かう
宿の受付で俺が
「2部屋お願いします。」
と俺が言うと
「え?なんで?」
とランが言った
「俺とランの分で2部屋だろうが。」
「1部屋でいいよ。お金もったいない。」
「はぁ?寝る時とかどうするんだよ。ベッドは1つしかないぞ。俺はベッドじゃないと嫌だぞ。」
「ベッドで寝れば?」
「じゃあランはどこで寝るんだよ。」
「ベッドだよ。」
「は?なぞなぞか?」
「ベッドで2人で寝るんだよ。」
「冗談だろう?」
「本当だけど。」
「まさかクーデルとずっと同じベッドで寝てたのか?」
「そうだけど。」
「いや!おかしいだろ!年頃の男女が毎晩同じベッドで寝るなんて!!」
「え?別に普通じゃない?」
「普通じゃない!!お前まさかクーデルと毎晩一緒のベッドで寝てたのか?」
「そうだけど。」
「あいつ…!!」
平々凡々人畜無害な顔して大胆すぎるクーデル
田舎村の価値観しかない少女を騙して同じベッドで寝るように仕向けるなんて…
むっつりスケベすぎだろ
なんで女達はあんなむっつりスケベがいいんだよ
優しい顔して危険人物なのに
上辺に騙されてる!!
真の紳士は俺の方なのに!!
「2部屋でお願いします。」
と俺は受付に伝える
「別に1部屋でもよかったのに。お金もったいないよ。」
「あのな。ラン。年頃の男女が1つのベッドで寝てはいけません。」
「そういえばおばあちゃんも同じこと言ってたな。」
「チャイナばあさんから教わってたのか!?」
「うん。なんか男が狼になるからダメだよって。」
「じゃあなんでクーデルと一緒のベッドで寝てたんだよ!!」
「狼になるなんて嘘だよって。おばあちゃんに揶揄われただけだから大丈夫だよってクーデルに言われたから。」
「ア…アホ!!!」
あいつ本当にランを騙して一緒のベッドで寝てたのかよ!!
極悪非道じゃねぇか
「ラン。チャイナばあさんは本当のことを教えていたんだ。クーデルに騙されているんだよ。」
「はぁ?何言ってんの。クーデルは嘘なんて言ってない。ずっと一緒に寝てたけどクーデルが狼になったことなんてないわよ。」
「クーデルはずっと狼になっていたんだよ。」
「だからなってないってば。」
「変なことされただろう!?」
「変なこと?何もされてないわよ。ただくっついて寝てただけ。」
「くっついて寝てた!?」
「そうよ。人肌が触れていると安心出来てよく眠れるって…」
「アウトー!!!」
「さっきからなんなの?意味わかんない。」
「一緒に寝てもいいのは恋人になった男女だけ!!それ以外はダメです!!」
「なんで?」
「一緒のベッドで寝たら赤ちゃん出来ちゃうからな。」
「え!?嘘でしょう!?」
「本当だ。」
「でもクーデルと一緒に寝ても赤ちゃん出来なかったよ。」
「毎晩赤ちゃん出来てたらこの世には妊婦だらけになるだろう?一定の確率で赤ちゃんが出来るんだよ。」
「…本当に?嘘くさい…。」
「なんでクーデルの言うことは信じて俺のことは信じないんだよ!!」
「信用がないから。」」
「俺が人を弄んで揶揄って遊ぶ人間に見えるのか!?」
「見える。」
「見えるかぁ〜…じゃあこれからは疑問を持ったことは他の人にも聞いて確かめろ。」
「無知は罪だぞ。考えることを放棄するな。知りませんでしたで犯罪に手を染めて許してくれる世の中じゃないからな。」
「わかったわよ。説教くさいなぁ。うちのババアかよ。」
「叱ってくれることが優しさだぞ。」
「わかってるわよ。」
「お。わかってんの?」
「うちのババアは誰よりも口が悪いけど馬鹿みたいに自己犠牲精神が強いお人よしなの。」
「いい人なんだな。」
「うん。」
と言ってランは穏やかに微笑む
本当に大事に育てられたことが容易に想像出来る
「金のことは心配するな。俺が稼いでやるから。泊まる時は2部屋に別れるぞ。」
「は〜い。そうだ。この国の王様に勇者として認められたらお金くれるから明日レアジーニャ城に行こうよ。」
「なんだそりゃ。」
「この国の王様に認められないと魔王を倒す冒険に行けないんだよ。」
「変なシステムだな。別に魔王を倒したいやつがみんなで協力して魔王討伐すればいいんじゃねぇか。」
「適性がないとどれだけ強くても魔物を切れないからね。死人を減らす為じゃない?」
「魔物が切れない?そんなことあるのか?」
「あるわ。ちなみに私は全く切れないわ。」
「お前そんな雑魚でよく冒険出来たな。」
「うるさい!!」
「わかったよ。俺達は魔王を倒しに行くわけじゃなけれど、勇者と認められたらタダでお金くれるんだろう?じゃあ明日レアジーニャ城に行くか。」
「カイトも魔物切らなかったりして。」
「そんでも魔物を倒す旅じゃねぇから大丈夫だよ。ゆるーく楽しんで冒険しようぜ。」
「魔物の姿でゆるーく冒険出来るわけないじゃん。人間の敵なのに。」
「敵にならないよーって広めるから平気さ。」
「本当かなぁ…」




