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君だけの勇者様  作者: ama
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第37話 コーク街

俺達は翌日にシラカバ村を出て、コーク街までやってきた

レアジーニャ城も大都心だったけれど

コーク街も負けず劣らず大都心だ

長時間馬車に揺られてヘトヘトなのですぐに宿探しをしたが

「どこも満室…」

コーク街でもうすぐ1番大きなお祭りがあるそうで

観光客がたくさん泊まっているので宿が空いてないようだ

「もう最悪!!やっとお風呂に入ってふかふかのベッドで寝れると思ったのに!!」

とランが疲れて休めないことに怒りが爆発している

俺も正直ここで宿で休めないのは心労が蓄積して余裕がなくなってくる

「どこか空いている宿知りませんか?」

と宿の人に聞くと

「普通の宿は全部埋まってるよ。どうしても泊まりたいなら高級宿のスイートルームとかじゃないと無理そうだよ。」

「えぇ…一泊どれぐらいお金かかりますか?」

「2人で泊まるなら一泊10万ぐらいはすると思うよ。」

「ひぇ…」

「高すぎ!ぼったくりすぎ!!」

「ここから別の街ってどれぐらい時間かかりますか?」

「当日宿で泊まるってなると馬車で1時間ぐらいかけないとないと思うよ。」

「ここからまた1時間…」

「遠すぎ!!」

俺達は意気消沈して宿から出た

「どうする?ラン。」

「もう移動はしたくない…宿で寝たかったけどここで野宿でいい…」

「ここで野宿は危なすぎるよ。」

「だってもうヘトヘト。疲れたもん…」

その気持ちはわかる砂漠の中馬車に2時間揺られて移動はきつかった

「とりあえずギルドで風のドラゴンの報酬を貰おう。」

「うん…」

俺達は足取り重くギルドへと向かう

ギルドの受付で

「すみません。これお願いします。」

と風のドラゴン討伐証明書を提出する

「これは…!!貴方方が風のドラゴンを討伐されたのですか?」

「はい。」

そういうとギルド内がざわついた

「凄いですね。数々の冒険者達が挑んで行方不明になったドラゴン討伐の中でも鬼門だと言われていたのに。」

「そうだったのですか。個人的には炎のドラゴンの方が苦戦しましたが…」

「炎のドラゴンも倒したのですか!?」

「はい。」

「すごい…お強いんですね。」

「俺は普通です。仲間のランがとても強い魔法使いなので。彼女のおかげです。」

「でも光魔法を使えるのでしょう?」

「まぁ…」

「素晴らしいです!光魔法は選ばれし勇者の証ですから!!」

「どうもありがとう…」

疲れ切って対応が適当になってしまっている

そんなことはどうでもいいから早く成功報酬が欲しい

「はい!こちら風のドラゴン討伐の報酬になります!」

と差し出されたお金は思っていたよりたくさんあった

これだけ貰えたし、今日1日ぐらいは贅沢して高級宿に泊まろうかな…

俺達はギルドから出て行こうとすると

「ちょっと待って!」

と俺と同じ歳ぐらいの女の子に呼び止められた

「何か?」

「ねぇ!風のドラゴンも炎のドラゴンも倒したって本当!?」

「そうだよ。」

「すごーーーい!すっごく強いんだね!!ねぇねぇ私の名前はジェシカ!僧侶としてパーティの回復役が出来るの!私もパーティに入れてくれない?」

とジェシカは食い気味に俺に詰め寄る

それにランが間に入って

「無理無理。あんたみたいなお子様なんて足手纏いになるに決まってるんだから。」

とランが言う

「後方支援なら足手纏いにならないわよ!」

「なるわよ。せめて自分の身は自分で守れるぐらい強くないと話にならないわ。私達はこれから魔王を倒すのよ。貴方本当についてこれるの?」

「う…」

「ほら。絶対無理無理!!ただのミーハーで勇者様に近づいてるのが見え見え。さっさと散りなさい!!」

「ゔーーーー。魔王は無理かもしれないけど、A級モンスター討伐ぐらいなら役にたつもん!!」

「そんな雑魚相手なんかしないわよ!私達はお遊びパーティじゃないの!」

「あの…せめてお名前だけでも教えて頂けませんか?」

「しつこい!ミーハー女!!」

「何よ!名前ぐらい別にいいじゃん!!」

「一生関わることない女になんで名前を教えないといけないのよ!!」

「ひどーーーーい!!私が未来のお嫁さんになるかもしれないのに!!」

「こいつ…!!なんて図々しいの!!絶対に関わらない方がいいわよ!!勇者様!!」

「俺の名前はクーデルだよ。」

「クーデル様♡素敵な名前ですね♡」

「ちょっと勇者様!!こんな女の味方をするの!?」

「名前ぐらい別にいいじゃないか。」

「そうやって隙を見せるから変な女に捕まって痛い目に遭うのよ!!」

名前を教えただけなのにひどい言われようだ

でも女の子にちやほやされるのは気分がいい

俺も一応男の子だから

「クーデル様!困ったことがあったら私に相談してください!私助けになるように頑張りますから!!」

とジェシカは言うので

「今日泊まる宿がなくて困っているんだ。どこか穴場の宿はないかい?」

「えっ!じゃあ私の家に泊まりますか?」

「ジェシカの家に?」

「はい!空いてる部屋があるので!是非来てください!!」

「いやさすがに知らない人の家に泊まるのは…」

「もう知り合いじゃないですか!私達ベストフレンド!!」

「今少し会話しただけなのに…」

「ゆっくり休めるようにしてあげるから!来て来て!!」

と俺の手をぐいぐいジェシカが引っ張る

「ちょっと…」

と俺が言うのと同時にジェシカの手をパシンとランが叩いて繋いで手を引き離した

「絶対だめ。」

「何よ!ちゃんと休まないとダメでしょう?ベットを用意するって言ってんだからいいことでしょう?」

「私が行く。」

「は?え?な…なんで?」

「私がお前の家に行くから勇者様は高級宿に泊まって。こんな胡散臭い女の家は泊まったらだめ。」

「やだー!魔法使いだけ泊まるなんて絶対嫌!!」

「うるさい!困ってたら助かるって言ってただろうが!!」

「クーデルだけだもん!!」

「アバズレ女!!」

「ア…アバズレ!?」

「いいから早く案内しなさい。私が泊まるから。」

「えーん!本気なのー?」

「当たり前だバカ。勇者様の役に立ちたいなら言うこと聞け。」

「うぅ…クーデル様と一緒がよかったのに…」

そう言って俺達はジェシカの家に向かう

「ねぇ。ラン。本当にジェシカの家に泊まるつもり?」

「ええ。」

「知らない人の家に1人で泊まるなんて危ないよ。高級宿に2人で今日は泊まろうよ。」

「お金は大事でしょう?大丈夫よ。こいつが何かしても私が負けるわけないし。」

「それはそうだけど…」

「使える駒は使わないとね。」

そう言ってランはジェシカの家に入って行った

不安だ…

大丈夫だろうか…



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