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混沌の神の再生  作者: 桐ヶ谷本真志
死の炎。
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死(2)

意識が再び虚無へと戻る。


俺はすぐに自分の身体に触れ始め、本当にまだ生きているのかを確かめる


一分ほど経つと、俺は再び落ち着きを取り戻し始める。


「これで、死ぬのは二度目だ。」


あと何回死んだら、俺は本当に死ぬんだ?


当然、そんなことは望んでいない。そうなれば、神々への復讐を果たせなくなる。


今この瞬間でさえ、俺の苦境の原因は奴らだ。


だが……今はそれについて考えるのはやめよう。


この怒りは、奴らを殺す時まで取っておく。


それよりも、俺はどうやって何度も蘇っている?


死ぬたびに時間が以前の時点まで巻き戻っているのか?


それとも、死ぬたびに俺の魂が新しい身体へと移されているのか?


下手に危険を冒すべきじゃない。


それよりも重要なのは、どうやってオニキスに対抗するかだ。


最初に死んだ時は突然だった。まさか、俺が相手にすることになるのが奴だなんて思ってもいなかった。


それでも、俺が警戒していなかったとはいえ、一度目に俺を殺したという事実は驚くべきものだ。


だが、前回の死で分かった。


警戒していようがいまいが、奴にとって俺を殺すことは、虫を踏み潰すのと何も変わらない。


逃げるのはダメだった。


戦うという選択肢もない。


なら、残された唯一の手段は……話し合いを試みることだ。


この作戦が成功するのは、俺の最初の予想が正しければの話だ。


つまり、時間そのものが巻き戻っているのなら。


もし後者なら、交渉なんて論外だ。


結局、新しい身体に移されているだけなら、奴はこれまでの出来事を覚えていることになる。


そして、さっきも言ったが、奴は同じことを二度も聞いてくれるような奴には見えない。


俺の計画は、すべて最初の予想にかかっている。


前と同じように、足の裏から光が放たれ始め、次の瞬間には虚無が再び戦場へと変わる。


俺はすぐにオニキスの姿を探す。


だが、前と同じように、奴は死体の山の上にはいない。


俺が先に奴を見つけて近づかなければならない。


奴に先に見つけられる前に。


最初の二回は、奴が俺を見つけ、俺を殺した。


だが、分身から聞いた話によれば、これは「ある神」に命じられたことらしい。


仮に、その神が奴に伝えたのがそれだけだとすれば、今回の件とは無関係な人間を見逃すことも、そうおかしくはない。


もちろん、そんな証拠はどこにもない。


だが、とにかく、それはただの都合のいい願望に過ぎない。


考えてみれば、暗殺者が誰かを殺すよう命じられ、そこに偶然目撃者がいたとする。


その目撃者が一部始終を見ていたのなら、暗殺者がそいつを生かして帰すなんてありえない。


正直、俺の考えはかなり馬鹿げている。


だが、今の俺にとっては、どんなに馬鹿げた考えでも命を救ってくれる可能性がある。


もちろん、一つ問題がある。


俺はオニキスがどこにいるのか知らない。


俺の視線が戦場を駆け巡る。


死体の山。


炎の川。


大地に無数に突き刺さった武器。


何もない。


「……どこにいる?」


返事はない。


「……」


まあ、ここで突っ立っているだけじゃ、答えなんて返ってくるわけがない。


俺は戦場を歩き始める。


歩いていると、ふとある考えが浮かぶ。


いや……。


そもそも、どうしていつも奴のほうが俺を見つける?


一度目に死んだ時、俺は周囲を気にしていなかった。


二度目は、逃げた。


それも光速で。


それなのに、奴は俺を見つけた。


俺の足取りが遅くなる。


「……魔力。」


その言葉が、静かに口から漏れる。


これしか説明がつかない。


俺はずっと身体中に魔力を流し続けていた。


視力を強化していた。


ソニック・リープも発動していた。


オニキスほどの領域にいる奴からすれば、それほどの魔力は、夜の真ん中で燃え盛る焚き火と同じくらい目立つはずだ。


もしそうなら、魔力を抑えたほうが――


その思考はそこで途切れる。


なぜか。


単純だ。


見つけたからだ。


正確には、偶然出くわしたと言ったほうがいい。


俺の身体が凍りつく。


そこにいる。


壊れた石造りの建物の上に立ち、まるで彫像のように微動だにしていない。


その背後では、深紅の空が燃えている。


鎧の亀裂から放たれる黄金の光は、まるで神聖な光と見間違えてしまいそうだ。


奴の姿を見ただけで、俺の脚から力が抜けそうになる。


それでも、俺は無理やり前へ進む。


一歩。


そして、もう一歩。


まるで怯えた子供のように。


まあ、信じてくれ。


それを演じるのは難しくない。


何しろ、元は神だった魂を持っているとはいえ、今の俺は七歳の少年なんだから。


俺の計画はそこにかかっている。


これまでの俺は、奴から見ればずっと怪しい存在だった。


だから今回の作戦は、自分の年齢相応に振る舞うことだ。


馬鹿げている。


そう、馬鹿げている。


だが、まだ俺が試していないことはこれしかない。


それに、怖がる演技をする必要すらない。


俺は本当に怖いのだから。


やがて、俺は数メートル離れた場所で足を止める。


オニキスがゆっくりと視線を下ろす。


その黄金の瞳と、俺の目が合う。


一瞬、俺は死んだと思う。


だが――


何も起こらない。


よし。


とてもいい。


俺は緊張しながら唾を飲み込む。


「こ、こんにちは。」


返事はない。


「ぼ、僕の名前は……ノワール。」


この名前を名乗るのが一番いいだろう。


俺の本当の名前を知られる必要はない。


「迷子になったんです。」


それでも何もない。


俺は気まずそうに後頭部を掻く。


「家族と一緒にいたんですけど、その時、空から光が落ちてきて……」


人が突然、別の場所へ転移させられること自体は、珍しいことじゃない。


「……それで、ここに来ました。」


何もない。


だが、まだ俺は死んでいない。


それだけでも十分だ。


心臓が激しく鼓動する。


俺は少しだけ頭を下げる。


「こ、怖いです……」と、弱々しい声で言う。「お家に帰りたい……。」


俺は本当にそれらしく見せるため、偽の涙を浮かべ始める。


その瞬間。


気づけば、俺の上に影が落ちている。


俺はゆっくりと顔を上げる。


目の前に、オニキスがいる。


どうやって?


動いた音すら聞こえなかった。


「た、助けて……くれますか?」


次に口から出た言葉は、かなり情けないものだった。


だが、ここまで来た以上、もう止めるわけにはいかない。


しばらく、何も起こらない。


最初は思った。


まずい。


殺される。


だが、驚いたことに――


奴は頷いた。


……成功した。


本当に成功した!


俺の馬鹿げた作戦が、本当にうまくいった。


まさか、自分が子供だったから命を助けられる日が来るなんて。


いつか、この小さな身体が俺の死因になると思っていた。


それなのに今日は、この身体が俺を救った。


もしかすると、小さい身体にも多少は利点があるのかもしれない。


だが、それは今は置いておこう。


今のところ、奴は俺を助けることに同意した。


だが、俺は話を全部でっち上げている。


そして、ここは試練の中だ。


……危ない。


忘れるところだった。


「ありがとうございます、オニキスさん。」


そう言っておく。


俺を、年長者に礼儀すら示せない失礼なガキだと思われたくない。


だが――


その言葉が口から出た瞬間。


すべてが変わる。


空気が凍りつく。


笑顔が消える。


血の気が引く。


鎧の内側で輝いていた黄金の光が、さらに強くなる。


……まずい。


俺はどれだけ馬鹿なんだ?


俺の予想が正しいとすれば、これは俺と奴が初めて出会った瞬間だ。


それなのに、今まで奴は自分の名前を名乗っていない。


俺は、とんでもない間違いを犯した。


次の瞬間。


黄金の線が俺の首を横切る。


そして、再び闇が訪れる。


【死亡回数:3】



---


俺の目が見開かれる。


再び、虚無が俺を迎える。


これで三度目の死だ。


だから今回は、身体を確認することすらしない。


全部無事なのは分かっている。


それでも俺は、反射的に膝をつく。


数秒間、ただ虚無を見つめる。


そして――俺は笑い始める。


乾いた、疲れ切った笑い声。


「……俺の考えは、正しかった。」


時間が巻き戻った。


本当に巻き戻ったんだ。


これで、この試練に存在する一つの機能を確認できた。


俺は、生き残りたいのなら何を言ってはいけないのかも分かった。


俺は立ち上がる。


「今度こそ……」


俺は果てしない闇を見つめる。


「俺が勝つ。」

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