↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~  作者: チョコ大福


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
41/53

第41話:砂塵のオアシスと、聖職者のエルフ

登場人物

レイン・アークライト

主人公。アークライト家を出奔し、小龍へと進化したファル、第弐位階(成長期)に進化したウルフのフェリル、同じく第弐位階(成長期)へと進化したゴーストのポルカ、召喚師の少女シルビア、第弐位階(成長期)へと神々しく進化した白銀の狐ルナ、グリフォンのギルと共に旅を続ける心優しき召喚師。

ファル

レインの相棒。手のひらサイズのミニドラゴンから「第弐位階(小龍)」へと進化を遂げ、新しい翼で大空を駆け巡りながら次なる冒険に胸を躍らせる。

フェリル

第弐位階(成長期)へと進化したウルフ。長旅の中でも疲れを見せず、鋭い感覚で砂漠の微細な変化を察知する。

ポルカ

第弐位階(成長期)へと進化したゴーストのマスコット。仲間たちを強い日差しや砂塵から守るための心地よい微風と涼しい光のヴェールを展開する。

シルビア・ローゼンベルク

白薔薇の都を解放し、レインと共にさらなる世界の歪みを正すため、新たな大陸と街へ向かうエリート召喚師。

ルナ

第弐位階(成長期)へと神々しい姿に進化を遂げた白銀の狐。鋭い洞察力で砂漠の旅の安全を静かに見守る。

ギル

誇り高い魔獣「グリフォン」の幼体。上空から広大な砂漠の景色や、道中の安全を偵察する。

エルミナ (Elmina)

【新キャラクター】砂漠の過酷な環境で傷ついた旅人や魔獣たちを無償で癒やし続ける、心優しきエルフ族の聖職者(神官)。レインたちの「青い魔方陣」に宿る本当の絆の光に魅せられ、共に旅に加わる。

前書き

『使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~』第41話をお届けします!

前回のローゼニア編のエピローグを経て、いよいよ今話からは新章が本格的に幕を開けます。新たな目的地である「自由交易の砂漠都市」へ向かったレインたちが出会う、新キャラクターの聖職者エルフ・エルミナとの心温まる出会いや、次なる五大家系「アイゼンヴァルト家」へ向けた伏線が交差する、ワクワクいっぱいの冒険の始まりをお届けします。ぜひじっくりとお楽しみください!

白薔薇の都ローゼニアの温かな歓声と平和な日常をあとにしたレインの一行は、次なる世界改革の旅路を進んでいた。

緑豊かな平原や緩やかな丘陵地帯を抜け、数日間の旅を経て彼らの眼の前に広がってきたのは、視界のすべてを黄金色の砂丘が覆う、厳しくも美しい広大な砂漠地帯だった。

「わあ……! 見渡す限り、すっごい砂の世界だね! お兄ちゃん、あっちの空がすごく広くてきれいだよ!」

小龍へと進化したファルは、その凛々しく美しい白色の翼を優しく羽ばたかせながら、レインの肩の少し上をふんわりと並んで飛んでいた。手のひらサイズだった頃の愛らしさはそのままに、どこか気高い竜の気品を纏ったファルの姿は、旅の道中ですれ違う旅人たちからも驚嘆の視線を集めていた。

「本当ね。ローゼニアの緑とはまったく違う、圧倒的な自然のスケールを感じるわ」

シルビアは旅用の軽いコートの裾を整えながら、遠くに見える陽炎の揺らめく地平線をエメラルドグリーンの瞳で見据えた。

その傍らでは、第弐位階(成長期)へと進化したウルフのフェリルが砂を踏みしめながら力強く歩き、ポルカがふんわりとした霊体から心地よい冷却の微風を周囲に漂わせて仲間たちの暑さを和らげている。上空ではギルが広範囲を旋回して安全を確認し、ルナがその気高い白銀の毛並みを砂埃から守りつつ優雅に歩いていた。

数日間の砂漠の旅を経て、レインたちがたどり着いたのは、砂漠の過酷な環境にありながら独自の活気と異国情緒を誇る**「自由交易の砂漠都市・オアシピア」**だった。

五大家系の直接的な支配がまだ完全に及んでいないこの街は、世界中から集まった多種多様な商人や旅人、そして様々な種族の魔獣たちが賑やかに往来する、まさに砂漠のなかの巨大なオアシスだった。

「すごい活気だね。色んな国の人や、見たことのない魔獣がたくさんいるよ」

レインが街の入口の大通りに足を踏み入れながら目を輝かせると、シルビアも興味深そうに周囲を見渡した。

「ええ、五大家系による『強制支配』のシステムが届いていない分、人々の表情が生き生きしているわね。ただ……」

シルビアがわずかに眉をひそめたその視線の先では、街の片隅にある大きな泉の広場に、多くの人々や旅の商人、そして疲れ果てた荷役用の魔獣たちが集まって何やら騒ぎになっていた。

「どうしたんだろう? 行ってみようか」

レインが皆を促して広場へと近づいていくと、そこでは砂漠の乾燥や長旅の過酷さ、あるいは理不尽な労働によって倒れてしまった行商人や、負傷して動けなくなった魔獣たちが苦しそうにうめき声を上げていた。周囲の住民や仲間たちは助けたいものの、専門的な治癒魔法や高度な薬の知識を持つ者がおらず、ただオロオロと見守るしかなかった。

「しっかりして! 水を少しずつ飲むのよ……魔力の消耗も激しいわ、無理をしないで……!」

その人垣の中心で、凛とした美しい声が響いた。

そこにいたのは、美しい金色の長髪を上品に結い上げ、清楚な神官服を纏った一人のエルフ族の女性だった。彼女の繊細な指先から放たれる温かな聖なる光が、倒れていた旅人の身体と傷ついた魔獣を優しく包み込み、みるみるうちにその苦痛を和らげ、癒やしていく。

「あぁ……ありがとうございます、聖職者様……おかげで息が楽になりました……」

助けられた旅人が深く頭を下げると、エルフの女性は心からの優しい微笑みを浮かべて首を横に振った。

「いいえ、無事で何よりです。砂漠の旅は命がけですから、どうか無理をなさらないでくださいね」

その様子を静かに見守っていたレインは、彼女から放たれる魔力の波長を感じ取り、思わず目を見張った。

(この人……魔力の使い方がすごく清らかだ。傷つけるためじゃなく、ただ純粋に目の前の命を救いたいという優しさだけで満ちている……!)

女性――エルミナは、治療を終えてふと顔を上げた時、自分をまっすぐに見つめているレインたちと目が合った。彼女の翡翠色の瞳が、レインの足元からほんのりと漂う温かな青い魔方陣の気配を敏感に察知し、微かに驚いたように見開かれた。

「あら……? あなたたちのその魔力……普通の召喚師のものとは、どこか違うわね。まるで、命そのものと心を通わせ合っているような……とても温かい光だわ」

エルミナは穏やかな足取りでレインたちに歩み寄り、上品に一礼した。

「はじめまして。私はエルミナと申します。この街や砂漠の辺境を巡りながら、傷ついた旅人や魔獣たちを癒やす神官をしておりますの」

「はじめまして、僕はレイン・アークライト。こっちは相棒のファルで、こっちは仲間たちのシルビア、フェリル、ポルカ、ルナ、ギルだよ。エルミナさん、さっきの治癒魔法、すごく綺麗だったね」

レインがいつもの優しい笑顔で挨拶を返すと、ファルも『こんにちは! 僕はファルだよ!』と元気に小龍の姿で挨拶した。

エルミナはファルの姿を見て「まあ、小龍さん……!」と目を丸くして感嘆の声を漏らした後、どこか切なげな、しかし真摯な表情を浮かべてため息をついた。

「ファルちゃん、とても気高くて素敵な小龍さんですね……。私たちがこうして平和に治療を行えているのはこの街だからこそですが……実は、この砂漠のさらに北方へ進んだ先にある**『アイゼンヴァルト家』**の領土では、このような優しさとは全く逆の世界が広がっているのです」

「アイゼンヴァルト家……?」

シルビアがその名前を聞き逃さず、鋭い視線を向けた。

エルミナは表情を引き締め、少し声を潜めて話し始めた。

「はい。鉄壁の要塞を誇るあの家系は、『絶対防御と強固な統制』を掲げ、国家の防衛を牛耳っています。ですがその実態は、下層民や他のモンスターたちを文字通り『足枷』として過酷な労働に縛り付け、少しでも逆らう者容赦なく鉄の掟で押し潰すという、非常につらい支配が行われているのです……。私は、そこで苦しむ人たちを救えないかと模索していたところなのです」

そのエルミナの言葉に、レインたちの心に強い決意の光が灯った。ローゼニアを解放した彼らにとって、世界中にまだ残る理不尽な支配の構造は、見過ごすことのできないものだった。

「アイゼンヴァルト家……僕たちがこれから向かおうとしていた場所だ。苦しんでいる人や魔獣がいるなら、僕たちは絶対に放っておけないよ」

レインが力強くそう告げると、シルビアもうなずいた。

「ええ、彼女の言う『絶対防御』がどれほどのものか知らないけれど、私たちの絆の力なら必ず打ち破れるわ」

エルミナは、レインのその揺るぎない眼差しと、そこに集う魔獣たちの誇り高い姿をしばらく見つめ、やがて胸に手を当てて深くうなずいた。

「……あなたのその『青い魔方陣』の光、そして皆さんの温かい魂に触れて、私は確信しました。もしよろしければ……私も、皆さんの旅に同行させていただけないでしょうか? 神官としての知識や癒やしの力で、きっとお役に立てるはずです」

「本当かい? エルミナさんがいてくれたら、すごく心強いよ! こちらこそ、よろしくね!」

レインが快く手を差し出し、エルミナはその手を優しく握り返した。

自由交易の砂漠都市オアシピアで、心優しき聖職者エルフ・エルミナを新たな仲間に加えたレイン一行。

最強のパーティとなった彼らは、アイゼンヴァルト家の鉄壁の守りを打ち破るためのヒントと戦術を求めて、次なる目的地である鉄と鉱石の職人街「アークスヴェール」へ向けて、さらなる冒険の歩みを進めていくのだった。

後書き

第41話「砂塵のオアシスと、聖職者のエルフ」を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

ローゼニアを旅立ったレインたちが到着した自由交易の砂漠都市で、新キャラクターとなる聖職者エルフのお姉さん・エルミナとの運命的な出会いを描かせていただきました。心優しい彼女が仲間に加わり、次なる強敵「アイゼンヴァルト家」への布石が着々と整っていくワクワク感を感じていただければ幸いです!

次回の第41話では、鉄と鉱石の職人街「アークスヴェール」に到着し、アイゼンヴァルト家の「絶対防御」に対抗するための大きなヒントや、新たな職人たちとの熱いドラマが展開されていきます……!

ブックマークや評価、いいねなどをポチッと押していただけると、執筆のモチベーションがものすごく跳ね上がります!

それでは、第41話でお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。