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混沌の神の再生  作者: 桐ヶ谷本真志
死の炎。
27/30

死(3)

[ 死亡回数:45 ]





長いため息をついた。





四十五回の死。





四十五回の失敗。





もう、怒りすら湧いてこない。





ただ、疲れただけだ。





何かを掴んだと思った瞬間。





やっと生き延びる方法を見つけたと思った瞬間。





そのたびに——





死んだ。





最初の数回は、ほとんど恥ずかしくなるほどだった。





- - -





時間が巻き戻ることを確かめたあと、解決策は単純だと思った。





名前を口にしない。知るはずのないことを話さない。





要するに、普通の子供を演じればいい。





簡単だ。





……はずだった。





だが、俺は普通の子供ではなかった。





その気づきのあと、最初の死は一分も持たなかった。





彼に近づき、





怯え、混乱したふりをした。





すべてが完璧に進んでいるように見えた。





すると彼が、単純な問いを投げかけてきた。





「怖いのか?」





口からではなく、頭の中に直接響く声。テレパシーだ。





理由はわからない。考える暇もなかった。





即座に「はい」と答えた。





その瞬間、殺された。





最初は理由がわからなかった。





すぐに気づいた。





声が震えていなかった。





鼓動も変わっていなかった。





怖いと言ったのに、





体はそう言っていなかった。





奇妙な話だ。あの瞬間、本当に怖かったのに。





よし、次はそこを直そう、と思った。





次の死は、ずっと長く続いた。





かなり長く。





問題は解決したつもりだった。





今度は、自分に強制的にパニックを起こさせた。





恐怖を演じきった。抵抗も自信も、一歩たりとも見せなかった。





すると彼が歩き始めた。





どこへ向かうのかはわからない。ただ、ついていかなければならないことだけはわかっていた。ついていかなければ怪しまれる。だから、頼る者のいない子供のように、彼の後ろをついていった。





自分の過ちには気づかなかった。





オニキスは気づいていた。





戦場には、壊れた武器が散らばっていた。





朽ちた鎧。





死体。





少し気が緩んで、実際にいくつかの武器に目を向けてしまった。





地面に刺さった剣の作りを識別してしまった。





何世紀も前の鍛冶技術だ。





平和を望む種族にしては、武器の鍛え方が見事すぎる。





気づいたときには、すでに虚無に戻されていた。





どうやら七歳の子供は、古代の装備を見分けたり、まして興味を持ったりしてはいけないらしい。





知らなかった。





別のときは、ほぼ一時間生き延びた。





まるまる一時間。





そのときは、やっと成功したと思った。





それから攻撃を受けた。





……少なくとも、そう思った。





燃える瓦礫の破片が空から落ちてきた。





本能が動いた。





考えるより先に体が動いた。





それを避けるための、正確な動き。





数えきれないほどの戦いを経て洗練された動き。





オニキスはすべてを見ていた。そして、俺を殺した。





他にも死はあった。





あまりにも多すぎるほど。





死ぬたびに計画を修正し、犯した過ちを次の計画に持ち込まないようにした。





いつか、ふと頭に浮かんだ問いがある。





いつから、死を恐れなくなったのだろう?





その問いに、不意を突かれた。





初めて死んだときは、恐ろしかった。





二度目も大差なかった。





十回目ですら、胃がねじれた。





だが二十一回目には、死ぬという考えがほとんど影響しなくなっていた。





- - -





「……はあ」と、現在の俺は独りごちる。





いつからだろう?





どの時点で、死が普通になったのだろう?





苦い笑みが浮かぶ。





「まあ」





声が妙に落ち着いている。





「ここまで追い詰めてきた相手は、初めてだ」





笑みが消える。





足元の光が再び広がり始める。





次の瞬間、戦場が戻る。





深紅の空、死体の山、炎の川——すべてが、まったく同じだ。





いつもと同じ。





歩き始める。





やがて、壊れた石造りの構造物が視界に入る。





いつも死んだときと同じように。





そして、いつも死んだときと同じように——





彼がいる。





石の上に動かず立っている。まるで誰かを待っていたかのように。





まるで、俺が来ることを知っていたかのように。





ゆっくり近づく。いつものように混乱したふりをし、いつものように怯え、いつものように惨めに振る舞う。





すべてが、何十回も繰り返してきた通りに進む。





——そのとき。





突然、一つの考えが浮かぶ。





必死で、しかも outright 馬鹿げた考えだった。





だが四十五回死んだあとでは、残っているのは必死さだけだ。





自分を抑えきれず、静かに呟いた。





「……寂しいんでしょうね」





初めて、オニキスが反応した。





わずかに。





だが、十分だった。





目を見開く。





反応した。





勢いが消える前に続ける。





「つまり……」





後頭部を掻く。





「俺が見るたびに、あなたはここに立っている」





言葉をゆっくりと紡ぐ。





「いつも、一人で」





戦場が静まり返る。





炎の音さえ、どこか小さくなったように感じる。





数秒間、オニキスは何も言わない。





それから——





「……寂しい」





彼が口を動かして話したのは、これが二度目だ。テレパシーではなく。





だがその言葉の言い方は、長いあいだその言葉を聞いていなかったかのように聞こえた。





俺は頷く。





「もしずっと同じ場所に立ち続けていたら……」





頭を下げる。





「俺だって、寂しくなると思う」





沈黙。





一瞬だけ——





ほんの一瞬だけ——





成功したと思った。戦士でも執行者でもない、鎧の奥にいる「人」を見つけたと。





それからオニキスが口を開く。





「……面白い」





心臓が激しく打ち始める。





面白い?





すると彼はゆっくりと視線を下ろす。





黄金の瞳が、互いに重なる。





そして突然——





一歩で、彼が目の前に現れる。





「……お前は誰だ?」と彼は尋ねる。





子供にではない。





俺に。





本物の俺に。





四十五回の死のなかで、初めて——





答えが出ない。





黄金の閃光が視界を埋め尽くす。





続いて、暗闇。





……





[ 死亡回数:46 ]





目が開く。





再び、虚無が迎える。





数秒間、動かない。





それからゆっくりと手を上げ、顔を覆う。





「……そうか」





声が疲れきっている。





ひどく。





長い息を吐く。





「交渉は通じない」





その言葉が、妙に安堵を運んでくる。





やっと何かを受け入れたような。





嘘も。





演技も。





策略も。





交渉も。





ただ、冷たく硬い現実だけ。





ゆっくりと手を下ろす。





頭の中に黄金の瞳が浮かぶ。





あの不可能な鎧。





あの不可能な力。





あの不可能な存在。





小さな笑みが浮かぶ。





「わかった」





立ち上がる。





鎧の奥の「人」に話しかけてみたが、それさえ通じないのなら——





「……獣を殺すだけだ」

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