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使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~  作者: チョコ大福


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第21話:クリスタリアへの道、そして空への第一歩

登場人物

レイン・アークライト

主人公。アークライト家を出奔し、ミニドラゴンのファル、ウルフのフェリル、小型ゴーストのポルカ、召喚師の少女シルビア、白銀の狐ルナ、そしてグリフォンの幼体ギルと共に新しい旅を続ける心優しき召喚師。

ファル

レインの相棒である手のひらサイズのミニドラゴン。先輩お兄ちゃんとして、新入りのギルに空を飛ぶコツを教えようと張り切っている。

フェリル

レインの相棒である小さなウルフ。優れた感覚で道中の安全を守りつつ、頑張るギルを温かく見守る。

ポルカ

小型ゴーストのマスコット。ギルと一緒に空を飛ぶ練習を応援し、楽しげなムードメーカーとしてパーティを盛り上げる。

シルビア・ローゼンベルク

実家の呪縛を断ち切り、新たな一歩を踏み出したエリート召喚師の少女。ルナと共に、パーティの知的なサポートを行う。

ルナ

シルビアの相棒である気高く美しい白銀の狐。知性と優しさで、ギルの成長や子供たちの無邪気な様子を微笑ましく見つめる。

ギル

誇り高い魔獣「グリフォン」の幼体。空の王様を目指して、レインたちの特訓を受けながら日々奮闘している。

前書き

『使役を捨てた召喚師の成り上がり ~最弱のミニドラゴンと、虐げられた仲間たちと歩む世界改革~』第21話をお届けします!

前回、まだうまく飛べないけれど誇り高いグリフォンの幼体・ギルを新しい仲間として迎え入れたレインたち。第21話では、美しい湖畔の街「クリスタリア」へ向かう道中を舞台に、ギルが空を飛ぶための特訓に挑む姿や、賑やかなパーティの温かい絆、そして次の街での新たな出会いの予感を描きます。ぜひじっくりとお楽しみください!

険しい山岳地帯を抜け、緑豊かな丘陵地帯を下っていくと、前方の視界が一気に開けた。

そこに広がっていたのは、太陽の光を浴びてまるで無数の宝石を散りばめたように青く美しく輝く、巨大な湖だった。その湖畔の向こう側には、水の都としても知られる美しい街――クリスタリアの尖塔や白い石造りの建物群が、遠くの地平線に優美なシルエットを描いていた。

「わぁ……! すごい綺麗な湖だね! あんなに水がキラキラしてるよ!」

ポルカはフワフワと空中に飛び上がり、目を輝かせながら湖のほうを指さした。

『本当だね! 空気がすごく澄んでいて、風が気持ちいいや!』

レインの肩の上からファルも小さな翼をパタパタさせながら、心地よさそうに大きく息を吸い込んだ。

クリスタリアへ続く湖畔の街道は、木漏れ日が優しく差し込む穏やかな小道だった。長旅の疲れを癒やすような静かな環境の中、今日のパーティの空気はいつも以上に賑やかで、笑い声が絶えなかった。

なぜなら、新しく仲間になったグリフォンの幼体・ギルが、朝から並々ならぬ闘志を燃やして大はりきりだったからだ。

「よし! クリスタリアの街が見えてきたってことは、ボクが空の王様になる日も近いってことだな! みんな、見ててくれよ! 今日こそ絶対に、カッコよく飛んでみせるからさ!」

ギルは黄金色の羽毛を逆立て、湖畔の開けた芝生の広場でブルッと身震いさせると、気合十分といった様子で大きく前足を地面に踏み鳴らした。

先日の崖からの落下事件以来、レインたちに温かく迎え入れられ、美味しい食事を共にしてすっかり元気を取り戻したギルは、自分の夢である「空を自由に飛ぶこと」に向けて、今日から本格的な飛行特訓を始めることにしていたのだ。

「ふふ、ギル、あまり無理をしてまた転げ回ったりしちゃダメだよ。基礎から少しずつコツを掴んでいこうね」

レインが優しく微笑みながら声をかけると、ギルは少し誇らしげに胸を張った。

「だいじょうぶさ、レイン! ボクは誇り高きグリフォンの子供なんだからね! 先輩たちの技をしっかり見て盗むんだ!」

その「先輩」と呼ばれたファルは、少し照れくさそうにしながらも、フイッと胸を張り、お兄ちゃん風を思いっきり吹かせながらギルの前にトコトコと歩み寄った。

『きゅっ! ギル、いいかい? 空を飛ぶっていうのは、ただ羽をバタバタさせればいいってもんじゃないんだ。風の流れを感じて、自分の体と魔力をフワッと一体にする感じなのさ! ほら、僕みたいにこうやって……!』

ファルは小さな翼を器用にパタパタさせ、地面からふわりと数メートルほど垂直に飛び上がって、空中できれいに一回転してみせた。

『おぉー! すごいぞ、ファル先輩! さすがミニドラゴン様だ!』

ギルは目をキラキラと輝かせながら、ファルの華麗な飛行姿をパチパチと小さな前足で拍手して称えた。

その様子を、少し離れた木陰から、シルビアとルナが温かい眼差しで見守っていた。

「まったく、ファルもすっかりお兄ちゃんとしての自覚が芽生えて誇らしそうね。でも、ギルがあんなに素直に先輩風を受け入れるなんて、微笑ましい光景だわ」

シルビアがクスッと笑いながら言うと、白銀の狐のルナは優雅に尾を揺らしながら頷いた。

『ええ、本当にそうね。こうして教え合い、笑い合う姿は、いつ見ても胸が温かくなるわ。……それにしても、あの子が自力で飛べるようになるのも、そう遠くないかもしれないわね』

ルナの言葉通り、ギルはファルのアドバイスを真剣な表情で聞き、頭の中で何度もイメージトレーニングを繰り返していた。

「なるほど……風の流れを感じて、魔力と一体に……。よし、やってみるぞ!」

ギルは再び気合を入れ直すと、地面を勢いよく蹴り上げ、全神経を集中させて小さな翼を力強く羽ばたかせた。

バタバタバタバタッ!!

今度はただ闇雲に暴れるのではなく、ファルの教えを思い出しながら、体全体のバランスを慎重に保とうとしている。ギルの体が、先日のようにすぐに落下することなく、地面から半メートル、一メートル、そして――ふわりと、わずか二メートルほどの高さまで宙に浮き上がったのだ!

「あっ……! 浮いた! ボク、いま空中に浮いてるぞ……!」

ギルが嬉しさのあまり驚きの声を上げた瞬間、ほんのわずかな気の緩みからバランスが崩れ、体勢がガクッと傾いた。

「あわわわっ、やっぱりダメ――っ!?」

そのままドテッと地面に落ちそうになったその時だった。

「危ない!」

レインが素早く一歩踏み出し、地面にそっと左手を滑らせた。

――シュウッ!

レインの足元から鮮やかに広がった青い魔方陣の柔らかな光が、ギルの体をふんわりと優しく包み込み、落下する衝撃を完全に和らげて地面へと着地させた。

「ふう、惜しかったね、ギル。でも、さっきのはすごく綺麗に体が浮いていたよ。いい調子じゃないか」

レインが優しく頭を撫でてやると、ギルは少し悔しそうに地団駄を踏みながらも、どこか嬉しそうな、手応えを感じたような顔をした。

「くぅ〜、あと一歩だったのに……! でも、風を掴む感覚が、さっき少しだけ分かった気がするんだ! もう一回、もう一回だけ挑戦させてくれ!」

『うんうん、その調子だよ、ギル! 諦めなければ絶対に飛べるようになるからね!』

ファルも空中でパタパタと飛びながら元気づけ、ポルカも『がんばれー、ギル、ファイトだよー!』と小さな霊力の光をパッと散らして応援した。

フェリルも「ワンっ!」と力強く一声吠え、ギルの背中を押すように優しく鼻先を近づけた。

仲間たちの温かい声援と、レインの青い魔方陣のサポートを受けながら、ギルは何度も何度も立ち上がり、空へ向かって飛び立つ特訓を繰り返した。

転んでは立ち上がり、風の感触を肌で覚え、自分の小さな翼の動かし方を必死に調整していく。その姿には、かつて崖の上で泣きべそをかいていた時のような情けなさはなく、誇り高き空の王様を目指す者としての確かな光が宿っていた。

太陽が少しずつ傾きかけ、空がオレンジ色から優しい茜色へと染まり始める頃。

ギルは汗だくになりながらも、ついにその成果を実らせようとしていた。

「今度こそ……! 風よ、ボクを乗せてくれっ!」

ギルが最後の一踏みで地面を蹴り上げ、これまでにないほど美しく、力強く翼を大きく振り下ろした。

――シュウゥッ……!

レインの足元から自然と広がった青い魔方陣の光が、ギルの背中をそっと押し上げるように共鳴し、その小さな体をしっかりと空中へと支え上げた。

バサッ、バサッ……!

今度は崩れることなく、ギルはしっかりと空中でバランスを保ち、湖面の上をふわり、ふわりと見事な軌道を描いて数メートルほど前へ滑空してみせたのだ!

「わぁ……! 見てくれ! ボク、飛んでる! ちゃんと空を飛んでるぞ――っ!!」

ギルが興奮と歓喜に満ちた声を張り上げながら空を舞うと、地上で見守っていた一同から一斉に歓声と拍手が巻き起こった。

『やったね、ギル! すごいすごい!』

ファルが嬉しそうにギルの横へ飛んでいき、並んで空をクルリと回ってみせる。

ポルカも『ギル、大成功だねー! おめでとう!』と両手をパチパチ叩き、フェリルも嬉しそうに遠吠えをあげた。

シルビアとルナも優しく微笑み、ギルの快挙を祝福した。

「よくやったね、ギル! 最高の初飛行だったよ!」

レインが両手を広げて迎えると、ギルは勢いよく空からふわりと降りてきて、レインの胸の中に飛び込んだ。

「やったよ、レイン! ボク、本当に飛べたんだ! みんな、ありがとう……!」

嬉し泣き混じりのその声に、レインは愛おしそうにギルの頭を優しく撫でた。

初飛行の成功という最高の達成感に包まれながら、夕暮れの湖畔へと歩みを進めるレインの一行。

その視線の先には、夕日に照らされて黄金色と白銀色に美しく輝く、湖畔の街クリスタリアの巨大な城壁と美しい街並みが、いよいよはっきりと姿を現していた。

新しい仲間ギルが空へ羽ばたき、絆の輪がさらに大きくなった最強のパーティ。

この美しい水の都クリスタリアでは、一体どんな新しい出会いや、胸躍る冒険が彼らを待っているのだろうか。

物語は、さらなる輝きを放ちながら、次のエピソードへと静かに幕を開けていくのだった。

後書き

第21話「クリスタリアへの道、そして空への第一歩」を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

美しい湖畔の街「クリスタリア」へ向かう道中を舞台に、新しく仲間になったグリフォンの幼体・ギルが、ファルやレインたちに励まされながら飛行特訓に挑み、ついに見事に空を飛ぶことができるようになる感動と成長のエピソードを描かせていただきました。ファルのお兄ちゃんっぷりや、パーティ全体の温かい絆がしっかりと伝わっていれば幸いです!

次回の第22話では、いよいよ湖畔の街クリスタリアに到着し、そこで待ち受ける新たなクエストや、街の人々との出会い、そしてさらなる冒険の波乱へと繋がっていきます……!

ブックマークや評価、いいねなどをポチッと押していただけると、執筆のモチベーションがものすごく跳ね上がります!

それでは、第22話でお会いしましょう!

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