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日常で世界を変える(山里編)  作者: mei


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8月10日 セレクションスクール

 健太郎「1カ所バッティングか?」

 俺  「なんだろうな、あれ?」


 健太郎に言われるがまま、俺たちはお盆を利用してセレクションチームの見学に来ていたのだ。


 健太郎「凄い、いいボール投げるな」

 俺  「背も大きいし、大学生じゃないのか?」

 健太郎「でも、バッターは違うチームじゃないか?」


 たしかに、その可能性はある。みんなとユニフォームも少し違うし。投球練習を終えたピッチャーは、ショートに向かって、何か叫んでいた。何を言っているのだろうか?


 俺  「なんか、あのバッター見たことあるな」

 健太郎「えっ、そうなの?」

 俺  「ああ」


 俺の中では、どこか見たことのある構えだ。ただ、それが誰なのかはわからない。誰だろうか?ピッチャーは、セットポジションから第一球目を投げ込んだ。バッターは振らずに見送る。ストライク!!審判がコールしていく。


 健太郎「もしかしたら、昨日言っていたテストじゃねぇか?」

 俺  「それだったら、ありえるかもな」


 すると、木製バットの打球音とともに、打球はフラフラとセカンド後方へと飛んでいく。ライトは後ろ目に守っていたこともあり届かない。途中でセカンドも諦めてしまい、ポトリと落ちたのだった。


 健太郎「完全につまったな」

 俺  「あのピッチャー凄そうだな」


 ヒットを打ったバッターよりも軽々と投げているピッチャーの方に俺は興味をもってしまっていた。


 健太郎「まだ、続きそうだぞ?」

 俺  「ホントだな」

 健太郎「本当にテストなんだったら、3打席くらいあるんじゃないか?」


 ヒットを打たれたにも関わらず、ピッチャーはなんとも思っていないように見える。セカンドからボールをとり、再びセットポジションに入る。今度は緩い変化球を投げる。しかし、バッターは振らない。


 俺  「あれは、カーブか?」

 健太郎「たぶんな、甘そうだったけどな」

 俺  「あれは、完全に遊ばれてるな」


 すると、二球目はまたしても同じカーブだった。ゆっくりとボールは低めへと落ちていく。バッターは低めに対して上手くすくってバットに当てる。今度は、レフトの方向に飛んでいく。今度は先ほどのヒットとは異なり、ショートが追うことはしない。綺麗にショートとレフトの間に落ちヒットとなったのだった。あっ、まさかぁ。俺は、ヒットを打った後ろ姿から今年対戦した選手であることに気がついたのだった。

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