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Scene18: 俺が静止した日
耳元で風がビュービュー切れていく。
屋根の端っこが猛然と迫る。
雪止め突起はジャンプ台代わりになってしまった。
衝撃に目を閉じ。
屋根の感触が消え。
体が宙に浮き上がる感覚。
〝There's a starman waiting in the sky〟
聴こえていた楽曲がサビに入り。
目を開けば。
満目に広がる星空。
宇宙遊泳気分。
……もしかすっと、大気圏を突破しちゃったかな?
思った次の瞬間には。
はるか彼方の無数の星星が。
近くて遠い無数の砂利に切り替わる。
もしかせずとも俺の体は重力に囚われ。
大地に向かって頭から真っ逆さま。
「ですよねぇぇえええぇぇっ!」
ぐんぐん迫る死の光景。
落下地点に落ちているあれは?
スターマンを流すウォークマン。
赤い髪をしたハンサム男のジャケット写真に向かって、俺は叫んだ。
「へるぷ・みぃぃぃいいいいぃぃぃっ!」
ピタッ。
と、激突する寸前のところで、俺の体は空中に静止した。




