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使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~  作者: チョコ大福


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40/53

第40話:エピローグ(ローゼンベルク家編)――解放された白薔薇と、新しい笑顔

登場人物

レイン・アークライト

主人公。アークライト家を出奔し、第弐位階(小龍)へと進化したファル、第弐位階(成長期)に進化したウルフのフェリル、同じく第弐位階(成長期)へと進化したゴーストのポルカ、召喚師の少女シルビア、第弐位階(成長期)へと神々しく進化した白銀の狐ルナ、グリフォンのギルと共に旅を続ける心優しき召喚師。

ファル

レインの相棒。手のひらサイズのミニドラゴンから見事に「小龍」へと進化を遂げ、新しい身体で街を飛び回りながらエピローグの朝を満喫する。

フェリル

第弐位階(成長期)へと進化したウルフ。解放された街の穏やかな風を感じながら、仲間たちと共に穏やかな時間を過ごす。

ポルカ

第弐位階(成長期)へと進化したゴーストのマスコット。街の人々や子どもたちの頭の上でふんわりと優しい光を灯し、祝福の輪を広げる。

シルビア・ローゼンベルク

実家の本拠地ローゼニアで過去の呪縛と父親の支配を打ち砕き、真の自由と笑顔を取り戻したエリート召喚師。

ルナ

第弐位階(成長期)へと神々しい姿に進化を遂げた白銀の狐。街を見下ろす高台で、穏やかな月光のような聖なる波動を静かに湛えている。

ギル

誇り高い魔獣「グリフォン」の幼体。青空をのびのびと旋回し、解放されたローゼニアの朝の美しさを空から寿ぐ。

ライル

レインたちに救われた見習い召喚師の少年。これからは恐怖に怯えることなく、相棒の猫の魔獣と共に新しい夢に向かって歩み出す。

ヴァルター

シルビアの元教育係である初老の元上級召喚師。地下の隠れ家を卒業し、新しい街の礎を支えるために温かく微笑む。

ジュリアン

ローゼンベルク家の改革派の青年。アルブレヒト失脚後のローゼニアで、新しい統治機構と市民・魔獣の共生社会を作るための舵取り役を引き受ける。

前書き

『使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~』第40話をお届けします!

前回、アルブレヒトとの最終決戦において、ファルがミニドラゴンから見事に「小龍」へと進化し、ルナとの合体技『アストラル・ドラグ・レイ』で白薔薇の都ローゼニアを恐怖の支配から完全解放したレインたち。第40話は、長編「ローゼニア編」の温かなエピローグを描きます。戦いが終わり、本当の笑顔を取り戻した街の朝や、仲間たちとの心温まる別れ、そしてシルビアの新しい未来への旅立ちをお届けします。ぜひじっくりとお楽しみください!

白薔薇の都ローゼニアに、かつてないほど清らかで温かな朝が訪れていた。

前夜までの狂気と呪縛に満ちた紫黒色の魔導結界は完全に消え去り、代わりに街の至る所に這わせられた本物の白薔薇が、初夏の柔らかな朝日を浴びて瑞々しく、美しい花びらを揺らしている。

かつては「恐怖と強制のシステム」によって人々の表情から自由な感情が奪われ、魔獣たちは冷たい鉄の首輪に繋がれてうなだれていたこの街は、今や全く別の場所のように生まれ変わっていた。

石畳の大通りには、人間の子供たちと解放された魔獣たちが一緒になって無邪気に駆け回り、あちこちから楽しげな笑い声や歓声が響き渡っている。

街の中心部にある古い広場。

かつて地下の隠れ家で怯えて暮らしていた見習い召喚師の少年――ライルは、すっかり元気を取り戻した若い猫の魔獣の背中に軽く手を添えながら、青空を見上げて満面の笑みを浮かべていた。

「ねえ、見てよ! 空がすごく青くて、こんなに気持ちがいいなんて……僕、今まで知らなかったんだ!」

ライルの足元で猫の魔獣も「ニャー!」と明るく元気に鳴き、二人の間には完璧な信頼と温かな絆が結ばれていた。

その様子を少し離れたベンチから穏やかな眼差しで見守っていた初老の元上級召喚師――ヴァルターは、深い感慨に浸りながら白髪混じりの頭を軽く振った。

「……まったく、信じられないような光景だな。あんなにも頑なだったローゼニアの街が、たった一晩の奇跡ではなく、彼らのまごころによって本当に生まれ変わってしまうとは……」

ヴァルターの隣に立っていた改革派の青年――ジュリアンは、手元に新しく作られた「市民と魔獣の共生憲章」の羊皮紙を優しく抱えながら、力強くうなずいた。

「ええ、ヴァルター先生。アルブレヒトが作り上げた恐怖の支配は終わりました。これからは、僕たちが中心となって、この街のすべての命が対等に手を取り合える新しい歴史を作っていく番です。レインさんやシルビアたちが示してくれた道を、絶対に絶やしたりはしません」

そのジュリアンの瞳には、若きリーダーとしての強い決意と、未来への希望の光が宿っていた。

一方、街を一望できる高台の特設テラスでは、今回の戦いを終えたレインの一行が、清々しい朝の風を心地よさそうに受けていた。

「ふう……こうして見ると、白薔薇の都って本当に美しい街なんだね。表向きの飾り物じゃなくて、みんなの本当の笑顔で溢れている今の景色は、何よりも素敵だよ」

レインが優しく微笑みながらそう呟くと、肩の……いや、すでに肩には収まりきらず、凛々しい「小龍」としての美しい白色の翼と長い胴体をしなやかに折りたたんで傍らに寄り添っているファルが、誇らしげに胸を張った。

『そうだよ、レイン! 僕の新しいこの翼、空を飛ぶのがすごく気持ちいいんだから! ほら、見てよ!』

ファル(小龍)は嬉しそうにふわりと宙へと舞い上がり、青空のなかを優雅に一回転して見せた。その姿はかつての可愛らしい手のひらサイズの面影を残しつつも、紛うことなき気高い竜の気品に満ちあふれていた。

「まったく、ファルは相変わらず元気ね。でも、その誇らしい姿、すごく似合っているわよ」

第弐位階(成長期)へと進化した白銀の狐・ルナが、優雅に尾を揺らしながらそう声をかけた。ルナの纏う月光の聖気は、戦いの後もさらに洗練され、周囲の空気をどこまでも神聖なものに変えていた。

フェリルも精悍な体躯をゆったりと横たえながら満足そうに低く喉を鳴らし、ポルカもふんわりとした霊体を輝かせながら、『みんな、お疲れ様ー!』と祝福の光の輪をぽんぽんと飛ばしている。

上空では、グリフォンの幼体・ギルが『ボクももっともっと強くなって、みんなを空から守るぞー!』と元気な声を響かせていた。

そんな仲間たちの賑やかなやり取りを、エメラルドグリーンの瞳に温かな涙を浮かべながら見つめていたのは、他でもないシルビア・ローゼンベルクだった。

彼女は深く息を吸い込み、冷たい石壁と薔薇の香りに包まれたこの宮殿を見渡した。かつて、彼女はこの街で「落ちこぼれ」「一族の恥」と蔑まれ、恐怖と孤独に押しつぶされそうになりながら逃げ出したのだった。しかし今、彼女は逃げる必要などどこにもない、誇り高い一人の召喚師として、この場所にしっかりと立っている。

「……終わったんだわ。私の過去の呪縛も、この街の歪みも、すべて……」

シルビアが小さく呟くと、その頬を一筋の美しい涙が伝い落ちた。しかしその表情に曇りは一切なく、春の日のように晴れやかで美しい笑顔が浮かんでいた。

レインはそっとシルビアのそばに歩み寄り、何も言わずにその温かい手を優しく包み込んだ。

「よく頑張ったね、シルビアさん。君が諦めずに戦い抜いてくれたからこそ、この街の未来が変わったんだよ。本当にお疲れ様」

そのレインの優しく、どこまでも包み込むような温もりに触れた瞬間、シルビアの心にあった最後の一片のわだかまりすらもスッと綺麗に溶けていった。

「ありがとう、レイン……。あなたと出会えて、本当に本当によかったわ。私、もう二度と下を向いたりしない。この温かい世界を護るために、これからもずっと、あなたと一緒に歩んでいきたいの」

二人の間に流れる温かい空気の中、ファルやフェリルたちも微笑ましそうに目を細め、祝福するように一斉に鳴き声をあげた。

しばらくして、ジュリアンやライル、そしてヴァルターたちが、旅立ちの準備を整えたレインたちのもとへと歩いてきた。

「レインさん、シルビアさん。もう出発してしまうのですか? もう少し、この街でゆっくりしていけばいいのに……」

ライルが少し寂しそうな、しかし精一杯の笑顔を浮かべながらそう言った。

シルビアは優しくライルの頭をポンと撫でて微笑んだ。

「ありがとう、ライル。でも、私たちの旅はまだ始まったばかりなの。このローゼニアが本当の平和を取り戻したように、世界にはまだ、恐怖や強制のシステムに苦しんでいる人や魔獣たちがたくさんいるわ。だから、私たちは次の場所へ行かなくちゃいけないのよ」

ジュリアンもしっかりとうなずき、レインのほうへ右手を差し出した。

「レインさん、シルビア。この街の改革は僕たちに任せてください。あなたたちが教えてくれた『本当の絆』の力を胸に、絶対に素晴らしい街にしてみせます。――旅路の無事を、心から祈っています」

「ありがとう、ジュリアンさん。君ならきっと大丈夫さ。困ったことがあったらいつでも呼んでくれよ!」

レインが力強くその手を握り返し、お互いに固い友情と信頼の笑みを交わした。

見送り人たちの温かい拍手と、街中の人々の感謝の視線に包まれながら、レインの一行はついに白薔薇の都ローゼニアの正門をあとにして、次なる広大な世界へと続く旅路へと一歩を踏み出した。

小龍へと進化したファルが空を先導し、第弐位階(成長期)へと進化したフェリルとポルカ、神々しいルナ、そしてギル(幼体)がその周囲をしっかりと固める。レインとシルビアは、しっかりと手を取り合いながら前を向いて歩いていく。

ローゼニア編の終幕。しかしそれは、世界を真の意味で改革するための、壮大な旅の本当の始まりに過ぎなかった。

物語は、さらに未知なる出会いと、新たな大陸へと向かって、さらにドラマチックに加速していくのだった。

後書き

第40話「エピローグ(ローゼンベルク家編)――解放された白薔薇と、新しい笑顔」を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

長編「ローゼニア編」の温かなエピローグとして、解放された街の美しい朝、ライルやジュリアン、ヴァルターたちとの心温まる別れ、そしてシルビアが過去の呪縛から完全に解き放たれてレインと共に次なる旅路へ踏み出す感動のシーンを描かせていただきました。読者の皆様の心に温かな余韻を残せていれば幸いです!

次回の第41話からは、いよいよ新しい目的地への旅立ちと、世界を牛耳るさらなる強大な存在、そして新たな五大家系へと繋がる新章が幕を開けます……!

ブックマークや評価、いいねなどをポチッと押していただけると、執筆のモチベーションがものすごく跳ね上がります!

それでは、第41話の新章でお会いしましょう!

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