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君だけの勇者様  作者: ama
第1章 君だけの勇者様
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第39話 花に願いを

俺達はレストランで食事を終えた後、ジェシカが早くA級モンスターの討伐の依頼を受けよう!と言ってすぐにギルドで依頼を受けていた

「じゃあまた明日の12時にレストランでね!お昼食べたらA級モンスター討伐行くからね!!」

と言い残してジェシカは嵐のように去って行った

「じゃあ俺達も行こうか。」

「どこに行くの?」

「花祭りは中央の噴水に願いを込めて花を添えるんだって。だから花を買いに行くよ。」

「花を添えて願いが叶うなら世の中ちょろすぎでしょ。」

「祭りは雰囲気を楽しむものだから。」

「ハーデス村も一応お祭りはやってたものね。」

「収穫祭だから身内ノリの小さい祭りだけどね。ランは参加したことないよね。」

「私は収穫なんて関係ないもの。」

「お婆さんは畑やってたから関係なくはないだろう?」

「馴れ合いは嫌いなの。」

「みんなと仲良くした方が楽しいのに。」

「1人で過ごす時間が私は好きなの。ハーデス村を出てよくわかったわ。私は田舎暮らしは向いてない。田舎では私みたいな存在は孤立して変な目で見られるもの。都会は人が多いから人との繋がりが密じゃなくて気が楽ね。」

「ハーデス村で暮らすのは嫌なの?」

「別に嫌いなわけじゃないけど。」

「俺は住む場所にはこだわりはないよ。ランと暮らせるなら場所はどこでも構わないと思っている。」

「マリナは?好きなんでしょう?」

「マリナは妹みたいなものだよ。」

「嘘つけ。絶対好きじゃん。」

「マリナにはカイトがいるだろう?」

「告白する前に諦めるのはよくないわよ。気持ちは伝えた方がいいわ。」

「…そうだね。」

ランは俺がマリナのことが好きだとずっと勘違いをしている

俺が好きなのはランであることは絶対に伝えなければいけない

この花祭りでもう一度告白する

今度こそ気持ちが届くように

「あ!おにいさん!約束通り来てくれたんだ!ありがとう!!」

と先程の花屋が話しかけてきた

「たくさん教えてくれたお礼にね。カヌーも乗れることになったよ。」

「それは運がいい!おにいちゃんよかったね!」

「どうもありがとう。ランにおすすめの花を選んであげて欲しい。」

「お安いご用さ!ランちゃんは何を願うのかな?願い事に添った花をおすすめするよ!」

「ババアが長生きするような花はあるの?」

「ランちゃんはお婆さん想いの優しい女の子なんだね!お婆さんの長寿を願うなら胡蝶蘭がおすすめだよ。綺麗な白い花だろう?」

「この花…家にも飾ってあった。」

「お婆さんは胡蝶蘭好きだったんだね!」

「たぶん。じゃあこのお花にする。」

「ありがとう!お婆さんが長生き出来るといいね!」

「そうね。」

「お兄さんは?何を願う?」

「俺もランと同じにするよ。」

「え?いいの?」

「うん。ランの願いが俺の願いだから。」

告白するのは別の機会でも出来る

ランの婆さんを助けることを願っているから

俺も同じことを願いたい

「毎度あり!楽しい花祭りを!!」

俺達は花屋で胡蝶蘭を2つ購入して中央の噴水へと向かった

中央の噴水はとても大きく、たくさんの花が添えられている

花を添えて人々が願いを込めている

中央の噴水には銅像が建てられていた

「勇者マルク。」

とランが呟く

「この銅像があの有名な勇者マルクなの?」

「うん。300年前に魔王を封印した伝説の勇者よ。」

「顔も知ってるなんて詳しいんだね。」

「勇者マルクの冒険譚は読んだわよ。魔物が強くて冒険者達は死亡者が続出した。勇者マルクの仲間2人も冒険の途中で死んでしまった。魔物が強く誰もが諦めていたのに勇者マルクだけは諦めることなく、遂には魔王を封印したの。かっこいいわよね。」

「冒険譚とか好きなんだ。」

「人々の為に努力してよ強くなって世界を平和にした勇者マルクは本当にすごいんだから!」

「俺達も魔王を倒したらこんな風に銅像が建てられたりするのかな。」

「ハーデス村に馬鹿でかい銅像建てましょうよ!」

「いたずらされそう…」

「アハハ!!」

「魔王を倒してお婆さんが人に戻れますように。」

俺は噴水に胡蝶蘭を添えて願う

「ババアが私より長生きしますように。」

とランが願っていた

「それは難しいんじゃない?」

「そうかしら。意外とそんなことないかもよ?」

「…どうして?」

「先のことは誰にもわからないってこと。」

「ランも長生きしないとお婆さんは悲しいよ。」

「そうね。私の為にこんな鍵の剣なんて作るぐらいなんだから。」

「自分を犠牲にしてお婆さんを助けようとしているの?」

「それが出来るならそうするけど。」

「そんなのダメだよ!!絶対に!!」

「架空の話で説教しないでよね。私は死ぬつもりないわよ。私は魔王を倒すまでは絶対にね。」

「俺が絶対にランを守るよ。必ず。」

「強い勇者様と冒険出来て心強いわ。」

噴水に願いを込めているランの姿美しく

目が奪われた

ランはお婆さんを人間に戻す為に冒険しているのに

俺は心のどこかでこの冒険がずっと続けばいいのにと

願ってしまっている

ランと2人で冒険をする時間が長く続けばいいのにと

最低なことを思っている

魔王を倒してしまった後

俺はランに用済みだと言われることが

こわい

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