完璧な計画(2)
【死亡回数:48】
目が開く。
再び、虚無が迎える。
最初にすることは、自分の体を確認することだ。心配しているわけではない。ただ、もう癖になっているだけだ。
すべての部位が残っていることを確かめてから、安堵の息を吐く。
本来ならする必要もない。これで四十七回目の死なのだから。
だが、ゆっくりと口元に笑みが広がる。
「やった」
抑えきれずに、その言葉が口をついて出る。
この試練に入ってから、初めて何かを成し遂げた。
大したことではない。だが、何もないよりはずっとましだ。実験として生み出した技術が、実際に機能した。
技術に名前をつけると発動しやすくなる。この技術を生み出すきっかけとなった理由に敬意を表して、この技を「デッドタイム」と呼ぶことにする。
彼は依然として速かったが、それでも動きを追うことができた。計画における大きな一歩だ。頭の中で記憶を再生する。剣を流れるマナ、構えの変化、握りしめる手の力。
笑みが消える。
「……それでも、まだ足りなかった」
攻撃を見ることと、攻撃を避けることは、まったく別物だからだ。
ため息をつく。
「また一つ、解決すべき問題が増えたか」
計画を成功させるには、まずこの問題を解決しなければならない。
足元の光が広がり始める。
次の瞬間、戦場が戻る。
深紅の空が頭上に広がり、炎の川が果てしなく燃え続けている。壊れた構造物へと歩き、案の定、その頂上に人影が立っている——
オニキス。
いつもと同じだ。
即座に死体の山の陰に退く。
それからマナを抑える。
馴染みのある脱力感が続く。
よし。少なくともすぐに見つかることはない。
今のところは。
地面に座り、足を組んで考え始める。およそ四分はある。無駄にはできない。
最初の考えは単純だ。
脳が体より速いなら——
体も同じ速度にすればいい。言った通り、単純な話だ。
筋肉にマナを循環させ始める。
もっと、もっと、もっと、もっと、さらに。
脚の筋肉がけいれんし始める。
すぐに痛みが来る。さらに痛みが続き、さらに——
「……やりすぎた」
素早く止める。
痛みは消えない。むしろ悪化するばかりだ。
下を見る。
脚に小さな裂け目が走っている。
血がゆっくりと染み出してくる。
「……そうか」
無理に押し通せば——
オニキスに手をかける前に、自分で体を引き裂いてしまうだろう。
今回は、そんな死に方はしたくない。
数分後、再び試みる。
今度は右手だけを強化する。痛みはあるが、脚に比べればはるかに軽い。
興味深い。
マナの量ではなく、注入する場所が重要なのかもしれない。
もしそうなら、指や足の指のような小さな部位ならどうなる? 何か変わるだろうか?
すぐに指にマナを注入して試す。思った通りだ。
痛みはまったくない。
よし。だが、実際に動けるかどうかを試さなければならない。
その瞬間、デッドタイムを発動する。
顔をゆっくりと撫でる風を感じ、炎の爆ぜる音が変わり始める。
確かに、すべてが止まる。
目を手に向け、人差し指にマナを注入する。
そして弾く。
指は以前より明らかに速く動いている。だが、オニキスの攻撃に反応できるほどの速度ではない。
何かを考える前に、影が覆いかぶさる。
しまった。 油断した。
大きなミスだ。
- - -
【死亡回数:49】
「だめだったな」と、虚無の中で足を組んだまま独りごちる。
必要な速度には達していないが、それでも進歩ではある。
「だが、急がなければ」
ここから出るには、この試練を終わらせなければならない。
だが、完了しても何か得られるのだろうか? 「死を拒む者」という称号を得て、この試練に招かれた。だからこれまで、報酬があるはずだ、あるいは強くなれるはずだと仮定して続けてきた。
だが実際にやっているのは殺され続けることだけだ。デッドタイムを開発したから、何かはあると言えるが。
とにかく本題に戻ろう。報酬を考える前に、まず計画の障害を乗り越えなければならない。
よし。体の小さな一点にマナを集中させれば痛みはなく、デッドタイム中でも腕全体よりずっと速く動かせる。
これだけでも大きな突破口だ。だが、動きの問題は解決しても、攻撃にはあまり役立たない。
少なくとも、剣を使ったり近距離に踏み込むような攻撃には。
- - -
マナを抑え、即座に壊れた構造物へと走る。いつも通り黒い騎士がいるので、素早く死体の山の陰に隠れる。
「よし」
正直、少し怖い。初めて実際に彼を攻撃するのだから。
だが選択の余地はない。いつかはしなければならないことだ。なら今やるしかない。
深く息を吸い、空中に飛び出す。
「ファング」
激しいマナが周囲に集まり、爪と翼の形を取り始める。何もないところから展開していく。
一瞬で、ファングの背に自分が立っていることに気づく。
彼は低い唸りを上げて空を舞い、凶暴な目をオニキスに固定する。
即座にデッドタイムを発動し、オニキスの動きを追う。ファングのことは心配いらない。彼は俺と繋がっているから、デッドタイムを使えば同じものを知覚できる。
「ファング、ブレス」
言葉が口を離れた瞬間、ファングの顎が開く。炎と影の奔流が空を裂き、恐ろしく速い速度でねじれながらオニキスへ向かう。
それだけではない。すぐに中指と人差し指を前に突き出す。
赤みを帯びた小さな黒い球体が指の近くに浮かぶ。
「ヴォロリン」
球体が闇の光のビームのように撃ち出され、光そのものを貪るかのように進む。大きさは炎と同じだが、より濃密で焦点が定まっている。
オニキスはただ立ち尽くしたまま、炎と影のブレスと俺の術が近づいてくるのを見ている。そして——
消えた。
……は?
何が起きた? 炎と攻撃は彼に向かって進んでいたのに、痕跡もなくただ……消えた。
防いだのか? いや、そうなら衝撃波や微かなマナの残滓を感じるはずだ。何かを感じるはずなのに——
消えた。最初から存在しなかったかのように。
下でファングがわずかに首を傾げる。俺と同じく困惑しているのがわかる。
何が起きたのか考えようとする前に、オニキスが動く。
金色の光が空を閃き、気づいたときにはオニキスはファングの顔の真正面にいた。デッドタイムのおかげで、ようやく追いつけられた。
オニキスが手を伸ばす。
「動け!」
ファングが横に身をよじろうとするが、オニキスの手がまるで予め動きを読んでいたかのように追ってくる。
オニキスが二本の指でファングの鼻先に触れる。それだけで、ファングが消える。
消えた。俺たちの攻撃と同じように。一秒前まで四十フィートのドラゴンが下にいたのに、次の瞬間には空中に立っているだけだ。即座に地面へ落下し始める。
ファングが俺に戻ってくる感覚がない。どこか遠い場所へ行ってしまったようだ。まだ繋がっている感覚はあるが、その繋がりが……空虚だ。
地面に落ち、一度、二度転がってから完全に止まる。デッドタイムを解除して上を見上げる。オニキスが空中に浮かんでいる。翼が黄金のように輝いている。一瞬意識が飛びそうになるが、彼が腰の剣の柄に手をかけたのを見て、すぐに意識を取り戻す。
即座に再びデッドタイムを発動する。その瞬間、オニキスが剣を振るうのが見える。
今しかない。
足の指にマナを集中させる。
その瞬間、オニキスが鞘から剣を抜き、俺に向かって振り下ろす。
金色の光が見える。すでに四十九回俺を殺してきた光だ。だが四十七回目の死のときと同じく、今は見える。
金色の線が胸に向かって伸びてくる。
重心を移す。跳躍も突進もしない。体が許す最小限の再配分だけを行う。
かかとがほんの一瞬浮き、足の指が地面を捉え、そして離す。ほとんど意味がないほど小さな動きの中で、すべてを終える。
金色の光が、本来なら胸があったはずの場所に届く。だがそこはもうない。
斬撃はなおも続き、熱を感じるほど近くを通るが、それでも俺には当たらない。
一瞬、静寂だけが残る。そして——
消えた。
背後のひび割れた石を真っ二つに裂く。四十九回俺を裂いたのと同じように。
構造物が崩れていく。
オニキスの刃が振り下ろしの途中で空中に止まる。彼が止まったわけではない。デッドタイムが世界の息を止め続けているだけで、オニキスのような存在でさえ、今起きたことを処理するのに数秒は必要なのだ。
正直、うまくいくとは思っていなかった。十箇所の小さな圧力点。それだけで彼を避けられた。力でも速度でもなく、体に対する精密な制御だけで。
「……避けた」
声は、欲しいものを手に入れた生意気な子供のように出る。だが正直、この言葉を言う方法はこれしかなかったのかもしれない。
四十九回、この攻撃は逃げ場もなく俺を貫いてきた。だが今回は、俺を切り裂かなかった。
笑いたい。叫びたい。子供のように小さな勝利に興奮したい。だができない。そうすればデッドタイムが解除され、オニキスが追撃してきたときに間に合わないかもしれない。
オニキスが振り返り、俺を見る。
言葉もテレパシーも発しない。見たところ、再計算しているようだ。今起きたことは起きてはならなかったことであり、二度と起きないと認めようとしているように見える。
「よし、一回目だ」
百万に一つの確率だったが、それでも確率は存在した。そして俺はその一回を掴み、実行した。
周囲の時間が急に前へ進み、本来の速度に戻る。
しまった。少し気が緩んだ。
彼はすでに動いている。
今度はかかとにマナを叩き込みながら後ろへ飛び退く。世界の速度が再び遅くなり始める。




