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君だけの勇者様  作者: ama
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第30話 砂漠

見切り発車で冒険するべきではなかったと心の底から後悔している

「凄い砂嵐だね。何も見えないや。」

のランが言う

「どうやってこの砂漠を抜けたらいいんだ…」

砂漠まで乗せてくれた馬車もこれ以上先には迷子になって遭難してしまうから乗せられないと断られてしまった

砂漠地帯にいる風のドラゴン討伐をしたいのだが、リービル国には風のドラゴン討伐のクエストがない

風のドラゴン討伐のクエスト依頼を受けてから倒しに行かないといけないのだが

この砂漠を抜けた先にしか風のドラゴンを討伐する依頼が出来るギルドがないようだ

広大な砂漠地帯を田舎者2名が迷わず歩いて移動出来るわけもなく途方に暮れていた

「どうやって砂漠地帯を抜けたらいいんだよ…このままじゃ遭難して死んでしまう。リービル国で砂漠を渡る方法を情報収集してからまた来た方が良さそうだ。」

「えぇー?二度手間じゃない?」

「二度手間でも遭難して死んでしまうよりはマシだろう?」

「方角はわかっているのでしょう?」

「一応北に進むと砂漠を抜けた先に村があるはずだけど。」

ランは荷物からコンパスを取り出して

「ほら。北ならこれでわかるでしょう?」

「でもこの砂嵐でコンパスの磁石が狂う可能性だってあるだろう?安全に砂漠を渡る方法がきっとあるはず…」

「そうね。一応安全に渡る方法はあるけれど。」

「え?あるのかい?」

ランは大鎌を構える

大鎌の魔法石が大きな光を放ち

「わっ!」

俺とランはランの風魔法で砂漠の空を飛んでいる

「す…すごい!ランはこんなことも出来たんだな!」

「ちょっと…待って…やっぱり無理かも!!」

「え!?ラン!?」

砂漠の空を3分ぐらい飛んだが

その後は風魔法が安定しないのか、フラフラと蛇行し始めた

「ううぅ…ごめん!!これ以上は無理ー!!」

と言ってランは風魔法を解いて

「うわああああああああああああああ!!」

俺とランは砂漠の嵐の中に落ちてしまった

落ちたけれど、怪我はしないようにランは最後の力を振り絞って着地はさせてくれた

「はぁはぁ…。嵐の中で風魔法を操るのがこんなに大変なんて…」

「これだけ大きな砂嵐なんだ。仕方ないよ。」

「うわっ。喋ったら口に砂が入ってくる!!」

「砂が目に入るから目も開けられないよ…」

ランは土魔法で砂のかまくらを作り、俺達は1時的にそこに避難した

「失敗しちゃった。ごめんなさい。勇者様。」

ランはシュンとして落ち込んでいる

「気にするな。誰にでも失敗はある。」

「でもこのまま遭難したら死んじゃうかもしれない…」

「コンパスはまだあるだろう?」

「うん…」

「かまくらが作れるなら少しずつ移動して休んでいける。大丈夫。遭難することはないさ。」

「それって砂漠を抜けるにはどれぐらいかかるの?」

「5日間ぐらいでいけるよ。」

「そんなに!?」

「確実にコンパスを目指して渡るならそれがいい。急がば回れだよ。」

「やだー!5日間もこんな砂漠にいるなんて死んじゃう!」

「大丈夫だよ。食料とお水は5日間ぐらいなら何とかなる。」

「やっぱりこんなところ一瞬でもいたくない!喋ると口に砂が入ってジャリジャリになるし、目を開けると砂が入って痛いし、私の大事な髪の毛だって砂だらけでごわごわになっちゃうし!やっぱり早く抜けよう!!」

「また風魔法でいくのか?危ないから確実に行った方が…」

「風魔法は調整ができなかったけど、土魔法なら得意だから大丈夫!!」

そう言うとランは大きな岩を作り出し

「この岩の上に乗って、岩を転がしながら行くわよ!!」

と言った

「ちょっと待って普通に考えてさっきより危険じゃ…」

岩の上からランはゴロゴロと転がして砂漠を進む

岩は風に乗って意外と早く進んでいくが…

「全然北方向に調整できない!風に流される!!」

「当たり前だ!早く岩から降ろせ!!」

ランは岩を消失させて俺達はまた砂漠のど真ん中に転がった

「もういや!!砂漠なんて大嫌い!!」

「ラン落ち着け!本当に遭難するぞ!!今日は一度、かまくらで過ごしてまた明日から頑張ろう。な?」

「ひっく…ひっく…涙も砂混じりで汚いよぉ。早くお風呂で綺麗になりたいよぉ!!」

「わかった!わかった!5日間じゃなくてもっと早く砂漠を抜ける方法を探すから落ち着け!!」

「うわああああああああああん!!」

ランは再び砂のかまくらを作ってくれて俺達はその中に避難する

「また明日から頑張ろう。今日はゆっくり休むよ。今までの冒険がうまくいきすぎていたんだ。失敗なんて当たり前だよ。だからラン。泣かないで。」

「うっ…うっ…勇者様ああああああ!!私、こんなところもういたくないよぉ!!」

「わかってるよ。早く抜け出す方法があるはずだ。考えおくから。ね?」

「うん…わかった…」

「ラン。コンパスを貸してくれないか?」

「…あれ?」

ランはバックやポケットを探すが

「ない。」

「え?」

「さっき岩から転げ落ちた時にたぶん落としちゃったんだと思う…」

「…。」

「う…うわああああああああああああん!!ここで死んじゃうんだああああああああああ!!」

「落ち着いて!大丈夫だから!!」

「でも方角もわかんなくなっちゃったよおおおおおおおおお!!」

「一応遭難した用に助けを求める花火があるから…

俺は花火を打ち上げる

「誰か気づいてくれるといいけど…」

「早く助けて…もうこんなところやだよお!!」

「砂漠が嫌いなことはわかったから。花火も打ち上げたし、今日はこのかまくらで避難しよう。」

「私達遭難しちゃったの?」

「…まぁ。おそらく。」

「うわああああああん!!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!私のせいでええええええ!!」

「とりあえず寝よう?ね?」

「うん…わかった…」

ランを宥めて寝かせる

しかし状況はかなりまずい

花火に気が付いて誰かが来てくれるといいけれど…

風のドラゴンの生息地である砂漠のど真ん中なんて誰も気づいてくれなさそうだし、

花火もこの砂嵐で遠くまで見えているかどうか…

とにかく今日は休もう

遭難してしまったことは仕方がない

また明日から考えるとするか

そう思って俺もランの隣で眠りにつこうとすると



「ギャアアアアアアアアアアアアア!!!」



と大きな声が聞こえた

俺が外を確認すると

「風のドラゴン…」

花火に気が付いて人が助けにくるのではなく、風のドラゴンが来てしまった

まずい…

風のドラゴンの生息地なのだから絶対に警戒しなければいけなかったのに!!

「ラン!!起きて!!風のドラゴンが襲ってきた!逃げるぞ!!」

ランは飛び起きて大鎌を構える

「ここで会ったが100年目!!殺してやる!!」

「ダメだ!何も対策していない!一度引くぞ!!」

「大丈夫よ!弱点ならわかってるんだから!!」

と言ってランは大雨を降らせる

風のドラゴンは雨が苦手なのか嫌がって逃げようとしている

「逃すか!!ほら!勇者様トドメさして!!」

「風に乗って猛スピードで逃げているから無理だよ!」

「チッ。逃げ足の早いドラゴンね。ドラゴンのくせにヘタレなんだから!!」

「雨嫌いなんだね。風のドラゴン。」

「こんな砂嵐の場所に好んで住んでいるんだもの。絶対雨は弱点だと思ったのよ。」

「なるほど。ランは凄いな。」

「そ…そう?ありがとう…」

と照れてランは言う

可愛い


「おーーーい!大丈夫か!?」

と人が話しかけてきた

「すみません!遭難してしまって!」

と俺は助けを求める

親切な人コリンが大雨に気づいてくれた

俺達はコリンの馬車で砂漠の中を安全に渡り

目的の土地シラカバ村へと辿り着いた

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