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混沌の神の再生  作者: 桐ヶ谷本真志
死の炎。
25/30

死

私は膝をつくと、本能的に体を触り始める。


そうしなければ不自然だ。たとえ私であっても。


結局のところ、胸を貫かれ、頭を体から引きちぎられた記憶があるのだから。


胸に手を当てると、あるはずの穴は完全に消えている。


頭はもちろん、まだ体に付いている。


しばらく落ち着いてから、ようやく周囲を見回す。再び、終わりなき闇の虚空の中にいる。


ゆっくりと立ち上がる。誰の姿もない。


クローンはどこに行った?


システムからメッセージが浮かぶ。


【死亡回数:1】


死亡回数……何だそれは?


死について言えば、あの攻撃で死んだと確信していた。なのに今、私は生きていて、無事だ。


「……クローンが見せたのは、ただの幻覚だったのか?」


クローン自体が幻覚だった可能性もある。


足の裏から光が放たれ始める。


やがて光は虚空全体に広がり、数秒のうちに虚空は先ほどと同じ戦場へと変わる。


念のため空を見上げる。案の定、紅い空と整列した惑星がそこにある。


地面に突き刺さった武器もそのままだ。唯一の違いは、クローンの姿がないことだけ。


『生き残れるなら、生き残ってみろ』


クローンが姿を消す前に私に放った最後の言葉だ。


よし、状況を整理してみよう。


クローンが私をここに連れてきた。


それからオニキスが現れた。


そして私は死んだ。


……少なくとも、そう思っている。


戦場を見回し、黒い鎧の……オニキスと名乗った者を探す。


数秒で死体の山を見つけるが、先ほどと違ってオニキスはそこにいない。


悪い知らせだ。


最初の時は油断していて一瞬で殺されたが、少なくとも彼の位置は分かっていた。今回はどこにもいない。


ここにいてはいけない。


「ソニック・リープ」


【スキル:ソニック・リープが発動】


足元の地面が爆発する。


世界が紅と黒のぼやけた景色となり、戦場を駆け抜ける。顔を切るほど強い風が吹きつける。


一瞬、振り返って彼が後ろにいないか確認する。確かに誰もいない。それでも……


遅すぎる。


脚にさらにマナを集中させる。無理な負荷で脚が激しく熱を帯びるが、それでも無理やりマナを注ぎ込む。


ドカン!


背後で空気が割れ、私は紫の光の残像のように戦場を駆け抜ける。


どこへ走っているのかさえ分からない。必要なのは距離と時間だけだ。


考える時間を稼ぐために。


エクリプスの時はオーバーライドで勝てる可能性があったが、オニキス相手にオーバーライドを使っても勝ち目はないと分かっている。


それに、最近このスキルを使いすぎている気がする。オニキスのような強敵相手でも、他の手段がすべて失敗した時だけにしたい。


それに、クローンは「彼に対して生き残れ」と言っただけで、倒せとは一度も言っていない。今できる推測は、一定時間生き延びることだけが条件だということだ。


それが唯一の希望だ。


戦場を走り続け、生き残る方法を考えていると——


ドカン!


背後の空気が爆発する。


その衝撃だけで体勢を崩される。


振り返るが、何もいない。


念のため。


わずかなマナを目に集中させ、視力を強化する。


戦場が即座に鮮明になる。


元いた死体の山は、もはや遠くに小さく見える。炎の川と壊れた武器の野原が間に広がっている。


光速で走ったことで、本来なら何日もかかる距離を一瞬で越えた。


なのに——


何かがおかしい。


目を細める。


塵だ。


さっきまで立っていた場所から巨大な塵の雲が立ち昇り、紅い空へと塔のように伸びている。


それから——


塵の下から、二つの輝く金色の炎の目が現れる。


体が思考より先に動く。


素早く体をひねり、横へ跳ぶ。


ドカン!


黒い刃が、一瞬前まで私の頭があった空間を切り裂く。


空が裂け、宇宙の広がりが覗く。


衝撃波が戦場を横断し、死体の山を消し、炎の川を宙へ打ち上げる。


どうやって? 彼が動く瞬間を一度も見ていない。


黒い鎧の姿、オニキスが目の前に立ち、刃を構えている。


炎のような金色の目が、私の魂を貫くように見つめる。


彼を見ただけで体が震え始める。


くそ。


逃げようとするが、体は膝をついてしまう。


オニキスは剣を上げ、空を指す。


黒い刃が金色の輝きを帯び始める。


世界全体が暗くなり始めるが、剣の光だけが暗くなる空と対照的にますます明るく輝く。


「わ……わ……わ」


言葉を紡ごうとするが、ぐちゃぐちゃになる。


一瞬、オニキスが刃をわずかに下げ、私の言葉を聞こうとしているように見える。だが言葉が出ないまま、彼は刃を元の位置に戻す。


待て、まさか——。


可能性は低いが、今のわずかなためらいを見て、今まで考えもしなかったアイデアが浮かぶ。


彼と交渉する余地があるのでは。


当然、今まで思いつかなかった。オニキスが放つ圧倒的に危険なオーラの前で、話し合いなど思いつくわけがない。


それに、たとえ可能でも、話す時間はもう終わっている。一度試みたが恐怖で失敗し、今の状態で何か言えるかも分からない。


それに、彼が二度目に話を聞いてくれるようには見えない。


オニキスが一振りで空を弧を描くように斬る。


一瞬、何も起こらない。


それから——


本能が爆発する。


動け。


動け!


もう一度ソニック・リープを発動しようとする……が、遅すぎる。


戦場を横断する金色の線が伸びる。


世界が割れる。


遠くの山々が崩れる。


紅い空が砕けたガラスのように裂ける。


斬撃の軌道上にあるものがすべて消える。


何だこの攻撃は——


胸に温かさが広がる。


避けられない。


防げない。


見ることさえできない。


見下ろすと、胸を細い金色の線が貫いている。


「ああ……」


上半身が腰から滑り落ちる。


血が宙に噴き、意識が遠のいていく。


最後に見たのは、刃を下ろすオニキスの姿だ。


闇がすべてを飲み込む。


【死亡回数:2】


再び、意識が虚空に戻る。


前回と同じく、すぐに体を触り始め、本当に生きているのか確かめる。


一分ほどして、再び落ち着く。


「これで二度目の死だ」


永遠に死ぬまでに、あと何回死んでいいのか?


当然、永遠に死にたくはない。そうでなければ神々への復讐を果たせない。


今もなお、彼らが私の厄介ごとの原因だ。


だが……今はそのことを深く考えない。この怒りは、彼らを殺す時まで取っておく。


それに、どうやって私は生き返っているのか?


死ぬたびに時間が以前の地点に戻るのか、それとも魂が新しい体に移されているのか?


リスクを取るべきではない。


より差し迫った問題は、オニキスに対して何ができるかだ。


最初の死は突然だった。彼が相手だとは思ってもいなかった。


油断していたとはいえ、一瞬で殺された事実は依然として驚異的だ。


だが前回の死は、警戒していても彼にとって私を殺すのは虫を踏み潰すのと同じだと示した。


逃げるのは失敗し、戦うのは選択肢にない。


残されたのは、彼と話し合うことだけだ。


この計画が成り立つのは、最初の推測——時間が巻き戻る——が正しい場合だけだ。


もし後者なら、交渉は不可能だ。


新しい体を得るだけなら、彼はすべてを覚えていることになり、前にも言った通り、二度聞くタイプには見えない。


私の計画はすべて、最初の推測にかかっている。


前回と同じく、足の裏から光が放たれ、一瞬で虚空が戦場に戻る。


素早くオニキスを探すが、前回と同じく死体の山にはいない。


彼が私を見つける前に、こちらから彼を見つけて近づかなければならない。


最初の二回は彼が私を見つけて殺したが、クローンの言葉によれば「ある神」が彼にこの任務を命じた。


神が命じたのがそれだけだと仮定すれば、この件に無関係な者を見逃してもおかしくない。


もちろん証拠はない。


だがそれはただの希望的観測だ。暗殺者が標的を殺すよう命じられ、たまたま目撃者がいた場合、その目撃者を生かすわけがない……特に一部始終を見ていたなら。


正直、このアイデアはかなり愚かだが、今の状況では最も愚かなアイデアでさえ命を救うかもしれない。


もちろん問題が一つある。


オニキスがどこにいるか分からない。


戦場を見渡す。


死体の山。


炎の川。


地面に埋められた無数の武器。


何もない。


「……どこにいる?」


答えはない。


「……」


ここに立っていても答えは得られない。


戦場を歩き始める。歩いているうちに、ふとある考えが浮かぶ。


実は……


なぜいつも彼の方から私を見つけるのか?


最初の死の時は油断していた。


二度目は走った。


光速で走ったのに、それでも彼は私を見つけた。


足取りが遅くなる。


「……マナ」


静かに言葉が漏れる。


それが唯一筋の通る説明だ。


ずっと体にマナを溢れさせていた。


視力を強化し。


ソニック・リープを発動し。


オニキスのレベルからすれば、その量のマナは真夜中の篝火のように目立っただろう。


なら、マナを抑えれば——


考えがそこで途切れる。


なぜか。


単純に、彼を見つけたからだ。


正確には、偶然出会ったと言った方が正しい。


体が凍りつく。


あそこだ。


壊れた石造りの構造物の上に、彫像のように動かずに立っている。


背後で紅い空が燃えている。


鎧の亀裂から放たれる金色の光は、ほとんど神々しいとさえ言える。


彼を見ただけで足が崩れそうになる。


無理やり前へ進む。


一歩。


また一歩。


まるで怯えた子供のように。実際、それは難しくない。元神の魂を持っていても、今の私は七歳の少年なのだから。


私の計画はそれにかかっている。


これまで彼の視点から見れば常に怪しかった。だから今度は年齢相応に振る舞う。


愚かだ、確かに。だが試していないのはこれだけだ。


楽な点は、怖がる演技をする必要がないことだ。すでに本当に怖がっている。


やがて数メートル先で止まる。


オニキスがゆっくりと視線を下ろす。


金色の目が私の目と合う。


一瞬、死んだと思った。


それから——


何も起こらない。


いい。とてもいい。


緊張して唾を飲み込む。


「こ、こんにちは」


反応はない。


「私の名前は……ノワールです」


この名前を伝えるのが一番いい。本当の自分を知られる必要はない。


「迷子になっちゃって」


まだ何も言わない。


頭の後ろを気まずそうにかく。


「家族と一緒だったのに、空から光が落ちてきて」


人が突然別の場所に飛ばされることは珍しくない。


「……それでここに来ちゃったんです」


何も言わないが、死んでいないのは良い兆候だ。


心臓が激しく打つ。


少し頭を下げる。


「こ、怖いんです」と弱々しい声で言う。「家に帰りたい」


演技を本物にするため、偽の涙を浮かべ始める。


気づいた時には、影が私に覆いかぶさっている。


ゆっくりと見上げると、目の前にオニキスが立っている。


どうやって? 動く音さえ聞こえなかった。


「て、手伝ってくれますか?」


次の言葉は少し惨めだが、もう後戻りはできない。


一瞬、何も起こらない。最初は「くそ、殺される」と思うが、驚いたことに——


彼は頷く。


……うまくいった。本当にうまくいった!


愚かなアイデアが本当に通った。


子供だからこそ命を助けられる時が来るとは思わなかった。


いつも小さな体がいつか死の原因になると思っていたのに、今日はそれが私を救った。小さな体にも利点があるのかもしれない。


だがそれは後回しだ。


今は彼が助けると同意したが、話は全部作り話で、これは試練の一部だから……


ほぼ忘れていた。


「ありがとう、オニキスさん」と伝える。目上を敬えない生意気な子供だと思われたくない。だが——


その言葉が口から出た瞬間、すべてが変わる。


空気が凍りつく。


笑顔が消える。


血が凍る。


鎧の中の金色の光が強まる。


……くそ。


どれだけ愚かだったのか。


私の推測が正しいなら、これは彼と私の初めての出会いだ。


だがこれまで、彼は自分の名前を教えていない。


重大なミスを犯した。


気づいた時には、首に金色の線が現れ、再び闇が訪れる。


【死亡回数:3】


——


目がぱっと開く。


再び虚空が私を迎える。


三度目の死なので、もう体を確認する気にもならない。すべて無事だと分かっている。


だが本能的に膝をつく。


数秒間、ただ虚空を見つめる。


それから笑い出す。


乾いた、疲れた笑い声だ。


「……当たっていた」


時間が巻き戻った。


本当に巻き戻った。


これで、この試練の機能の一つを確認した。


生き延びたいなら、何を言ってはいけないかが分かった。


立ち上がる。


「今度は……」


終わりなき闇を見つめる。


「勝つのは私だ」


【死亡回数:45】


長いため息をつく。


四十五回の死。


四十五回の失敗。


この時点でもう怒ってもいない。


ただ、疲れただけだ。


何かを掴んだと思ったたびに。


ついに生き延びる方法を見つけたと思ったたびに。


そして毎回……


死んだ。


最初の数回の死は、ほとんど恥ずかしいほどだった。


——


時間が巻き戻ることを証明した後、解決策は単純だと思った。


彼の名前を出さない。知っているはずのないことを言わない。


要するに、普通の子供として振る舞う。


簡単だ。


だが……


私は普通の子供ではなかった。


その気づきの後の最初の死は、一分もかからなかった。


彼に近づく。


怖がって、混乱したように振る舞う。


すべてが完璧に進んでいた。


それから彼が簡単な質問をした。


「怖いのか?」


言葉は口からではなく、頭の中に響いた。テレパシーを使っている。


理由は分からないし、考える時間もなかった。


すぐに「はい」と答えた。


その瞬間、彼は私を殺した。


最初は理由が分からなかった。


それから気づいた。


声が震えなかった。


心拍が変わらなかった。


怖いと言った。


だが体はそう言っていなかった。


奇妙だ。その瞬間、本当に怖かったのに。


よし、そこを直そう、と思った。


次の死はもっと長く続いた。


ずっと長く。


問題を直したつもりだった。


今度は無理やりパニックを起こした。


無理やり怯えたように振る舞った。一歩にも抵抗や自信を見せなかった。


それから彼が歩き始めた。


どこへかは分からない。ただ、ついていかなければならないと分かっていた。ついていかなければ怪しまれる。頼る者がいない子供のように、彼の後を追った。


自分のミスにさえ気づかなかった。


オニキスは気づいた。


戦場には壊れた武器が散らばっていた。


廃墟となった鎧。


死体。


しばらく気を緩め、いくつかの武器を眺めてしまった。


地面に突き刺さった剣の作りを識別した。


何世紀も前の鍛冶技術だ。


平和を望んだ種族なのに、武器の鍛え方をよく知っていたものだ。


気づいた時には、再び虚空に戻されていた。


どうやら七歳児は古代の装備を見分けたり、それに興味を持ったりしてはいけないらしい。


知らなかった。


別の時には、ほぼ一時間生き延びた。


丸一時間だ。


その時は、ついに成功したと思った。


それから攻撃を受けた。


少なくとも……そう思った。


燃える瓦礫が空から落ちてきた。


本能が働いた。


考えるより先に動いた。


それを避けるための正確な動き。


数え切れない戦いを通じて洗練された動き。


オニキスはすべてを見ていた。それから私を殺した。


他にも死があった。


あまりにも多すぎる死が。


死ぬたびに計画を調整し、犯したミスを新しい計画に持ち込まないようにした。


ある時点で、ふと一つの疑問が浮かんだ。


いつから死を恐れなくなったのか?


その問いは不意を突いた。


最初の死の時は恐怖していた。


二度目も大して変わらなかった。


十回目の死でさえ、胃がよじれた。


だが二十一回目の死までに、死ぬという考えはほとんど影響を与えなくなっていた。


——


「……はあ」と現在に戻って独り言を言う。


いつそうなったのか?


どの時点で死が普通になったのか?


苦い笑みが顔に浮かぶ。


「まあ」


声が妙に落ち着いている。


「ここまで私を追い込んだ奴は今までいなかった」


笑みが消える。


足の裏から光が再び広がり始める。


しばらくして戦場が戻る。


紅い空、死体の山、炎の川——すべてが前とまったく同じだ。


毎回と同じように。


歩き始める。


やがて壊れた石造りの構造物が視界に入る。


毎回の死と同じように。


そして毎回の死と同じように——


彼がそこにいる。


石の上に動かずに立ち、まるで誰かを待っていたかのようだ。


まるで私が来るのを知っていたかのようだ。


ゆっくりと近づく。いつものように混乱したように、いつものように怖がって、いつものように惨めに振る舞う。


すべてが、これまで何十回も繰り返した通りに進む。


それまで——


突然、ある考えが浮かぶ。


絶望的で、 outright 馬鹿げた考えだが。


四十五回の死を経た今、残っているのは絶望だけだ。


自分を止める前に、静かに呟く。


「……寂しいんでしょう」


初めて、オニキスが反応する。


わずかにだけ。


だが十分だ。


目を見開く。


彼の注意を引けた。


勢いを失う前に続ける。


「つまり……」


頭の後ろをかく。


「今まで見た時、いつもここに立ってた」


言葉をゆっくりと紡ぐ。


「いつも一人で」


戦場が静まり返る。


炎さえも、どこか静かになったように感じる。


数秒間、オニキスは何も言わない。


それから——


「……寂しい」


これが二度目に彼の声を聞いた瞬間だ。テレパシーではなく、口で。


だがその言葉の言い方は、まるで長い間その言葉を耳にしていなかったかのようだ。


頷く。


「もしずっと同じ場所にいたら……」


頭を下げる。


「私も寂しくなると思う」


沈黙。


一瞬——


ほんの一瞬——


成功したと思う。戦士でも執行者でもなく、鎧の中の人間を見つけたと思う。


それからオニキスが口を開く。


「……面白い」


心臓が激しく打つ。


面白い?


それから彼はゆっくりと視線を下ろす。


私たちの金色の目が絡み合う。


そして突然——


一歩で、彼が目の前に現れる。


「……お前は誰だ?」と彼が問う。


子供ではなく。


私を。


本当の私を。


四十五回の死の中で初めて……


答えがない。


金色の閃光が視界を埋め尽くす。


闇が続く。


……


【死亡回数:46】


目を開ける。


再び虚空が私を迎える。


数秒間、動かない。


それからゆっくりと手を上げ、顔を覆う。


「……そうか」


声が疲れ切っている。


とても疲れている。


長い息を吐く。


「交渉は無理だ」


その言葉が妙に安堵をもたらす。


ようやく何かを受け入れたような気がする。


嘘も。


演技も。


策略も。


交渉も。


ただ冷たく硬い現実だけだ。


ゆっくりと手を下ろす。


頭の中に金色の目が浮かぶ。


あの不可能な鎧。


あの不可能な強さ。


あの不可能な存在。


小さな笑みが顔に浮かぶ。


鎧の向こうにいる人間に話しかけようとした。だがそれさえも通用しないなら——


「……もう、繋がろうとする望みなど捨てる」


残っていたわずかな期待さえも、完全に手放す。


「……代わりに、獣を殺す」

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