8月6日 第1クール(5日目)
お父さん「じゃあ、今日は行かないのか?」
俺 「たぶんね」
お父さん「今日は、久しぶりに野球でも見たらいいんじゃないか?」
俺 「今日からかぁ」
お父さんが言うように今日から、全国大会が始まったのだった。開幕初戦には、優勝候補の群馬北高校、第四試合目は俺たち長野県代表の道和高校が出場する日となっていた。俺たちがいる長野県は、聖徳高校を破った淮南高校、白峰工業高校、純新学園高校、道和高校がベスト4となった。淮南高校は白峰工業高校に8対11で敗れ、純新学園は道和高校は0対5で負けてしまう。そして、決勝戦は、5対3で道和高校が勝利し、この通り全国大会へとコマを進めたのだった。
お父さん「いきなり、群馬北かぁ」
俺 「凄いピッチャーいるんだよな」
お父さん「あぁ、中川かぁ」
俺 「そうそう」
明日は、決勝戦をかけて、それぞれがぶつかることになる。俺たちは、白峰高校戦。道和高校は、純新学園との一戦になる。やっぱり、野球してるのを見ると、俺もしたくなるなぁ。テレビの前に広がるのは緑豊かな芝生のグラウンドだった。1グラウンド整備が終わり、群馬北高校と曽根高校のスターティングメンバーが発表されていた。お父さんの言うように、プロ注目のエース中川は登板するのだろうか?やはり、全国大会優勝を狙うようなチームのエースはそう簡単に投げないだろうな。すると、スターティングメンバーに中川の名前がコールされた。投げるのか、初戦から。
お父さん「初戦から投げるのか、楽しみだな」
俺 「ああ」
後攻めの群馬北高校がグラウンドに散っていく。それぞれのポジションの選手が紹介され始める。プロ注目の中川は、セットポジションから投げるのか。
お父さん「なかなかいい球投げるな」
俺 「そうだな」
いくら凄いと言ってもそう簡単に抑えれるかはわからない。ピッチング練習が終わると始球式として、高校野球のテーマソングを歌う堀隆史がマウンドに上がった。どうやら、元高校球児らしいようだ。スタンドからは大歓声が上がった。堀は、始球式のボールを投げるとベンチ裏に引っ込む。再び中川が投球練習を再開した。そして、最後のボールを投げる。キャッチャーはセカンドに投げ、セカンドはそのボールをピッチャーに戻す。この夏の大会を始めるサイレンがグラウンドに鳴り響いた。
お父さん「野球やりたくならないのか?」
俺 「いや、なるよ」
お父さん「だったら、やったらいいんじゃないか?」
解説者は大きな声を出すと、テレビ画面はバックスクリーンへと写し変える。そして、そこには、「150km」と表示された。お父さんの一声で俺は進路を決めたのだった。




