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使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~  作者: チョコ大福


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48/53

第48話:統御の間の決戦、そして現れし超重量級要塞獣

登場人物

レイン・アークライト

主人公。アイゼンヴァルト家の鉄の掟と絶対防御を打ち破るため、仲間たちと共に最上階「統御の間」へと足を踏み入れた心優しき召喚師。

ファル

レインの相棒である小龍。白色の翼を身にまとい、統御の間に渦巻く重苦しい魔導の気配を鋭く見据える。

フェリル

第弐位階(成長期)へと進化したウルフ。要塞の核心部から放たれる凄まじい重力圧力を高速の反射神経で耐え抜く。

ポルカ

第弐位階(成長期)へと進化したゴーストのマスコット。当主が放つ圧倒的な魔導波を防ぐため、多層反転障壁を維持する。

シルビア・ローゼンベルク

エリート召喚師。アイゼンヴァルト家当主の圧倒的な魔導回路を分析し、パーティの防衛戦術を指揮する。

ルナ

第弐位階(成長期)へと神々しく進化した白銀の狐。月光の魔力を纏い、統御の間に仕掛けられた無数の防衛術式を看破する。

ギル

第弐位階(成長期)へと進化したグリフォン。上空からの機動力を活かし、統御の間の構造的な死角を探る。

エルミナ

心優しきエルフ族の聖職者。要塞の核心から押し寄せる邪悪な支配の魔力を、温かな神聖魔法で相殺し続ける。

レム

廃棄ブロックから救出された小型の鉱石ゴーレム。レジスタンスの絆とレインの魔力を胸に、最上階の戦いへ挑む。

バルドルフ・アイゼンヴァルト

アイゼンヴァルト家の絶対的な当主。冷酷なまでの合理主義と「鉄の掟」を掲げ、要塞の全魔力を集約した超重量級要塞獣を操る最強の壁。

前書き

『使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~』第47話をお届けします!

前回、精鋭幹部ヴィルヘルムとの激戦を制し、ついに要塞の最上階へと通じる重厚な扉を開いたレイン一行。第47話からは、いよいよアイゼンヴァルト家の当主であるバルドルフ・アイゼンヴァルトとの直接対決が幕を開けます。彼が操る統御の間の凄まじい威圧感と、圧倒的な物量を誇る超重量級要塞獣の脅威をお楽しみください!

重く閉ざされていた最上階の金属扉が、轟音を立ててゆっくりと内側へと開ききった。

その瞬間に溢れ出してきたのは、これまでの階層とは比較にならないほど濃密で、肌を刺すような冷徹な殺気と、要塞全体の魔導エネルギーが凝縮された圧倒的なプレッシャーだった。

「これが……統御の間……っ!」

シルビアは息を呑み、エメラルドグリーンの瞳を大きく見開きながら一歩後ろに身構えた。

足を踏み入れたその場所は、まるで巨大な城塞の心臓部そのものだった。幾重もの巨大な魔導パイプが天井と床を這うように走り、その中央には、青白い冷光を放つ無数の巨大なクリスタルが不気味なリズムで脈打っている。部屋の奥のひときわ高い玉座には、漆黒と黄金の絢爛な重装甲服に身を包み、冷酷な光を湛えた瞳を持つ一人の男が静かに腰掛けいていた。

アイゼンヴァルト家の絶対的な当主――バルドルフ・アイゼンヴァルトだった。

バルドルフは、ゆっくりと玉座から立ち上がると、侵入者であるレイン一行を虫けらでも見るような冷ややかな視線で睥睨した。その巨体から放たれる威圧感だけで、部屋の空気が凍りつくような錯覚に陥る。

「よくぞここまでたどり着いたものだな、下層の鼠どもめ。ヴィルヘルムを打ち破ったというので多少は気色の変わった芸真似ができるかと思ったが……結局は、我がアイゼンファルスの鉄の掟の前にひざまずく運命からは逃れられんらしい」

バルドルフの低く腹に響く声には、一分の隙もない絶対的な自信と、他者を踏みにじることに何の疑問も持たない冷徹な支配者の響きが宿っていた。

「あなたが……アイゼンヴァルト家の当主、バルドルフですね。この要塞の力や、下層の人たちを道具のように扱う鉄の掟を敷いているのは、すべてあなたの仕業なんですね」

レインは一歩も引かず、まっすぐな瞳でバルドルフを見据えながら静かに問いかけた。その足元からは、いつものように清らかな青い魔方陣が音もなく広がり始め、仲間たちの周囲に温かな守りの光を纏わせていく。

「仕業だと? ふん、愚かだな。この世界は強者による秩序と、鉄の掟によってのみ統率されるべきなのだ。感情や絆などという無駄な戯れ言は、この要塞の効率的なシステムの前では無意味なゴミにすぎん。それを知らしめてやろう」

バルドルフが冷たく言い放ち、その右手を高々と掲げた。

――ズズズズズッ……!!

その瞬間、統御の間の床全体が激しく揺れ動き、部屋の奥の巨大な壁面が真っ二つに割れてスライドした。そこに姿を現したのは、通常のゴーレムの何倍もの大きさを誇り、全身が漆黒のアダマンタイトと幾重もの魔導砲塔で武装された、絶望的なまでに巨大な異形の塊――アイゼンヴァルト家の誇る最高傑作にして最強の兵器、**「超重量級要塞獣・アイゼン・シュトラール」**だった。

その巨体が動くだけで周囲の重力が何段階も跳ね上がり、ポルカが展開していた多層反転障壁『プリズム・アンチ・フィールド』が激しくきしむ音を立てた。

「なんだあの大きさは……!? 通常のアダマンタイト・ゴーレムどころじゃないわ、要塞そのものが意志を持って動き出したみたいなものよ!」

シルビアが冷や汗を流しながら叫んだ。

「ワンッ……! あの巨体から放たれる魔導の密度、尋常じゃないよ。まともにぶつかったら一瞬で押し潰される!」

フェリルが低い唸り声をあげながら、鋭い爪先で床を強く踏みしめた。

「ボクが上空から弱点を突いてみるよ!」

第弐位階(成長期)へと進化したグリフォンのギルが翼を広げて勢いよく飛び立ち、要塞獣の頭上へと素早く滑り込んだ。そして、空間を引き裂くような高圧の風の刃『ガスト・テンペスト』を連続して撃ち込み、その装甲を切り裂こうとした。

しかし、要塞獣の表面を覆う二重の魔導障壁はギルの風圧を完全に弾き返し、逆に要塞獣の肩に備え付けられた自動迎撃砲が凄まじい光弾の雨を浴びせた。

「うわっ……! 弾かれた!?」

ギルは巧みな飛行機動で間一髪のところを回避したが、その爆風の余波にバランスを崩して危うく墜落しかけた。

「ギル君!」

エルミナがすぐに杖を掲げ、温かな神聖魔法の光でギルの飛行を優しく支え直した。

「 ふぅ.....よかった。あの装甲、外側からの攻撃を完全に無効化する厄介な多重結界が張られています!」

「ふっ、無駄な足掻きだな。我が要塞獣の絶対防御は、貴様らの様なちっぽけな魔獣の力で破れるほどヤワではない!」

玉座の上から冷ややかに見下ろすバルドルフが、再び冷酷な笑みを浮かべた。

要塞獣がその超巨大な鉄拳を振り上げ、レインたちが立つ床めがけて容赦ない重撃を叩き落とした。

――ドゴォォォンッ!!

凄まじい衝撃波が統御の間を駆け巡り、レインたちの足元を大きく揺るがした。

「みんな、散開して防げ!」

レインの号令のもと、フェリルが高速の敏捷性で横へ跳び、ルナが神聖な月光を纏って要塞獣の足元の挙動をわずかに鈍らせ、ポルカが作り出した幻影の壁が直撃を綺麗にそらした。

そして、その戦闘の隙間を縫うようにして、小さな影が素早く動いた。

「キュピッ……!」

小型ゴーレムのレムだった。レムは全長30センチの小さな身体を活かし、要塞獣の巨大な足の裏にある魔導駆動の継ぎ目――バルドルフの制御から一時的に外れるわずかな回路の隙間へと、まるで矢のように滑り込んだ。

「ほう、あの廃棄されたはずの小さな欠陥品ゴーレムが生き残っていたか。だが、そんな玩具が何をしたところで、我が要塞の完全な支配は揺るぎん!」

バルドルフは冷ややかに一瞥しただけで、微塵も動揺する様子を見せなかった。

レムはレムなりに、要塞獣の内部回路を内側から撹乱しようと小さな金属の指先で必死にハッキングを試みたが、要塞獣のコアはバルドルフ自身の強大な魔力と直結しており、ちょっとやそっとの干渉ではびくともしないほどの強固なセキュリティに守られていた。

「カチ、キキッ……! か、硬すぎるキュピ……!?」

レムが冷や汗ならぬ冷却オイルを微かに滲ませながら、その硬さに歯が立たない様子を見せた。

「レム、無理をしちゃいけない! 一旦退くんだ!」

レインが青い魔方陣の光を伸ばしてレムを回収し、危機一髪のところで要塞獣の踏みつけから救い出した。

レムはレインの足元にピョンと戻ると、『ごめんなさいキュピ……』と申し訳なさそうに小さなアンテナをペコッと下げた。

「よくやったよ、レム。怪我はないかい?……相手は要塞そのものの魔力を背負っている。これまでの戦い方じゃ、あの『絶対防御』の壁をかすめることすらできない……!」

レインは自分の足元に広げる青い魔方陣の出力を限界まで高めながら、目の前に立ちはだかる絶望的な要塞獣とバルドルフを見据えた。

地上からの通常攻撃が一切通用せず、圧倒的な重力魔導と物量の前にパーティがかつてないほどの窮地と消耗戦に追い込まれつつある中、バルドルフは冷徹にトドメの一撃を命じようとしていた。

「終わりだ。その愚かな絆ごと、我が鉄の掟の土踏みに沈めてやるがいい――!」

要塞獣の全身の砲塔が一斉に赤く怪しい輝きを放ち、最大出力の魔導破滅光線がレインたちをめがけて放たれようとしていた.....。

しかし、絶体絶命のピンチの中、レインたちは諦めない強い意志を持っていたのだった――!

後書き

第47話「統御の間の決戦、そして現れし超重量級要塞獣」を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

アイゼンヴァルト家の当主・バルドルフ・アイゼンヴァルトがついにその姿を現し、最高傑作である超重量級要塞獣との絶望的な防衛戦を描かせていただきました。圧倒的な強敵の前にパーティが窮地に追い込まれる緊迫の展開を楽しんでいただければ幸いです!

次回の第48話では、絶体絶命のピンチの中で、レインたちが星見の秘境の地で手に入れた「増幅の聖炉」が輝き始めます……!

ブックマークや評価、いいねなどをポチッと押していただけると、執筆のモチベーションがものすごく跳ね上がります!

それでは、第48話でお会いしましょう!

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