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黄金凶星(ゴールデン・アステリズム)〜女子化した僕がVR銃撃戦で死神と呼ばれ、大切な師匠を裏切った最悪の宿敵を撃ち抜くまで〜  作者: 中島しのぶ


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第4話 初ログイン

 僕のアバターが完成し、これでいつでも『TRIGGER LOCK ONLINE』の世界にダイブできるんだ。VR空間の身体(アバター)で、どんな体験ができるんだろう。


 僕たちは、PCに同期させておいたVRギアを手に取り、それぞれの頭へと装着した。視界が暗転し、現実の世界が遮断される。


「準備はいいか? ……それじゃ、ダイブ開始だ」

 八代の声に合わせて、僕はこめかみ付近にあるヘッドセットのログインボタンを押し込んだ。


 +++


 指先に残るボタンの感触を最後に、意識とゲームの同化が始まる。


『ようこそ「TRIGGER LOCK ONLINE」の世界へ――使用言語を日本語に設定します』


 脳内に直接響く無機質な女性の声。PCのファンの音も八代の気配も消え、真空のような深い静寂が訪れる。


『プレイヤーの初期設定キャラクタークリエイトを開始します――はじめに、前庭感覚(平衡感覚)および固有受容感覚(見なくても自分の体の状態がわかる感覚)をシステムと同期……成功しました』


『次に、視覚および聴覚を同期します――』

 座っている椅子の感触が消失し、上下左右が混濁する。浮遊感のあと、一気に引きずり込まれるような加速。胃の奥がせり上がる感覚と共に、デジタルの身体(アバター)への書き換えが行われる。


『成功しました』


『最終段階――嗅覚、味覚、触覚のパルス出力を開始……全システム、オールグリーン』


『リスポーン地点を初期演習施設(チュートリアル)に設定します』


 カチリ、と頭の奥で安全装置が外れるような音がする――あ、つながった。そう直感した。



『視覚』が焼き付く。

 網膜に飛び込んできたのは、頭上の眼を突き刺すほどに白いLED照明。世界(VR空間)を照らし出し、灰色の天井が見える。


『触覚』と『前庭感覚』、『固有受容感覚』が僕を捉えた。

 浮遊していた意識が急激に加速し、実体化した僕の身体(アバター)が、硬い地面へと投げ出される。


「ッ、あ……!」痛みとともに、呻き声が漏れる。

 無意識に受け身の体勢をとった手のひらに伝わるのは、コンクリートのざらついた無機質な冷たい感触。


『嗅覚』が覚醒する。

 鼻腔を貫くのは、ツンとくる火薬の燃えカスと、機械油の混じったむせ返るような『戦場』の匂い。一度も嗅いだことがないはずの匂いだ。


『聴覚』」が爆発した。

 タタタタ――遠くで鳴り響く、断続的な銃声。

 キンッキンッキンッ――空薬莢が床に落ちる高い金属音。

 初めて聞くその音に、僕の身体がビクリと跳ねた。

  それらが一斉に僕を襲ってきた。

 身体(アバター)(すべての感覚)が同期した瞬間、鼓膜を震わせる怒声が頭上から降り注いだ。


「いつまで死体のように転がっているつもりだ、このゴミ虫がッ!!」

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