第36話 お礼の品
俺達は砂漠を抜けてシラカバ村へと俺達は帰った
「本当に…倒してくれたのですね…」
とイザヨイさんが呟いた
「ふふーん!勇者様があっという間に倒しちゃったわよ!余裕よ!余裕!!」
とランが得意気に話す
恥ずかしいからやめてほしい
イザヨイさんはポロポロと涙を溢して
「すみません…まだ実感がなくて…なんて言ったらいいかわからないですけど…本当にありがとうございました。これからシラカバ村を復興出来ます。」
とお礼を言ってくれた
「復興してまたこの砂漠のオアシスになるシラカバ村を楽しみにしています。元の姿に復興することは大変だと思いますが、応援しています。」
「私が復興するからには以前よりも住みやすい老若男女問わず快適に過ごせる村を目指して頑張ります。」
「それは楽しみです。」
「魔王を討伐する頃にはシラカバ村も復興させます。全ての戦いが終わった後、是非またこのシラカバ村に立ち寄ってください。今はお礼をするようなおもてなしは出来ませんが、いつか必ずこのご恩返させて頂きます。」
「お気遣いなく。俺達は勇者一行として当たり前の仕事をしたまでです。イザヨイさんから教えて頂いた防具のおかげで戦いが勝ちやすくなりました。こちらこそ感謝しています。ありがとうございます。」
「私は幻の防具の場所を教えただけに過ぎません。幻の防具リフレクションを手に入れたのはクーデル様の実力です。」
「そう言って頂けると嬉しく思います。ありがとうございます。」
「風のドラゴン討伐の証である証明書をお渡しします。馬車で2時間ほど先にコーク街という大きな街があります。コーク街のギルドで風のドラゴン討伐の報酬を受け取ってください。」
「わかりました。」
「明日には旅立てるようにこちらで準備致します。今日はゆっくりお休みください。」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて今日はゆっくりお休みさせてもらいます。」
俺達は休む為に屋敷へと帰ると玄関にコリンさんがいて
「おかえり!クーデル!ラン!本当に風のドラゴンを倒しちゃうなんてすごい!!砂嵐で助けたお子様達がこんなに凄い勇者一行だったなんてな!いやぁ私の功績もすごくない?」
とコリンさんがテンション高めにお出迎えをしてくれた
「その節は本当にありがとうございました。あの時、コリンさんに助けてもらわなかったら俺達は遭難して死んでましたから…」
「へへへー!そうだろう?これから先の冒険でたくさん話してくれよな!シラカバ村のコリンが命の恩人だと!!」
「そうですね。1番の恩人だと話しますよ。」
「勇者を助けた影の英雄なんつって!?
「本当にそうですよ。ありがとうございました。」
「こちらこそありがとう!風のドラゴンが討伐されてシラカバ村の湖がさっそく水が湧いて復活したんだよ!もう感動!!これで村の仲間達も帰ってこれるよ!」
「復興したシラカバ村を楽しみにしています。」
「クーデル!ちょっと来て!」
「なんですか?」
コリンさんは俺だけを呼んでこっそりと耳打ちをする
「これ。クーデルにあげるよ。」
とコリンさんがランに見えないようにこっそりと俺に銀を渡した
「いいのですか?こんな高価なもの…」
「いいって!シラカバ村の英雄様にはお礼しなくちゃいけないからな!」
「何故ランには秘密なのですか?」
「まだまだお子様だな。クーデル。」
「?」
「この銀を加工してシルバーリングを作るんだよ。ランへのプレゼントにぴったりだろう?」
「なっ!?」
「しっ!大きな声を出すな!彼女へのサプライズプレゼント!絶対に喜ぶに違いない!」
「彼女じゃないですよ!」
「そうなのか?じゃあこのシルバーリングを渡して告白だな!」
「えぇ…重くないですか?」
「アホ!シルバーリング渡されて喜ばない女なんかいないから!いつまでもヘタレていないでビシッと告白して男見せろよ!!」
「うっ…」
ヘタレて…ひどいよ…
痛い所を突かれてしまった
一度告白はしたけれど全然伝わらなかったし…
伝わるまで言うべきなのにそれが出来ていないのは
まさしく俺がヘタレだからだ
シルバーリングがあれば決意を固めてもう一度告白出来るだろうか
真剣に愛を込めて
「いつまで内緒話してるの?気分悪いんだけど。」
とランが言う
「ごめんごめん!クーデルは勇者としては優秀かもしれないけれど、恋愛は奥手で下手っぴだからアドバイスしてたんだよ!」
とコリンさんはあっけらかんと言った
好きな女の前でそんなかっこ悪いことを堂々と言うなよ
恥ずかしい
「ふーん。どうでもいいわ。そんなこと。私は疲れたから部屋に帰る。」
と言ってランは寝室へと向かった
「俺も寝室で休むよ。素敵な物をありがとう。コリンさん。」
「愛の告白絶対成功させろよ!」
「が…頑張ります…」
愛の告白か
ドラゴン討伐よりも緊張するよ
俺達は寝室へ移動すると寝室にはスイさんがいた
「シラカバ村を救った勇者一行がご帰還されたのですね。」
とスイさんが言う
「無事に風のドラゴンを討伐出来てよかったです。スイさんが砂の洞窟についてきてくれたおかげですよ。」
「私は何もしてないけどね。」
「道案内してくれたじゃないですか。」
「砂嵐の中道案内してくれたことが1番大事ですから。」
「ふふ。そうかもね。ドラゴン討伐お疲れ様。明日もう旅立つの?」
「準備が間に合えば明日に立ちます。」
「そう。会えて光栄だったわ。勇者クーデル。魔法使いラン。」
そう言ってスイさんはにっこりと微笑んだ
「最後に少しだけランに聞いてもいいかしら?」
とスイさんはランに尋ねる
「何?」
とランは答える
「どうして魔法使いチャイナは私達、魔法使い仲間じゃなくて孫であるランに魔物化した後の封印を頼んだのか知ってる?」
「知らない。」
「どうしてかは推測出来る?」
「…。」
「ある程度推測出来ていそうね。教えてはくれない?」
「あくまで推測でしかない。」
「推測でいいから。」
「答えたくない。」
「そう。わかったわ。私はシラカバ村の復興がある程度手伝えたらまた魔法使い仲間達と暮らして過ごそうと思っているの。魔法使いチャイナの故郷でね。」
「おばあちゃんに会ったことがあるの?」
「えぇ。偉大な魔法使いだったわ。貴方を育てると消息不明になったことが惜しい存在だったわよ。」
「へぇ。ずっとおばあちゃんは田舎村で孤独に生きてると思っていたわ。」
「魔王を討伐した後、世界が平和になったら魔法使いチャイナと一緒にランも魔法使いの故郷で暮らさない?仲間がたくさんいるからきっと楽しいと思うわよ。」
「いや。いいや。私は馴染めないと思うし。」
「そんなことないわよ。ランもみんな受け入れてくれると思うわよ。」
「馴れ合うことは苦手なの。1人が気楽だから私は行かない。おばあちゃんは故郷に帰るかもしれないけどね。」
「ランが説得してくれない?魔法使いチャイナが故郷に帰るように。」
「なんで私が。知らないわよ。そんなの。おばあちゃんの好きにさせたらいいじゃん。老後でほとんど生きられないんだから。」
「残り少ない人生だからこそ次世代の魔法使いを師事して欲しいのよ。」
「そっちの都合なんて知らないわよ。それはおばあちゃんが決めることだから。」
「…そうよね。わかった。」
「じゃあ寝る。おやすみ。」
そう言ってランはベッドに寝転んだ
「クーデル様。これは私の独り言ですが。」
とスイさんが言う
「あまりランを信用しない方がいいですよ。」
とスイさんは確かにそう言った
忠告するように鋭い目で




