第16話 パーティ
レアジーニャ城駅と到着し、俺達は降りる。
俺達が汽車を降りた瞬間に紙吹雪は舞い、ラッパが吹かれる。
「勇者一行の凱旋だー!」
「うおおおおおおおおおおおおお!」
たくさんの人々が俺達がドラゴン討伐に成功したことを知っているようだ。
俺達はあれよあれよと人に運ばれて馬車に乗せられる。
「勇者一行万歳!勇者一行万歳!!」
「ドラゴンを倒した英雄だ!!」
街の人々は俺達の姿を見るなり、大騒ぎで盛り上がっていた。
こんなに盛大にお祝いして貰えるとは思っていなくて戸惑って座っていた。
ランの方をチラッと見ると寝起きに騒がれて不機嫌になっていた。
それでもお祝いしているのに暴言を言うのはさすがに気が引けるのかギリギリと耐えている顔をしていた。2人とも無愛想だとまずいかなと思い、俺は笑顔で手を振ってみた。
「うおおおおおおおおおお!!勇者様がこっちをみたあああああ!!」
野太い声の俺のファン?なのか?
俺が手を振ると興奮している屈強な男がいた。
俺のファンってこんな人達ばかりなのかな…。
「クーデル!ランちゃーん!!おめでとうー!!」
そう大声で言って手を振るタクトの姿を見つける。
「タクト。ありがとう。」
「タクト!私達ドラゴン討伐したわよ!!私の勇者様は最強でしょう?」
「クーデルとランちゃんが最強の勇者パーティだああああ!!」
そうタクトが叫ぶと周りも
うおおおおおおおおおおおおおおお
と大盛り上がりを見せる。
ランが身を乗り出し、タクトに手を振る。
周り男達もランちゃん!ランちゃん!!とランに夢中になっていた。
タクトがランに手を振るとランは機嫌が良くなり、笑顔で手を振る。
「勇者様よかったね。ここの人達みんな勇者様のこと認めてくれたよ。」
「ランのおかげだよ。ランがいなければドラゴン討伐なんてできなかった。」
「フフフッ。私だけじゃスライム一匹も倒せないけどね。」
「でも二人なら魔王も倒せる。そうだろう?」
「うん!私の勇者様は最強ですから!!」
馬車は城に到着し、私達は王様の元へ案内される。
「炎のドラゴンを討伐してくれてありがとう。君達はこの国の誇りだよ。戦死した騎士達も報われる。本当にありがとう。今宵は宴を開く。どうか楽しんで欲しい。今日は城のVIPルームで泊まるといい。」
「ありがとうございます。」
俺達は、その後、謎の人々に囲まれてランと別々の部屋に案内される。
宴の準備をするらしい。
俺は風呂に入れられて、服を用意されて着替えさせられた。
恐ろしいほどかっこいい騎士服を用意されていた。
こんなの一般男子に似合うわけがないのに髪とメイクをされてそれなりの身なりになった。
城の使用人達は完璧だ!素晴らしい!かっこいいですよ!と褒めてくれた。
ありがとうございますとお礼を言うが恥ずかしい。
ランも準備が終わったと言われて、ランの部屋に移動する。
ランの部屋に入ると、ランは碧いドレスを着て、髪はいつもはおおきな三つ編みをしているが、髪をおろしてふわふわの髪の毛になっていた。
化粧もしていてとても美人になっていた。
いつも可愛くて美人なんだけど、何だかお姫様のような美人に変わっていた。
「凄い。お姫様みたいだね。ラン。」
「こんなことしなくていいって言ったのに…。」
「似合ってるよ。ラン。」
顔を真っ赤にしてランが照れる。
「前から思ってたけど、勇者様ってタラシだよね。」
「こんなの普通だよ。」
「言うと思った。」
「あ。」
「フフフッ。勇者様もかっこいいね。世界で一番勇者様がかっこいい。」
俺は顔を真っ赤にして照れる。
どっちがタラシなんだよ…。
殺し文句なんか俺は毎日言われてるのにさ。
「行こうか。宴に。」
「ねぇ。ヒールとかいう靴が歩けない。靴を替えたいんだけど。」
「替えてあげれますか?」
「ドレスにはヒールが一番映えますので…。少し頑張ってください。」
「融通きかないなぁ。ここの王様は。」
「まぁ今日しかこんな体験出来ないんだから…。」
「田舎娘が宴なんて出るもんじゃない…。」
「たまにはいいじゃないか。お手をどうぞお姫様。」
「しっかり守ってくださいね。勇者様。」
ランはにっこりと微笑んで手を握った。
「勇者一行のおなーりー!!」
俺達が扉から登場すると宴に参加している人々は大盛り上がりで歓迎してくれた。
俺達は主役席のような場所に座らされて宴を楽しんだ。
料理は見たことないようなお肉やお魚。
豪華な食事が次々と運ばれてきた。
料理はとても美味しくたくさん食べた。
ランもたくさんの料理が食べれて嬉しそうにしていた。
音楽が演奏されたり、ダンスを踊ったりして人々は宴を楽しんでいた。
ダンスを踊って欲しいと俺にもランにも誘いがあったが、田舎者にそんなものが踊れるわけもなく断った。ランがバルコニーに行きたいと言うので俺も一緒に付いていった。
「疲れた…。人混みってやっぱり私苦手…。」
「体調は大丈夫なの?」
「うん。お陰様でたくさん料理食べれたし、ただ気疲れしただけ。にこにこ愛想振り撒くなんて性に合ってないのよ。」
「普通に笑ってればいいんじゃないのか?」
「勇者様は得意よね。勇者様を嫌う人なんてこの世にいないんじゃないかというぐらい善人だからね。」
「こんなの普通だよ。」
「はいはい。私の勇者様は最強ですよ。」
「疲れてるだろう?これ飲んでみろよ。元気でるぞ。」
「何これ。」
「わかんないけどシュワシュワする飲み物だよ。美味しいんだ。」
ランは俺が持ってきた飲み物を飲む。
「すご〜い!何これ!美味しいね!」
「凄いだろう?」
「世の中私達の知らないことばっかりだね。」
「うん。これからも二人で一緒にこうして楽しめる旅がしたいな。」
「仲間は増やしたくないの?」
「うん。俺はランと2人がいい。ダメ?」
「いいに決まってるじゃん。2人揃えば最強だからね。早くおばあちゃんを助けてないとね。」
「俺はおばあちゃんじゃないよ。」
「え?」
「ずっとランを助ける為に旅してる。」
「フフフッ。そうだったね。可愛い女の子でよかったな。私。私より可愛い子が出てきたらこの勇者パーティ崩壊のピンチよね。」
「まさか!そんなことにはならないよ。俺にはランが必要なんだ。ランじゃないとダメなんだよ。」
「私より強い女の子なんていないし。」
「そうじゃない!ランだから。ランが特別だからなんだよ!」
「……あまりそう言うこと言わない方がいいよ。口説かれてるって思うよ?」
「え…。」
「勇者様はマリナが好きなんでしょう?勘違いするような発言は控えなよ。」
「そうじゃなくて…本当に…」
「わかってる。わかってるから。もうこの話はやめよう?」
わかってないよ。
絶対わかってない。
誰よりも特別なんだ。
俺にはランが必要なんだ。
宴は終わり、俺達はVIPルームで寝ることになった。部屋は二つ用意されていたので、今日は別々の部屋で寝ることになった。
いつも一緒に寝ていたからベットが広く感じるのを少し寂しく感じた。




