↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~  作者: チョコ大福


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
22/53

第22話:水の都クリスタリアの平穏と、新たな依頼

登場人物

レイン・アークライト

主人公。アークライト家を出奔し、ミニドラゴンのファル、ウルフのフェリル、小型ゴーストのポルカ、召喚師の少女シルビア、白銀の狐ルナ、そしてグリフォンの幼体ギルと共に新しい旅を続ける心優しき召喚師。

ファル

レインの相棒である手のひらサイズのミニドラゴン。空を飛べるようになったギルの特訓に付き合いつつ、先輩風を吹かせるのをすっかり楽しんでいる。

フェリル

レインの相棒である小さなウルフ。優れた嗅覚と聴覚でクリスタリアの街の安全を守り、賑やかな仲間たちを優しく見守る。

ポルカ

小型ゴーストのマスコット。水の都の綺麗な景色や噴水に大はしゃぎし、フワフワと楽しそうに街中を飛び回っている。

シルビア・ローゼンベルク

実家の呪縛を断ち切り、新たな一歩を踏み出したエリート召喚師の少女。クリスタリアの美しい街並みに感心しつつ、パーティの参謀役として頼もしい姿を見せる。

ルナ

シルビアの相棒である気高く美しい白銀の狐。知性と優しさでパーティ全体を引き締め、シルビアの良き理解者となっている。

ギル

誇り高い魔獣「グリフォン」の幼体。先日の飛行特訓の成功ですっかり自信をつけ、街の中でもピョンピョンと元気に飛び回る新入り。

前書き

『使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~』第22話をお届けします!

前回、美しい湖畔の街「クリスタリア」への道中で、まだうまく飛べなかったグリフォンの幼体・ギルが見事に空を飛べるようになる感動の成長エピソードを描きました。第22話では、いよいよ水の都クリスタリアの街中に到着し、そこで待つ新しい日常や、街を囲む巨大な湖を舞台にした次のクエストへの予感を描きます。ぜひじっくりとお楽しみください!

太陽の光を反射して青く輝く巨大な湖に寄り添うようにして築かれた、水の都――クリスタリア。

その街の門をくぐり抜けた瞬間、レインたちの耳に飛び込んできたのは、街のあちこちを巡る美しく澄んだ運河を流れる水音と、行き交う人々の穏やかで楽しげな笑い声だった。

石造りの美しい橋がいくつも架かり、建物の窓辺やバルコニーには色とりドリーの花々が飾られている。オルテナやメルトーナとはまた一味違った、どこか優雅で神秘的な雰囲気が漂う街並みに、一同はすっかり目を奪われていた。

「わぁ……! すごい綺麗な街だね! あっちの川には、お魚さんがたくさん泳いでるよ!」

ポルカはフワフワと空中を浮遊しながら、透き通るような運河の水面を覗き込んで嬉しそうに声を上げた。

『本当だね! 水がすごく冷たくて気持ちよさそうだし、何より街全体の匂いがすごく爽やかだよ!』

レインの肩の上にちょこんと乗ったファルも、小さな翼をパタパタさせながらクリスタリアの街並みをキョロキョロと見回している。

新しく仲間になったグリフォンの幼体・ギルは、先日の飛行特訓ですっかり自信をつけたのか、今ではレインの足元をトコトコ歩くだけでなく、時折ふわりと数メートルほど空中に飛び上がっては、近くの街灯の上の丸い装飾にとまって得意げに胸を張ってみせたりしていた。

「へへっ、どうだ! この街の空も、ボクの翼ならスイスイいけちゃうんだからね!」

『ギル、あまり街灯の上で調子に乗って飛び跳ねると、通行人のおじさんに怒られちゃうから気をつけるのよ』

ルナが優雅に歩きながら上品な声で注意すると、ギルは「はーい……」と大人しく地上に舞い降り、しっぽを小さく揺らした。その微笑ましいやり取りに、シルビアは思わずクスッと笑みをこぼした。

「本当に、メルトーナとはまた違った落ち着いた美しい街ね。水運が盛んだし、魔導具や魔法薬の素材も豊富に手に入りそうだわ」

シルビアは仕立ての良い旅装束の裾を整えながら、手元の魔導書にクリスタリアの街の構造を素早く書き留めていた。実家の呪縛を断ち切り、自分の意志でこの旅を続ける彼女の横顔には、かつての重苦しい影は一切なく、一人の優秀な召喚師としての輝かしい自信と誇りが満ちあふれていた。

「そうだね。まずは長旅の疲れを癒やすために、みんながゆっくり休める宿を探そうか。そのあとで、この街の『冒険者ギルド』に顔を出して、何か面白そうな依頼がないか探してみよう」

レインが穏やかな笑みを浮かべて提案すると、フェリルも「ワンっ!」と頼もしく一声吠えて賛同した。

一行は街の中心部へと続く大通りを進み、運河のすぐそばにある、白亜の美しい外観が特徴の落ち着いた宿に落ち着くことにした。

部屋の窓を開けると、クリスタリアの象徴である巨大な「瑠璃のるりのみずうみ」から吹く心地よい風が、部屋の中にふんわりと心地よい水音と涼やかな空気を運んできてくれた。

旅の疲れを美味しい夕食(クリスタリア名物の湖魚のハーブ焼きと、焼きたてのパン)でしっかりと癒やした翌朝。

レインたちは、街の南部にあるクリスタリアの「冒険者ギルド・支部」へと足を運んでいた。

水の都のギルドは、外観だけでなく内装も青を基調とした爽やかなデザインで統一されており、広々としたホールには多くの水魔法使いや冒険者たちが集まっていた。

「うわぁ、ここのギルドもすごく立派だね! オルテナの時とは大違いだ!」

ポルカがギルドの天井に描かれた美しい水の精霊の壁画を見上げながら感嘆の声をあげる。

「さて、今日の依頼板にはどんなものが貼られているかな……」

レインがギルドの中央にある巨大な掲示板の前に歩み寄り、ずらりと並んだ羊皮紙に目を走らせた。

薬草の採取や、湖畔周辺の小型魔獣の討伐、運河の整備に伴う安全確認など、商業都市メルトーナとはまた違った、水にまつわる多種多様な依頼が綺麗に整理されて貼られている。

その中の一枚の依頼書に、シルビアがふと目を留めた。

「……レイン、ちょっとこれを見てみなさい。クリスタリアならではの、少し変わった依頼が出ているわよ」

シルビアが指し示したその依頼書には、こう記されていた。

『依頼名:瑠璃の湖の深層調査および、水生魔獣の生態確認』

『依頼内容:近年、クリスタリアの命綱である瑠璃の湖の深部において、魔力の波長が不自然に乱れ、夜な夜な奇妙なうねりや、通常の水生魔獣とは異なる強い魔力反応が観測されている。街の安全と水質を守るため、湖の深層部に潜入して原因を調査し、必要であれば排除・浄化を行うこと』

「瑠璃の湖の深層調査……か」

レインは依頼書の文字をじっくりと読み込みながら、少し考え込むような表情を浮かべた。

「ただの魔獣討伐じゃなくて、湖の魔力の乱れを調査して浄化するってことは、僕たちの『青い魔方陣』の共鳴や浄化の術式がすごく役に立ちそうな内容だね」

『きゅっ! 湖の底の調査なんて、なんだか冒険っぽくてすごくワクワクする! もしかしたら、綺麗な水中のお宝とかもあるかもしれないね!』

ファルがレインの肩の上で小さな翼をパタパタさせながら、目をキラキラと輝かせた。

フェリルも「くぅん」と前足を軽く鳴らし、水辺の探索に向けた準備万端といった様子を見せる。

ギルも「ボクも行く! 水の中はちょっと苦手かもしれないけど、空から湖の上を偵察する役目なら任せてくれよ!」と、すっかりやる気満々で翼を大きく広げてみせた。

ルナは優雅に尻尾を揺らしながら、少しだけ慎重なトーンで言った。

『水の中や湖の深層というのは、地上とは勝手が違う魔力の淀みが溜まりやすい場所よ。けれど、今の私たちなら、レインの青い魔方陣とそれぞれの特性を組み合わせれば、どんな異変だって必ず乗り越えられるわ』

ルナのその心強い言葉に、シルビアもうなずいた。

「ええ、私も同意見よ。街の治安や水質を守る重要なクエストだし、名門の看板に頼らなくても、私たちの実力がどれだけ通用するか試すには最高の舞台だわ」

仲間たちの全員が前向きな闘志とワクワク感を抱いているのを感じ取り、レインは柔らかく微笑んだ。

「よし、決まりだね。この『瑠璃の湖の深層調査』のクエストを受理してもらいに行こう!」

レインたちが受付窓口へと向かうと、担当の職員は少し驚いたような顔をしながらも、彼らのこれまでの華々しい実績(オルテナでのゴブリン討伐、星降る洞窟の調査、そして霧幻の谷の魔力暴走鎮圧)がしっかりと記されたギルドカードを確認し、深くうなずいた。

「……レイン様のパーティですね。霧幻の谷の一件は、こちらの支部でも大きな話題になっておりました。瑠璃の湖の深層は、最近魔力の淀みが強く、熟練のパーティでも慎重になる場所です。どうか、お気をつけて調査をお願いいたします!」

こうして、水の都クリスタリアにおけるレインたちの最初の本格的な大冒険――**「瑠璃の湖の深層調査クエスト」**が、正式に受理されたのだった。

街の外に広がる、太陽の光を受けてどこまでも青く澄み渡った瑠璃の湖。その水面の下には、一体どんな神秘と、そしてどのような新たな試練が待ち受けているのだろうか。

最強の絆で結ばれた2人と5匹の新しい挑戦が、今、静かに幕を開けようとしていた。

後書き

第22話「水の都クリスタリアの平穏と、新たな依頼」を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

美しい水の都「クリスタリア」に無事に到着し、新しい宿や街の雰囲気を満喫しながら、次の大きな舞台となる「瑠璃の湖の深層調査クエスト」を受理するエピソードを描かせていただきました。ギルやファルたちの楽しげな日常シーンや、シルビアとルナの頼もしいサポートがしっかりと伝わっていれば幸いです!

次回の第23話では、いよいよ瑠璃の湖の水中や深層部へ踏み込み、そこで待ち受ける神秘的な水生魔獣や新たな魔力の異変との遭遇に繋がっていきます……!

ブックマークや評価、いいねなどをポチッと押していただけると、執筆のモチベーションがものすごく跳ね上がります!

それでは、第23話でお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。