第29話 告白
次の日になり、俺はランが起きる前に冒険者ギルドに行く
気持ちがぐちゃぐちゃになりすぎていて
ランとどうやって話していいかもわからなくなっていた
「生気が抜かれたような顔してどうした?クーデル。」
とシグルさんが話しかけてきた
「失恋…してしまって…」
「え?ランちゃんに振られたのか?」
「そうです…」
「そりゃまぁ…ご愁傷様だな。ランは可愛いけれど、我儘すぎるから今度はもっとお淑やかな女を好きになるといいよ。クーデルに合うんじゃないか?」
「無理だよ…俺にはランしかいないのに…」
「そんなことないっていい女はたくさんいるぞ?」
「いい女はたくさんいるけど、俺はランが好きでランがいいんだああああああああああ!!」
「ちょっと…落ち着けって!」
「うわああああああああああああああん!!」
「わかった!わかった!クーデルにはランしかいないんだな!じゃあ好きになってもらうように頑張ればいい!!」
「どうやって…?」
「そりゃ強い男がいいだろう。強くなるんだ!クーデル!!」
「強い男…」
強くなればランは俺のことを好きになってくれるだろうか
モンスターを倒せば勇者様かっこいいと言ってくれているが…
強くなるだけでランは俺を好きになってくれるだろうか
カイトぐらい強くなれたら
俺も自分に自信が持てるだろうか
強く強くなりたい
ランに相応しい男だと自分で誇れるぐらいに
「シグルさん。ありがとうございます。俺はもっと強くなってランに告白してみます。」
「おう!頑張れよ!クーデル!」
シグルさんにお礼を言って俺はランがまだ寝ている部屋に戻った
朝の10時になり、ランが起きる
「おはよう。ラン。」
「ふぁぁ。おはよう勇者様。」
「今日も修行しようと思うんだけど、リービル国にはスライムさえいなくなってしまってね。モンスター討伐が出来なくなってしまったからどうしようかと思って…」
「じゃあもうリービル国を出ましょうか。」
「…え?いいの?」
「だってリービル国にいても修行にならないじゃない。」
「ランは?ランはリービル国でずっと熱心に修行していたじゃないか。リービル国を離れてもいいの?」
「私の修行は別にこの国にこだわらなくてもどこでも出来るから。問題ないわ。」
「カーラは…」
「勇者様がなんでカーラのことを知ってるの?」
まずい。口が滑ってしまった
「旗に名前があったから…仲良くしていた女の子がカーラなんだろう?」
「あの旗名前なんて入ってたんだ。まぁ仲良くはしてたけど、仲良しこよしで冒険してるわけじゃないから。私は魔王を倒さなければいけない。世界が平和になったらまた遊びに来るからいいのよ。」
「別れ難くないの?寂しくならない?」
ランは笑顔でにっこり笑って言う
「ぜーんぜん!勇者様と一緒だもん!!勇者様と魔王をぶっ殺してまた来ればいいだけ!!」
「そんな簡単に倒せないから今度いつ会えるかわからないよ?」
「ふん!大鎌使いになった私には完全無欠!魔王なんてさっさと殺して、お婆ちゃんを助けてリービル国にもすぐ帰ってきてみせるわよ!!」
「強いね。ランは。」
「当たり前でしょう?じゃあ行きましょうか。別の国へ。」
「別れの挨拶とかしないの?」
「そういう湿っぽいの苦手なの。また会えるからいいのよ。」
「そう…」
俺達はリービル国を出発して砂漠にいるドラゴンを討伐することにした
「ちょっと待ってて。俺はお世話になった人に挨拶してくるよ。」
「ええ?いいじゃんそんなの。どうせもう会うことないんだし。」
「もう会えないかもしれないからこそ別れの挨拶は必要なんだよ。」
「はいはい。わかったから。馬車の手配をしてあげるからその間に別れの挨拶をしてきな。」
「ありがとう。ラン。」
俺は走って最後の挨拶に行く
俺はカーラの家にまた来て別れを告げようと走った
カーラの家について
「こんにちは!カーラさん!」
と家の中にいたカーラを呼び出した
カーラは玄関から出てきて俺の前に立つ
「勇者様どうされました?まだ何か用事が?」
「お別れの挨拶を」
「もう旅立つの?」
「はい。ランも今日中に出て行きます。今までお世話になりました。」
「フフッ。とても嬉しそうね。またランを独占出来ることがそんなに嬉しい?」
「はい。嬉しいです。」
「本当に素直ね。煽りがいのない人だわ。」
「ランがいなくなるの寂しくないんですか?」
「寂しいわよ。でもまたきっと会いにきてくれる。だから平気よ。」
「いつになるかわかりませんよ。魔王討伐なんで何年かかるかわからない。」
「それでも信じてまってます。また会いに来てとランに伝言してください。」
「わかりました。」
離れていても信頼し合っているランとカーラに嫉妬している
敵う気がしなくて目眩がする
「1つ聞いてもいいかな?」
「なんでしょうか。」
「ランに好きになって貰うにはどうすればいい?」
「もう好かれてるじゃないですか。」
「そうじゃなくて!もっと男として魅力的だと感じて欲しいんだ!!」
「うーん…好きだって言ってみたら?」
「本当にそれで好きになってくれるのか!?」
「たぶんね。」
「ありがとう!カーラ!さようなら!!」
「はい。さようなら。」
俺は走ってランの元に戻る
「あ。勇者様ー!馬車手配出来たよ!すぐ乗れるよ!!」
「ラン。大好きだよ。」
とアドバイス通りに好きだと伝えてみた
「誰の入れ知恵かしらないけど、しょーもないこと言ってないで早く行くわよ。」
全然ダメじゃないか
カーラの嘘つき
俺とランは馬車に乗り込みリービル国を去った
強くなってからもう一度告白してみよう
ランの隣にいるのは俺でありたい




