第17話 ビジネスパートナー
俺達は次にドラゴンがいるリービル国へ出発することになった。
リービル国にはこことは別の冒険者ギルドがあり、ここの国にはもう帰ってくる必要がなくなる。
俺達は国境を超えて別の国へと旅立つことにしたのだ。
「クーデル!ランちゃん!」
「タクト。」
「もう出発するのか?勇者一行は忙しいなぁ。もう少しここで休んでから行けばいいのに。」
「この街人がたくさんいて疲れるんだもの。しかも知らない人達からめちゃくちゃ声掛けられるし。握手してくださいとかサインしてくださいとか…。休まらないわよ。この街。」
「もうすっかり有名人だからなー。クーデルをちんちくりんにしてた自分が恥ずかしいよ。」
「やっと気づいたのね。自分の愚行を!」
「あぁ。恥ずかしいよ。」
「勇者様が最強だって言ったでしょう?」
「うん。クーデルが最強の勇者だよ。」
「そんな…こんなの普通だよ…。」
「普通だって!」
「恐ろしいな。」
「えぇ…。」
「お前らにお祝いしてやるよ。何か欲しいもんはあるか?」
「あっ!飲み物のエキスパートのタクトに聞きたいことがあるんだけど。昨日飲んだシュワシュワの飲み物が何か知りたいの!」
「シュワシュワ?何色だった?」
「黄色!」
「うーん…。ジンジャエールかな?」
「それってどこに売ってる?」
「カフェに行く?」
「うん!」
俺達は前に行ったカフェに行く。
そしてジンジャエールを頼む。
「何これ!めっちゃ美味しい!でもこれじゃない!」
「違うのか?じゃあレモネードかな?」
「レモネードも飲むわよ!」
レモネードを注文して飲む。
「これだわ!これ!めちゃくちゃ美味しいの!これってどうやって作ってるの?」
「レモンを絞って、蜂蜜と炭酸水で割るんだよ。」
「凄い!物知りね!タクト!!」
「いやぁ。ランちゃんに褒めて貰って嬉しいよ。他にも何でも教えてあげるよ。大人の恋とか。」
「じゃあキスしてよ。」
ブーーーーーっとタクトは飲み物を吹き出す。
「ラ、ランちゃん…えっキスしてくれるの?俺と??」
「冗談に決まってるでしょ。」
「そ、そうだよな…。貞操概念低そうだからワンチャンいけると思ってしまったよ…。」
「ラン…そういう男を誑かすような冗談はやめた方がいいよ。」
「タクトから誘ってきたのに…。私が怒られるの?」
「タクトもランを揶揄うのはやめろ。」
「わかったよ…。ランちゃん男は狼だから気をつけてね。」
「それおばあちゃんも言ってた。男は狼だって。どう言う意味なの?」
「男はね。女の子の胸とかお尻とか唇に触れたいと思ってる野蛮な狼なんだ。気をつけないとダメだよ。」
「勇者様はそんなことしないけど?」
「勇者様もある日突然狼に変身するかもよ?」
「俺はそんなことしないよ。余計なことを教えるなよ。タクト。」
「狼になるなんてタクトだけじゃないの?」
「ランちゃんのおばあちゃんも言ったたんだろう?男は狼だって。気をつけなさいって。」
「うん…。でも好きな人とはえっちなことしてもいいんでしょう?」
「えっ?まぁそうだけど…。」
「好きな人とはキスしてもいいんでしょう?」
そうだよ。」
「タクトは私とキスしたい?」
「めっちゃしたい。」
「私のこと好きなの?」
「愛してるよ。ランちゃん。」
「うーん。全然ドキドキしない。大人の恋って難しいね。」
「そ、そうか。教えて…あげたかった…。ランちゃんは勇者様に夢中だから勝ち目ないか…。」
「え?別に私勇者様のこと好きじゃないよ?」
「そうなの!?」
「嘘だろ!?こんなに毎日かっこいいって言ってくれてるのに!?」
「他の女に夢中な男に恋するわけないじゃん…。」
「そうなの!?」
「そんなこと関係なく俺のことが好きだと思ってたのに!!」
「良きビジネスパートナーだよ。勇者様は。」
「そんな事務的な関係だなんて聞きたくなかった!何てこった…。ランは俺以外の男はみんなゴミだと思ってると思っていたのに…。」
「他に好きな女がいるのに…クーデルってクズだったんだな…。」
「関係ないだろう!可愛い女の子にはモテたいだろうが!こんなの普通だろう!!」
「普通ではないんじゃないかな…。」
「タクトを引かせるなんて…勇者様も人間だったのね。」
「俺は普通の十四歳の男だ!」
「ランちゃん。恋を知ったらまた会いに来なよ。」
「どうして?」
「慰めてあげるから。」
それからタクトと別れの挨拶をして別れた。
最後に買い物をしてかこの街を出ることにした。
「これ。買わないの?」
ランがそう言って指刺したのはオルゴールだった。
「気に入ったけれど、旅の荷物になっちゃうからね。」
「これぐらいの小さな箱なら大丈夫じゃない?」
「壊れても嫌だからね。旅が終わったら買うよ。」
「そっか…。じゃあこれとかどう?」
「フルート?」
「うん。気分転換に吹くの。」
「いいね。楽しそう。」
俺達はフルートを一つ購入した。
「これ。ランにプレゼント。」
「可愛いお花。これ何?」
「髪飾りだよ。ランが可愛いって言ってただろう?」
「覚えててくれたの?」
「もちろん。」
「嬉しい。ありがとう。大事にするね。」
買い物も終えて、俺達はレアジーニャ城の街を出た。初めての街。
思い出の街。
旅が終わったらまた2人で観光に来たいな。
ランは人混みが嫌だから行きたくないとか言いそうだけど。




