8月7日 第1クール(6日目)
俺 「じゃあ、横浜の場所は当日決めるのか?」
健太郎「ああ。まぁ、なんとかなるだろう」
俺 「相変わらずだな、お前は」
健太郎「そうか?それよりも昨日の試合、見たか?」
健太郎は、旅行のことよりも野球の方が気になるまたいだった。
俺 「あぁ、見たよ。群馬北の中川ヤバくなかったか?」
健太郎「150キロ連発してたよな」
俺たちは、昨日から始まった全国大会の試合について話をしていた。第一試合の群馬北高校vs曽根高校の試合では、群馬北高校のエース中川が9回無失点20奪三振で相手打線をねじ伏せたのだった。正直、あんなピッチング見せられたらなぁ。
俺 「あの試合見てたら、野球やりたくなるよな」
健太郎「わかる、道和高校も勝ったよな」
第四試合は、道和高校vs星学院高校。地元ということもあり、俺は道和高校がこの舞台でどんな結果を出すかとても楽しみで見ていた。この試合は、投手戦でなかなか点が入らない状態だったが、8回に道和高校の3番八乙女が8回に先制となるタイムリーヒットを打った1点を賀川、雪村、黒木の投手陣で守り切ったのだった。
俺 「今日も試合してるんだろ?」
健太郎「今日は、有秀高校が出ると思うぜ」
健太郎は、逐次試合展開を追っているようだった。大会2日目の第二試合は、優勝候補の有秀高校が登場する予定だった。エースの松戸、中継ぎの宇川中心の投手陣は、今年も安定している。打者陣は、4番のプロ注目の筒井を筆頭に、どこからでも点がとれるようなチームだ。
俺 「相変わらず、よくチェックしてるな」
健太郎「まぁ、野球好きだからな」
俺 「さすがだよ、お前は」
健太郎「そんなことねぇよ」
俺 「じゃあ、そろそろ時間だから行くわ」
そう言って、俺はゆっくりと勉強会が行われている第一ルームに向かった。受験が終わった後の人生は、いつも自分で取捨選択して生きていくんだろうな?そんなことを考えると、なんだか不思議な気持ちだな。誰と会うか、どんな勉強をするか、どんなモノを食べるかまで全部決めれる。ただ、それと同時に失っていくものもあるんだろうな。みんなそれぞれの道に進むから過去の人やモノとは今と同じようには関われなくなるだろうな。そうなると、今と同じではなくなる。それを俺がどのように受け取るのだろうか?その時、初めて自分がどっちの方が向いてるかがわかる気がした。




