第19話 リービル国
2ヶ月かけてやっと国境を越えることが出来た。
リービル国。
目の前に海がよく見える。
とても綺麗な国だった。
「凄い!!海って私初めて見た!!」
「俺も!!」
俺もランも初めて見る海の美しさにはしゃいでいた。
「めちゃくちゃ綺麗!!青い!!」
「海サイコー!!」
リービル国の人々は田舎者がやってきたという冷ややかな目で俺達を見るが気にしない。
こんな広大で綺麗な海が目の前にあるのだから!
「勇者様って泳げるの?」
「もちろん。ランは?」
「一応ね。」
ハーデス村にも湖があり、子供達はみんな泳いで遊んでいた。
ランが湖で泳いでいる姿を見たことはなかったけど。
「ハーデス村の湖でランが泳いでいるのを見たことないけど?」
「私は水魔法を使って自分で池を作って泳いでたから。」
「一人で?」
「うん。」
「なんで?」
「なんでって…。泳ぐのはおまけで魔法の練習だったから。」
「じゃあ今日は一緒に泳ごうよ!」
「いいわね。でもまず宿とギルドを探さないと。」
「早く見つけて泳ぐぞ!」
「うん。」
俺達はいつものように安い宿の一部屋を借りる。
そしてギルドでドラゴン討伐の申し込みをして海へ向かった。
「服で泳げないの?」
「水着を買って泳ぐルールがあるんだって。」
「水着?そんなものがあるのね。」
「泳ぐ為の服らしいよ。」
俺達は水着屋に行く。
「何これ!?下着じゃない!!」
「これだけの布で泳ぐのか?」
周りを見るとみんなこの少ない布切れの服を着ている。
「ここの国の人達恥ずかしくないのかな?」
「文化が違うんだよ。」
「これ着るのはちょっと…。私恥ずかしくて無理。」
「え!泳がないつもり!?」
「だって…こんなの着れないよ…。」
「大丈夫だって!海の中入ってたら見えないし!」
「まぁ確かに…。」
「なぁせっかく海に入れるんだから水着着て泳ごうぜ!」
「わかった…。」
ランは渋々だが、海に一緒に入ってくれることになった。
水着を選ぶ時に店員が勧めた水着が余りにも布切れのようなもので店員とランは信じられない!こんなの着て外歩けるわけないじゃない!と喧嘩していた。
店員も他の水着をオススメすればいいのに貴方の体は絶対これが一番似合うから!!と一点張りで譲らなかった。
ランが根負けをして店員オススメの水着を購入していた。
ランが言い合いで負けるなんて初めて見た。
それほど店員の熱量が凄かった。
一人だけではなく、三人ぐらいに説得されながら買ってたからな…。
俺は緑色の普通の海パンを買った。
ランは購入した水着を試着室で着てから出てこない。
「ラン?着替え終わった?」
「やっぱりやだ!他の水着にする!!」
俺は試着室のカーテンを空ける。
ランは水着に着替えおり、白のビキニを着ていた。
十四歳にしては発育のよいおっぱいが露に出ていた。最高だ。
ずっとこの水着で旅して欲しい。
「めっちゃくちゃ可愛いよ!すげぇ似合ってる!!」
「キャーーーーーー!!!」
ランは顔を真っ赤にして恥じらい、俺に雷魔法を放った。
「うびびびびびびびびびび!」
俺は感電する。
ランが俺に魔法で攻撃したのは初めてだった。
「信じられない!試着室のカーテンを勝手に開けるなんて!バカ!変態!!」
「着替え終わってるのに出てこないからだろう!十五分も出てこない方が悪い!!」
「心の準備が必要だったの!こんな裸みたいな姿見られるの恥ずかしいのに!」
「大事な所は隠れてるから大丈夫!恥ずかしくないよ!」
「全然隠れてない!だって…こんなに胸出てるし…。」
「ここの国では普通なんだ!」
「私はハーデス村の田舎娘だから無理!やっぱり海なんて泳がない!」
「もう購入したんだろう?もったいないじゃないか!」
「こんな裸で外歩けない!」
「じゃあ海に入る直前まで上に服を着よう。それでいいだろう?」
「……わかった。」
ランは上に服を着て海まで歩く。
水着屋から海まではすぐ近くだったから歩いてすぐに海に着いた。
「じゃあラン服脱ごっか。」
「あっち向いてて!こっち見ないで!!」
「わかったから…。」
俺はランに背を向けて見えないようにする。
ランが服を脱いでいるようだ。
俺はもう一度見たかったので約束を破りランの方を向く。
「ちょっと!見ないでって言ったのに!!」
顔を真っ赤にして必死に自分の胸を隠している。
薄々気づいていたけど、ランの体はめちゃくちゃエロい。
どこがってもちろんおっぱいが。
俺は思わずランのおっぱいを触る。
柔らかい。
最高だ。
ランは魔法で蔦を伸ばし俺の首を絞める。
「信じられない!勇者様の変態!!」
「鍵よ!俺に力を!」
俺は鍵の剣を取りだし、ランの魔法の蔦を切る。
「男はみんな変態なんだ!こんなの普通だろう?」
「普通なわけないだろうが!この変態勇者が!!死ね!!」
「あぁ。おっぱいが揺れてエロいことになってるよ。ランは最高に可愛いね。」
ランはプルプルと怒りで震えている。
でも可愛い。
今のランは世界で一番何をしていても可愛い。
ランは蔦で俺を捕らえようと攻撃してくるが、俺は蔦を全て切って反撃をする。
「あ。」
蔦の量が多く、俺の足は蔦に捕まってしまった。
ランは蔦で俺を海に投げ捨てた。
ザッパーンと音を立てて俺は海に落ちた。
「あーはっはっはっ!!私に勝とうだなんて100億光年早いわよ!」
俺はブクブクと海の中を沈む。
海の中は水面がキラキラと光り最高に綺麗だった。
「おい!ラン!めちゃくちゃ綺麗だぞ!早く一緒に泳ごう!」
「言われなくても!」
ランは風魔法で少し自分を浮かし、俺の元まで飛んできてそのまま海にザッパーンと入った。
二人で海を泳ぐ。
海は綺麗だけれどランが世界で一番綺麗だった。
人生で一番綺麗だった。
俺達は満足して海から上がり、宿へ帰る。
シャワーを浴びて寝ようとベッドでランを待つ。
ランもお風呂が終わったようだ。
「今日から寝る所は別々だから。」
「は!?なんで?」
「なんで?勇者様今日の出来事忘れたの?あんなことされて一緒に寝れるわけないじゃない!」
「ちょっとした水着ジョークだよ?」
「全然面白くない!!」
「毎日一緒のベッドで寝ていたじゃないか!」
「今日で信用を無くしました。」
「ランだって一緒に寝るの好きだっただろう?心地よくて幸せな気分になれるって!」
「昨日まではね。私の胸を触る変態とは一緒に寝れません。」
「水着が!エロすぎたんだ!!ちょっと魔が差したんだ!許してくれ!!」
「もう二度と触らない?」
「いやそれは…」
「ほら!また触るつもりじゃん!!」
「おっぱいは触りたいよ!でもベッドでは絶対触らない!約束する!!だからいつも通り一緒に寝よう?」
「勇者様のえっち!そんなの信じれるわけないじゃん!」
「命掛ける!ベッドでは胸を触りません!」
「………わかった。」
そう言ってランはベッドの中に入って来てくれた。
可愛い。
なんて可愛いやつなんだ。
俺はランの手を握るが、ランはぷいと反対側を向いてしまった。
「ランは世界で一番可愛いね。」
「そんなので機嫌よくなると思わないでよね。」
「そんなんじゃないよ。俺の本心。」
「……ほんと最低だよね。勇者様。」
その声色はどこか優しくて切なげだった。




