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使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~  作者: チョコ大福


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42/53

第42話:鉄と鉱石の街アークスヴェール、反逆の鍛冶師

登場人物

レイン・アークライト

主人公。アークライト家を出奔し、小龍へと進化したファル、第弐位階(成長期)に進化したウルフのフェリル、同じく第弐位階(成長期)へと進化したゴーストのポルカ、召喚師の少女シルビア、第弐位階(成長期)へと神々しく進化した白銀の狐ルナ、グリフォンのギル、そして聖職者エルフのエルミナと共に旅を続ける心優しき召喚師。

ファル

レインの相棒である小龍。鍛冶の街に満ちる鉄と火の匂いに目を輝かせながら、新しい翼をパタパタと動かして街のあちこちを探検する。

フェリル

レ第弐位階(成長期)へと進化したウルフ。街中に響くリズミカルな金床の音を静かに聞きながら、パーティの足並みをしっかりと支える。

ポルカ

第弐位階(成長期)へと進化したゴーストのマスコット。職人街の熱気で火照った仲間たちを、ひんやりとした霊的な微風で心地よくクールダウンさせる。

シルビア・ローゼンベルク

白薔薇の都を解放し、次なる強大な敵「アイゼンヴァルト家」の鉄壁の防御を打ち破るための戦術を模索するエリート召喚師。

ルナ

第弐位階(成長期)へと神々しい姿に進化を遂げた白銀の狐。鍛冶師たちの魂のざわめきや、街に漂う魔力の質を鋭く見抜く。

ギル

誇り高い魔獣「グリフォン」の幼体。街の上空から、そびえ立つ巨大な高炉の煙や街の全景を生き生きと観察する。

エルミナ

レインたちの旅に新たに加わった心優しきエルフ族の聖職者。過酷な環境で働く職人たちに温かな癒やしの神聖魔法を授け、大いに慕われる。

ディーン (Dean)

【新キャラクター】アイゼンヴァルト家の過酷な技術搾取と鉄の掟に反旗を翻し、すべてを弾くアダマンタイトの装甲やゴーレムを打ち破るための「対抗手段」をひそかに研究・開発している熱き天才鍛冶師の青年。

前書き

『使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~』第42話をお届けします!

前回、砂漠のオアシス都市で心優しき聖職者エルフ・エルミナを新たな仲間に迎えたレイン一行。第42話からは、次なる五大家系「アイゼンヴァルト家」の誇る絶対防御・重装甲に対抗するためのヒントを求めて、鉄と鉱石の職人街「アークスヴェール」へと到着します。そこで出会う熱血な天才鍛冶師とのドラマや、チーム全員の連携が光るエピソードをお届けします。ぜひじっくりとお楽しみください!

黄金色の砂漠地帯を抜け、険しい山岳の裾野へと差し掛かったレインの一行の耳に、まず飛び込んできたのは、カン、カン、カンッ……と、大地を揺るがすような力強い金属音の響き渡りだった。

視界の先に現れたのは、巨大な高炉からもうもうと立ち上る黒煙と、無数の水車や魔導機関が休む間もなく稼働する巨大な街――**「鉄と鉱石の職人街・アークスヴェール」**だった。

この街は、最高品質のアダマンタイトや特殊な鉱石の採掘と加工で世界的に知られており、かつては独立した職人たちの自治都市だった。しかし現在では、強大な防衛力を誇る五大家系の一つ「アイゼンヴァルト家」によって技術と資源の大部分を一方的に搾取され、厳しい統制の下に置かれている場所でもあった。

「すごい熱気だね……! 街中のあちこちから、ものすごい勢いで炎と鉄の匂いが漂ってくるよ!」

小龍へと進化したファルは、その美しい黄金の翼をふんわりと羽ばたかせながら、街の入口にそびえ立つ巨大な鉄の門を見上げて感嘆の声を漏らした。

ファル(小龍)の凛々しくも愛らしい姿は、行き交う職人たちの間でもすぐに目を引き、「おい、あれは本物の小龍か……?」「なんて気高い魔獣だ」と驚きと称賛の視線が向けられていた。

「ええ、本当にすごいわね。空気そのものが鉄の粒子でピリピリと熱を帯びているわ」

シルビアは旅のコートの襟を正しながら、街の内部へと続く石畳の道をしっかりと歩みを進めた。

その隣では、第弐位階(成長期)へと進化したウルフのフェリルが、耳をぴんと立てて街の喧騒や人々の足音を注意深く聞き取っている。ポルカはふんわりとした霊体を揺らしながら、職人街の熱気で汗ばんだ仲間たちを包み込むような心地よい冷気のヴェールを絶妙なコントロールで広げていた。

街の中に入ると、その状況はより鮮明に見て取れた。

大通りの両側にはいくつもの巨大な鍛冶工房が並び、多くの職人たちが額に汗を流しながら巨大なハンマーを振るっている。しかし、その表情には活気だけでなく、どこか重苦しい疲労と、アイゼンヴァルト家からの理不尽な納品ノルマに対する強い焦燥の色がにじみ出ていた。

「みんな、無理をしないで……。少し魔力を消耗しすぎているわ。この薬草茶を飲んで、少し手を休めてくださいね」

新しく仲間に加わった聖職者エルフのエルミナは、工房の前で倒れそうになっていた若い職人のもとへ駆け寄ると、優しく声をかけて手製の治癒の聖水を手渡した。

エルミナの纏う神聖で温かな癒やしの波動は、日々の過酷な労働で疲弊しきっていた職人たちの心をたちまち溶かしていき、「あぁ……なんと心地よい魔力なんだ……生き返るようだ……」と、次々と深い感謝の言葉が漏れた。

「エルミナさん、本当にありがとう。君がいてくれるおかげで、街の人たちの緊張がすごくほぐれているよ」

レインが優しく微笑みかけると、エルミナは少し照れくさそうに微笑んで首を振った。

「いいえ、私にできることはこれくらいですから。それにしても、この街の人たちがこれほどまでに追い詰められている原因は、やはりアイゼンヴァルト家の『絶対防御』の過剰な武器調達にあるようです……」

その時だった。

街の奥にある一際大きな「中央工房」の方角から、ガシャァァンッ!! という激しい破壊音と、男たちの怒鳴り声が響いてきた。

「おい、どういうことだ! 今月の納品分のアダマンタイト装甲板が、規定の強度に達していないではないか! これではアイゼンヴァルト家の誇る重装甲ゴーレムの防衛網に傷がついてしまうだろうが!」

威圧的な鎧を纏ったアイゼンヴァルト家の監査官らしき男が、一人の若い鍛冶師の胸倉を掴み上げながら怒鳴りつけていた。

「ふざけるな……! 俺たちがどれだけの血を流してこの鉱石を精製していると思っているんだ! これ以上の過酷なノルマを課されたら、工房の仲間が全員倒れてしまう……!」

胸倉を掴まれた若い鍛冶師――鋭い眼光と頑健な体躯を持った青年は、決して怯えることなく、むしろ怒りに燃える瞳で監査官を鋭く睨み返した。

「なんだと? 逆らう気か! 鉄の掟を破る者には、容赦なく『足枷』の罰を与えてやる!」

監査官が魔導剣の柄に手をかけたその瞬間、パッと青い光の波長がその場を包み込んだ。

「そこまでにしておいたほうがいいんじゃないかな?」

穏やかでありながら、決して揺らがない強い意志を宿した声とともに、レインがその場にスッと歩み出していた。

レインの足元には、いつの間にか美しく透き通る青い魔方陣が静かに展開され、その清らかな光の圧力が監査官の手をピタリと止めていた。

「なっ……何だお前は……!? 我々アイゼンヴァルト家の職務執行を邪魔立てする気か……!」

監査官が慌てて剣を抜こうとしたが、その背後から第弐位階(成長期)へと進化したウルフのフェリルが高速の残像を残して忍び寄り、その鋭い銀色の牙を監査官の足元の石畳にカチリと鳴らして威嚇した。さらに、上空からはグリフォンのギルが鋭い羽音を立てて睨みを利かせ、ポルカが作り出した幻影の壁が監査官の視界を完全に封じた。

「うわっ……なんだこの化け物どもは……!? 貴様ら、覚えておけ……!」

圧倒的なプレッシャーの前に勝ち目がないと悟った監査官は、部下を引き連れて慌てふためきながら逃げ去っていった。

騒ぎが静まると、胸倉を掴まれていた若い鍛冶師――ディーンは息を荒くしながらも、助けてくれたレインたちのほうをまっすぐに見据えた。

「……助けてくれて悪かったな。だが、あんな連中に盾突いたところで、アイゼンヴァルト家の『絶対防御』の要塞を前にしたら、結局俺たちは……」

「大丈夫さ。僕たちは、そのアイゼンヴァルト家の鉄壁の守りを打ち破るために、この街に来たんだからね」

レインがいつもの温かい笑顔でそう差し伸べた手に、ディーンは驚いたように目を見張った。

工房の奥へと招かれたレインたちは、ディーンからアイゼンヴァルト家の内部事情や、彼らが抱える深刻な悩みを詳しく聞くことになった。

「驚いたな……あんたたち、あのローゼニアの街を白薔薇の当主から解放したっていう、あの噂の召喚師の一行か……!」

ディーンは、レインたちの正体を知ると、これまでの警戒心を解いて熱い情熱を帯びた目を輝かせた。

「ああ。僕たちは世界中の理不尽な支配を正すために旅をしているんだ。アイゼンヴァルト家が誇る『超重量級ゴーレム』や『アダマンタイトの甲殻』をどうにかして攻略したいんだけど、何かヒントはないかい?」

レインのその問いかけに、ディーンは力強くうなずき、手元の作業台の上に広げられた一冊の古びた設計図と、特殊な鉱石の結晶をドンと置いた。

「……よく聞いてくれた。アイゼンヴァルト家の守りは、確かに物理的な衝撃や通常の魔法を完全に弾き返す『絶対防御』の極みだ。だがな、どんなに頑丈な装甲やゴーレムであっても、構造上絶対に逃れられない弱点が一つだけある」

ディーンのその言葉に、シルビアやルナ、そして一同の視線が一点に集中した。

「それは――『特定の魔力共鳴周波数』だ」

ディーンは熱を込めて語り続けた。

「あいつらの作るアダマンタイトの装甲は、一定の強力な衝撃を受け続けると、その内部の分子構造が一時的に同調して脆くなる性質がある。さらに、ゴーレムを動かしている核の魔力回路は、ある特定の古代の聖属性と竜の熱量が合わさったエネルギー波を浴びせると、一時的に完全に機能停止を引き起こすんだ」

「竜の熱量……そして聖属性のエネルギー波……?」

シルビアはハッとして、隣にいるファル(小龍)とエルミナのほうを交互に見つめた。

小龍へと進化したファルの純粋な竜の熱量と、エルミナの神聖なエルフの神官魔法、そしてルナの月光の聖力が完璧に噛み合えば、まさにその「攻略の鍵」を作り出すことができる。

「だが、その特殊なエネルギー波を正確に一点へ集中させて放つには、この職人街のさらに奥にある**『星見の秘境・古代遺跡』**に眠るという、伝説の『増幅の聖炉』の力を借りる必要がある。……ただ、そこまでの道中には、アイゼンヴァルト家の放つ斥候の魔獣や、荒ぶる自然の試練が待ち受けているがな」

ディーンのその言葉を聞いたレインは、迷うことなく力強くうなずいた。

「ありがとう、ディーンさん。すごく大きなヒントをくれたおかげで、戦う道筋が見えたよ。僕たちは、その『古代遺跡』へ行って、アイゼンヴァルト家の絶対防御を打ち破るための力を必ず手に入れてみせる!」

鉄と鉱石の街アークスヴェールで熱き天才鍛冶師ディーンと出会い、敵の絶対防御を打ち破るための決定的な「攻略の糸口」を掴んだレイン一行。

物語はいよいよ、さらなる高みへ至るための古代遺跡――そしてファルのさらなる進化へと繋がるステージへ向けて、加速していくのだった。

後書き

第42話「鉄と鉱石の街アークスヴェール、反逆の鍛冶師」を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

新キャラクターの熱血な天才鍛冶師・ディーンが登場し、アイゼンヴァルト家の「絶対防御」を打ち破るための重要なヒントが明かされる熱い展開を描かせていただきました。仲間たちの絆とそれぞれの専門性がしっかりと噛み合っていく過程を楽しんでいただければ幸いです!

次回の第43話では、いよいよ次なる目的地である「星見の秘境・古代遺跡」へ足を踏み入れ、ファルがさらなる飛躍を遂げるための試練と神秘のエピソードに突入していきます……!

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それでは、第43話でお会いしましょう!

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