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使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~  作者: チョコ大福


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47/53

第47話:鉄壁の幹部ヴィルヘルムの執念、そして最上階への扉

登場人物

レイン・アークライト

主人公。アイゼンヴァルト家の絶対防御を打ち破るため、精鋭幹部ヴィルヘルムの包囲網を突破すべく仲間たちと共に戦う心優しき召喚師。

ファル

レインの相棒である小龍。白色の翼を大きく羽ばたかせ、上空からヴィルヘルムの重装甲部隊を牽制する。

フェリル

第弐位階(成長期)へと進化したウルフ。高速の俊敏性を活かし、敵の隙を突いてヴィルヘルムの猛攻を回避・牽制する。

ポルカ

第弐位階(成長期)へと進化したゴーストのマスコット。仲間たちを守るための多層反転障壁『プリズム・アンチ・フィールド』を展開する。

シルビア・ローゼンベルク

エリート召喚師。ヴィルヘルムの剣技と魔導回路の解析を行い、パーティ全体に的確な指示を飛ばす。

ルナ

第弐位階(成長期)へと神々しく進化した白銀の狐。月光の魔力を纏い、ヴィルヘルムの放つ硬質な魔導の軌道を狂わせる。

ギル

第弐位階(成長期)へと進化したグリフォン。卓越した機動力で上空から強烈な風圧を浴びせ、敵の陣形を崩す。

エルミナ

心優しきエルフ族の聖職者。激しい戦いで傷つく仲間たちを、温かな神聖魔法で絶え間なく癒やす。

レム

廃棄ブロックから救出された小型の鉱石ゴーレム。小さな体を最大限に活かし、敵の魔導回路を内側から撹乱する。

ヴィルヘルム

アイゼンヴァルト家の重装甲部隊を率いる冷徹かつ誇り高き精鋭幹部。鉄の掟の正当性を信じ、圧倒的な剣技でレインたちの前に立ちはだかる。

前書き

『使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~』第47話をお届けします!

前回、アイゼンファルスの深部で精鋭幹部ヴィルヘルムが率いる重装甲ゴーレム部隊と激突し、新仲間のレムの見事な初陣によって一矢を報いたレイン一行。第47話では、いよいよヴィルヘルム本人の圧倒的な剣技と、要塞の全力を挙げた激しい攻防戦のクライマックスが描かれます。仲間たちの絆と成長が試される緊迫のバトルをお楽しみください!

「我が精鋭ゴーレムの陣形を、あのような小さな欠陥品ごときに……だが、それもここまでだ!」

冷徹な怒りと絶対的な誇りを宿したヴィルヘルムの低く鋭い声が、アダマンタイトで囲まれた巨大な回廊に響き渡った。彼は機能停止に陥った部下のゴーレムを一瞥すると、手にした長剣を構え直した。その刀身には、要塞全体の魔導エネルギーを凝縮した漆黒の闘気が激しく纏い付き、周囲の空間そのものを歪ませるほどの重圧を放ち始めた。

「来るわよ……! あの男の剣技は、ただの物理的な斬撃じゃない。要塞の重力魔導と完全に同調しているわ、まともに受けたら一瞬で押し潰される!」

シルビアがエメラルドグリーンの瞳を最大限に見開き、危機感を込めた声で叫んだ。

「みんな、僕の青い魔方陣を信じて! 絶対に負けない!」

レインは両手を力強く突き出し、その足元から清らかな青い魔方陣を極限まで拡大させた。青く透き通る光の波長が、仲間たちの足元をしっかりと支え、ヴィルヘルムが放つ重苦しいプレッシャーの負荷を綺麗に相殺していく。

「小賢しい光波風情が……我が『鉄壁の断罪剣アイゼン・シュヴェールト』の前に、その足元ごと消し飛ぶがいい!」

ヴィルヘルムが地面を蹴り飛ばし、目にも留まらぬ神速の突進を繰り出した。

その速度は重装甲の鎧を纏っているとは思えないほど軽快でありながら、一歩踏み込むたびに回廊の床石がガタガタと悲鳴を上げて粉々に砕け散るほどの破壊力を伴っていた。

「早い……!」

フェリルが反射的に横へと跳び退き、ヴィルヘルムの振るった漆黒の剣圧がその残像をすり抜けた。剣圧の余波だけで、背後の頑丈なアダマンタイトの壁面に深さ数メートルの亀裂が走り、凄まじい衝撃波が回廊全体を揺るがした。

「させないよ!」

上空からその軌道を見定めていたグリフォンのギルが、翼を大きく羽ばたかせて新技『ガスト・テンペスト』を放った。空間を引き裂くような超高圧の風の刃がヴィルヘルムの視界と進路を遮ろうと襲いかかる。

しかし、ヴィルヘルムは眉一つ動かさず、纏っていた漆黒の闘気を盾のように前面に展開し、ギルの風の刃を真っ向から弾き飛ばしてしまった。

「風ごときが、このアイゼンヴァルトの鉄壁を揺るがせるものか!」

そのまま勢いを落とさず、ヴィルヘルムは空中にいるギルへと鋭い斬撃の軌道を向けた。

「ギルッ……!」

レインが息を呑んだその瞬間、ルナが神獣としての気高い月光の波動を全身に纏い、ヴィルヘルムの足元へと素早く滑り込んだ。

「甘いわね……! 『ルナティック・パルス』!!」

ルナが放った月光の聖なるパルスが、ヴィルヘルムの纏う魔導回路の同調をわずかに狂わせた。その瞬間的な乱れにより、ヴィルヘルムの剣の軌道が数ミリほど逸れ、ギルは間一髪のところで直撃を免れ、軽快な羽音を立てて上空へと逃れることに成功した。

「チッ……小賢しい獣どもめ……!」

ヴィルヘルムが舌打ちをし、バランスを立て直そうとしたその隙を、レインの相棒たちが決して逃さなかった。

「お兄ちゃん、今だよ!」

小龍へと進化したファルが、その美しい黄金の翼を力強く翻しながら上空から急降下した。ファルの全身から放たれる純粋な竜の熱量が一点に収束し、新技の貫通ブレス『ドラゴン・ランス・フレア』となってヴィルヘルムの目前へと撃ち出された。

「なに……!?」

直撃を避けるため、ヴィルヘルムは両手で剣を十字に構え、要塞の魔導障壁を全開にしてそのブレスを受け止めた。凄まじい熱量と衝撃が回廊に充満し、激しい光の粒子が周囲を眩しく照らし出す。

しかし、ヴィルヘルムの防御壁は依然として厚く、ファルのブレスの威力をもってしても、完全にその姿勢を崩すまでには至らない。

「ふっ、甘いわ! その程度の熱量では、我がアイゼンヴァルトの防衛網を焼き切ることはできん!」

ヴィルヘルムが気合の声を上げ、闘気を逆流させてファルのブレスを押し返そうとしたその時だった。

「――そこだキュピ……ッ!!」

小さな影が、激しい光と爆風の隙間を縫うようにして、ヴィルヘルムの足元から死角へと飛び込んだ。

それは、小型ゴーレムのレムだった。

レムは全長30センチの小さな身体を限界まで丸め、ヴィルヘルムの鎧の背後にある「要塞魔導回路のメイン中継コネクタ」――外部からは絶対に気付かれない、構造の隙間にあるわずかなメンテナンス用の継ぎ目へと、まるで矢のように突っ込んだ。

「なっ……虫けらの一匹が、どこへ……!?」

ヴィルヘルムが驚愕して視線を後ろに向けた瞬間、レムの胸元のスカイブルーのコアから放たれた純粋な魔力波が、ヴィルヘルムの鎧と要塞を繋ぐ制御回路へとダイレクトに注入された。

「カチ、キキッ……シャットダウン、開始キュピ……!!」

レムが内側から回路の暗号を強制書き換えし、さらにポルカが展開した多層反転障壁『プリズム・アンチ・フィールド』がヴィルヘルムの周囲の魔導エネルギーを完全に遮断した。

――ズガァァァンッ!!

要塞のエネルギー供給から一時的に切り離されたヴィルヘルムの鎧は、その瞬間だけにわかに重さを増し、纏っていた漆黒の闘気が霧散するようにスッと消え去った。

「ば、馬鹿な……! 我が魔導回路が、外部からのハッキングによって遮断されただと……!?」

ヴィルヘルムは目を見張り、信じられないという表情で自分の両手と鎧を確認した。蓄積していた魔力の反動と重圧が一気に押し寄せ、彼は思わず膝をガクンと折って片膝をついた。

「今だ……! みんな、総攻撃!!」

レインの力強い号令が響き渡る。

ファルの黄金の翼が一閃し、フェリルが神速の牙でヴィルヘルムの持っていた長剣を鮮やかに弾き飛ばし、ギルの強烈な風圧とルナの月光が綺麗に噛み合った。

エルミナの放つ神聖な光がパーティ全体の闘志を最高潮に高め、シルビアの的確な魔導支援がすべての攻撃を一つの完璧な軌道へと導いた。

――ドオオオォォンッ!!

すべての力が一点に集中した渾身の連携攻撃が、ヴィルヘルムの正面を綺麗に捉え、彼は激しい衝撃と共に背後の壁へと吹き飛ばされ、そのまま動かなくなった。

回廊に静けさが戻ると、小さなレムがヴィルヘルムの足元から『ピュイッ!』と誇らしげに飛び出し、レインの足元へとトコトコと駆け戻ってきて、ぴょんぴょんと嬉しそうに飛び跳ねた。

「よくやったね、レム! 本当にすごい大活躍だったよ!」

レインがしゃがみ込み、レムの小さな頭を優しく撫でると、レムは嬉しそうに全身のスカイブルーの光をピカピカと輝かせた。ファルも上空から『レム、大金星だよ! カッコよかった!』と声を弾ませ、パーティ全体に温かな歓声と達成感が広がった。

しかし、ここで立ち止まっている時間はない。

ヴィルヘルムとの激戦を制したレインたちの眼の前にそびえ立っていたのは、要塞の最上階――アイゼンヴァルト家の当主バルドルフが陣取る「統御の間」へと通じる、巨大で重厚な最後の金属扉だった。

扉の向こうからは、これまでの比にならないほど巨大で不気味な、要塞の核心部を揺るがす圧倒的な魔導の鼓動がドクン、ドクンと伝わってくる。

「いよいよだな……あそこの扉の向こうに、アイゼンヴァルト家の当主と、あの『絶対防御』の本体がいるんだな」

シルビアが息を整えながらエメラルドグリーンの瞳でその扉を見据えると、レインはゆっくりとうなずき、その手に力を込めた。

「ああ。みんなの想いを背負って、絶対にこの要塞の鉄の掟を打ち砕いてみせる。行くぞ――!」

最上階の扉に手をかけ、いよいよ物語はクライマックス、アイゼンヴァルト家との最終決戦へと突入していくのだった!

後書き

第47話「鉄壁の幹部ヴィルヘルムの執念, そして最上階への扉」を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

精鋭幹部ヴィルヘルムとの激しい一騎打ち&チーム戦を描かせていただきました。新仲間のレムのファインプレーや、仲間たちの見事な連携によって強敵を打ち破り、いよいよ最上階の扉へとたどり着いた熱い展開を楽しんでいただければ幸いです!

次回の第48話では、いよいよアイゼンヴァルト家の当主バルドルフが待つ最上階「統御の間」へ突入し、彼らが誇る超重量級ゴーレムや絶対防御の真の姿との戦いが幕を開けます……!

ブックマークや評価、いいねなどをポチッと押していただけると、執筆のモチベーションがものすごく跳ね上がります!

それでは、第48話でお会いしましょう!

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